(学校で教えてくれない経済学)
グッドフライデー(4月7日)は国民の祝祭日ではないがNY証券取引所は休日だった。政府機関は平常通り開かれた。米商務省は3月米雇用統計を発表した。就業者数(非農業部門)は23.6万人増加した。ほぼ予想通りだった。失業率は3.5%と2月の3.6%から改善した。平均時給は4.2%増加(2月:4.6%増)した。2月の就業者数を32.6万人増へ改定した。改正された結果就業者数の増加分は縮小した。利上げに伴い雇用を控える兆候が見られる。tだ、7日のロイター電子版は「3月雇用データはcooler but still strong。雇用数字は多少減った。しかし、失業率はやや改善している。直近の新規の失業保険申請件数は減少した。しかし、人手不足状態は依然続いている。」と米FRB当局は見ている。5月2,3日の次回米FOMCの会合では当初予定の0.25%利上げを実施すると市場は見ている。」と伝えた。
日本はどうか。3日「日銀」が発表した「短観」では、大企業・製造は前回の12月調査より6ポイント悪化した。一方、大企業・非製造業は2ポイント改善した。「3か月先」では大企業・製造業も2ポイント改善している。23年度の為替レートは1ドル=131.72円と12月調査から1ドルあたり1円・円安と見ている。巷間伝えられている「春闘」での賃上げでは 「要求額・率、回答額・率が公表されている。例外はあるが、昨年要求2%台で回答1%台が今年は要求4%台で回答2%台とわずかながら改善が見られる。
内閣府が行っている景気ウオッチャー調査では(2月まで)「3か月前と比べて「悪くなっている」割合が4.1ポイント減り49.4、「良くなっている」割合が増えている。個人的話であるが月4回大阪難波界隈へ出かける。近鉄「日本橋」に降りると外国人の数が昨年秋以降急激に増えた。なんば高島屋の買い物客の混み具合が変わった。高島屋のレストラン街の待ち人数が平日でも増えた。大阪難波程でないが神戸三宮界隈でも賑わいが間違いなく戻ってきている。往来の阪神、近鉄の客の混み具合が全く変わった。一番大きな変化である。
何十年か振りかで昨日近くの六甲ボウルへ授業のあとの孫家族と出かけた。48レーン全て埋まっていた。平日だったが待ち時間30分かかった。しかし客人の回転は速かった。孫の希望で3ゲームしたが相席の様子を見ていると2ゲームと時間は長くない。先日京都へ知人の個展に出かけた。外国人の数はコロナ前と比べてまだまだだが平日の昼間だったが街を歩く観光客は間違いなく増加している。地下鉄の混み具合はコロナ前と変わらない感じがした。先の日銀「短観」にもあるが大企業・非製造業で「改善」のポイントが増えてきているのは日本全体でも観光・サービス業、飲食で「改善」が見られつつあるのだろう。
問題は値上げだ。スーパーで好物の握り寿司ワンパックの値段が昨年より150円上がった。食パン123円が158円に上がった。鶏肉のワンパックの値段が据え置きで量が見ただけで小さくなった。どこまで値上げされるか先が見えない。「春闘」で賃上げに本気で取り組んで欲しい。失われた30年。日本は20年賃上げを放棄した。こんな国は世界にない。(了)