米国のガソリンスタンド売りの値段がガロン(3.785リットル)、3.51ドルまで値上がりしてきた。夏のドライブシーズンになれば、間違いなくガロン4ドルを越えるだろうと4月26日のWSJ紙が解説している。
リッターでは1.06ドルだから、1ドル104円で換算すれば、約110円になる。リッター110円のガソリンが米国で、高いか安いか理論の分かれるところであるが、車に乗らないと、生活できないアメリカ人にとっては、生活費に食い込むことだけは確かである。
NY原油(WTI)先物相場は、4月26日、バレル2.46ドル、2.1%値上がり、118.52ドルで取引された。これでWTIの先物値段は、年初から24%値上がりした。しかし、ガソリン相場は、原油の上げ幅と比べれば、15%しか値上がりしていない。精製メーカーは、割り勘負けしている。
原油相場は、米国の短期目標金利のFFレートに連動して売り買いされてきた。利下げがあるとドルが売られ、ドルが売られ原油が買われた。ドルが買い戻されたら、原油は売りだが、何かと理屈をつけては、相場に仕立てている。
FFレートが4月末開催の米FOMCで0.25%上げた後、打ち止めになるという思惑から、ドルが買い戻された。NY外国為替市場では、1ユーロ=1.5596ドル、1ドル=104.44円、英ポンド=1.9828ドル、1ドル=1.0367スイスフランとそれぞれ主要通貨に対して値上がりした。
ミシガン大学消費者信頼感指数は、4月62.5へ3月の69.5から低下下。ところが、NYダウは、サブプライムローン問題は最悪期を脱したとして、小幅ながら値上がりした。NYダウが上げればドルは対で値上がりする。日本で借りた円を売ってドルに交換し、買ったドルでアメリカ株を買う結果である。
スイスフランが対ドルで売られているが、年2.0%のスイスが欧州の景況感悪化で利下げされるのではないかとの思惑が根底にあっての動きであると今朝のWSJ紙は解説している。
ところで、今朝のWSJ紙は、Peter Bernstein氏(89)とのインタビュー記事を掲載している。同氏は、1919年の大恐慌を、幼子として、父親の仕事を観察した。1958年、1970年代、1987年、2000~2002年の不況は自ら、コンサルタントしての仕事をした。今回のサブプライムローン危機は過去のいずれとも異なる。2009年一杯続くと話している。
対談の冒頭に、“Too much borrowing”by hedge fundsということばからはじまる。借り入れの全てを次々証券化した。過去の不況には全くなかった。それが解決を長引かせる原因だと話している。食べすぎが健康に一番良くない。借金も程々がいい。借りすぎはいけない。
次に、“Too smart to do again”という言葉が出てくる。余りにも賢すぎてリスクに対応できない。FRBも解決策が分からないのではないかと話している。日本でも、賢すぎる人が増えてきている。余りにも賢すぎる人は危険である。信用できない。
最後に、バーンスタイン氏は、米国は自力では、今回の危機から抜け出せない。アジアの力がどうしても必要になるだろう。アジアでの成長がアメリカを助けてくれると話を終えている。日々の相場の動きも大事であるが、時に、寝転がって空を見ることも大切だろう。(了)
リッターでは1.06ドルだから、1ドル104円で換算すれば、約110円になる。リッター110円のガソリンが米国で、高いか安いか理論の分かれるところであるが、車に乗らないと、生活できないアメリカ人にとっては、生活費に食い込むことだけは確かである。
NY原油(WTI)先物相場は、4月26日、バレル2.46ドル、2.1%値上がり、118.52ドルで取引された。これでWTIの先物値段は、年初から24%値上がりした。しかし、ガソリン相場は、原油の上げ幅と比べれば、15%しか値上がりしていない。精製メーカーは、割り勘負けしている。
原油相場は、米国の短期目標金利のFFレートに連動して売り買いされてきた。利下げがあるとドルが売られ、ドルが売られ原油が買われた。ドルが買い戻されたら、原油は売りだが、何かと理屈をつけては、相場に仕立てている。
FFレートが4月末開催の米FOMCで0.25%上げた後、打ち止めになるという思惑から、ドルが買い戻された。NY外国為替市場では、1ユーロ=1.5596ドル、1ドル=104.44円、英ポンド=1.9828ドル、1ドル=1.0367スイスフランとそれぞれ主要通貨に対して値上がりした。
ミシガン大学消費者信頼感指数は、4月62.5へ3月の69.5から低下下。ところが、NYダウは、サブプライムローン問題は最悪期を脱したとして、小幅ながら値上がりした。NYダウが上げればドルは対で値上がりする。日本で借りた円を売ってドルに交換し、買ったドルでアメリカ株を買う結果である。
スイスフランが対ドルで売られているが、年2.0%のスイスが欧州の景況感悪化で利下げされるのではないかとの思惑が根底にあっての動きであると今朝のWSJ紙は解説している。
ところで、今朝のWSJ紙は、Peter Bernstein氏(89)とのインタビュー記事を掲載している。同氏は、1919年の大恐慌を、幼子として、父親の仕事を観察した。1958年、1970年代、1987年、2000~2002年の不況は自ら、コンサルタントしての仕事をした。今回のサブプライムローン危機は過去のいずれとも異なる。2009年一杯続くと話している。
対談の冒頭に、“Too much borrowing”by hedge fundsということばからはじまる。借り入れの全てを次々証券化した。過去の不況には全くなかった。それが解決を長引かせる原因だと話している。食べすぎが健康に一番良くない。借金も程々がいい。借りすぎはいけない。
次に、“Too smart to do again”という言葉が出てくる。余りにも賢すぎてリスクに対応できない。FRBも解決策が分からないのではないかと話している。日本でも、賢すぎる人が増えてきている。余りにも賢すぎる人は危険である。信用できない。
最後に、バーンスタイン氏は、米国は自力では、今回の危機から抜け出せない。アジアの力がどうしても必要になるだろう。アジアでの成長がアメリカを助けてくれると話を終えている。日々の相場の動きも大事であるが、時に、寝転がって空を見ることも大切だろう。(了)