女流六人展:京都染・清流館
江嵜企画代表・Ken
「女流六人展」が、「源氏物語」千年記念事業の一環として、
4月23日まで、京都染・清流館(075-255-5301)で開かれている。
4月6日のNHKテレビ「日曜美術館」でも紹介された。
六人の中には、人間国宝でもあり、昨年急逝された、金銀細工作家の
江里佐代子さん、洋画家の川村悦子さんらと共に、日本画家、
森田りえ子さんの屏風絵を見ることができる、ということで楽しみにして、
家族と共に出かけた。
会場は、畳の部屋のため、履物を脱いで上がる。腰を下ろして
作品をかぶりつきで、じっくり観賞できて幸いだった。
森田りえ子さんの絵は、「四季扇面貼り付け屏風」で、
春、夏、秋、冬の順に、梅,松、椿から芙蓉,桔梗、朝顔などと
続く。燕、雁、 蝶、蜻蛉、蛍など小動物も二枚目の扇面に
添えられており、大いに楽しんだ。それぞれが源氏物語に
ちなむものだという。
源氏物語画帖では、扇面は一枚である。森田りえ子さんの今回の
屏風絵は、扇面を二枚重ねて描いておられる。もうひとつ、珍しいと
思ったのは、朝顔の扇面に添えて、蜘蛛の絵が目にとまった。
森田りえ子先生のご自宅に電話して、「森田先生のひらめきで
描かれたのですか」と厚かましくも、お尋ねしたら、「そう、一枚だと
ありきたりだし」と答えてくださった。「蜘蛛の絵は、珍しいですね」、と
重ねて聞くと、はじめて描いた、という。
「蜘蛛のスケッチはどちらで」、と追いかけて聞くと、「女郎蜘蛛は、
何処にでもいますよ」とあっさりしたものだ。朝顔に女郎蜘蛛を
配したところが、いかにも、森田りえ子さんらしいな、と一人悦に
いっていた次第である。
所要があり行けなかった、トークショー(4月6日)では、一部、
そのあたりのエピソードも話されたそうだ。
「六人展」のあと、「源氏絵と雅の系譜ー王朝の恋」特別展
(4月13日まで)開催の細見美術館まで足を延ばした。
京都文化博物館(075-222-0889)では、4月26日から
6月8日まで、「源氏物語千年紀展」-恋、千年の時空をこえてー
の開催が予定されている。
源氏物語は、寛弘5年(1008)には、宮中で読まれ、評判になっていたと
紫式部日記から読めるそうだ。平成20年(2008)はその時から1000年になる。
お時間許せば、文字どうり1000年の時空を越えて、京都まで
足をのばされては、いかがと思う次第である。
「六人展」の会場の様子を軽くスケッチした。(了)