画・江嵜 健一郎
4月25日(火)午前10時からM社第93回株主総会が六甲アイランドにある神戸ベイシエラトンホテルで開かれ楽しみにして出かけた。会場の様子をスケッチした。
M社は1931年(昭和6)神戸トーアロードのチョコレートショップからスタートした老舗の洋菓子メーカーである。阪神御影駅南出口傍にM社が日本で最初にバレンタインチョコレートをはじめたことに因んで作られたバレンタイン公園がある。
型どおり2022年2月1日~23年1月31日期間の業況報告のあと出席者に質問の時間が用意されており3人の株主が質問した。
1番目の株主は鎌倉ニュージャーマン吸収合併の成果に触れたあとM社の商品開発に取り組む姿勢。それを支えた従業員の努力を高く評価したい。」と話した。
山口社長は「お陰様で今期過去最高の利益を上げることが出来た。年末に0.2ケ月分を乗せて賞与を配った。春闘の際には組合側の要求に満額回答。日本平均の3.6%を上回る4%の賃上げを実現出来た。」と答えた。
2番目に筆者が手を上げた。「地元神戸発祥であることに誇りをもっている。M社の好業績は御社のブランド力が大きな強みとなっていると思っている。ブランド力の更なる向上について社長さんのお考えを伺いたい。」「人材確保と従業員満足度向上」とあるが「株主拡大」と「株主満足度の向上」もお願いしたい。株価は社長さんの通信簿ということばがある。増配もありがたいが株価上昇は株主もだが従業員の皆さんにも元気が出る。人材確保では特に若い人材確保をお願いしたい。今年成人式を迎えた大学3年の孫がいるが彼女にM社の株主になって欲しいと伝えている。」と話した。
山口社長は「ブランド価値の向上と成長基盤の強化を取り組むべき課題の第一に挙げている。ブランド価値向上という意味で特筆すべきは3点ある。
- ガレットオブール(galet au beurre)
(ブールは フランス語でバターの意味)の焼き菓子は大阪高島屋、博多阪急、銀座三越で扱っていたがは売り切れ続出の人気だ。京都や東京のデパートからも引き合いが来て新たな段階を迎えている。②阪神梅田専用の焼き菓子新ブランド、「カスタ」も定番の人気商品になり、他のデパートからも同様の展開の相談が来ている。③北海道の雪うさぎをイメージした「ガレットネージユ」も検討中だ。」と話し「お孫さんによろしく。」とありがたいことに社長さんは言葉を添えて話しを終えた。
3番目の株主は「社長さんは日本チョコレート組合理事長をしておられる。原料のカカオなどで児童労働で問題が出ていると聞いている。社長さんのお考えをお聞きしたい。」と質問した。
山口社長は「仕入れ委員会が「組合」の中にある。ご指摘の情報も組合員で共有して真摯に対応している。原料のココアは一括して購入している。フエアトレード制度も活用している。」と答えた。
株主総会はお土産が出るから行く。お土産が出ないと行かない株主が多いと聞く。しかし、年に一度、社長さんの話を直々聞くことが出来るまたとない機会である。元気である限り毎年参加したいと思っている。(了)