米ワシントンで開かれていたG7が4月11日閉幕、共同声明を発表した。声明文の第一行は、世界経済と国際金融システムに挑戦するという言葉で始まる。
次に、世界経済は、困難な時期に引き続き直面している。長期的には抵抗力を維持しているが、目先の世界景気の足取りは弱い。米国における住宅不振、インフレをもたらす原油と商品価格高騰が続けば、好調なエマージング諸国も、世界的な圧力に抵抗できないと続く。
第3に、問題の金融機関に、証券化商品などの不透明な情報の迅速な開示を求めた。同時に、一層の金融システム基盤強化に向けて、監視体制を強化し、世界の中央銀行に協調を促した。積極的に資金供給し、マーケットの基盤強化も促がしている。
第4に、為替市場に言及した。ドル安に対する危機感の表れだろう。為替相場の推移をきめ細かく観察し、適切に協調して対応する。中国に人民元切り上げの加速化を促した。
第5に、金融安定化フォーラム(the Financial Stability Forum)がまとめた、金融システム安定化に向けた、5つの指針に基づき、100日以内と期限を設け、かつ、優先順位をつけて、早急に実施するよう勧告した。G7の共同声明の中で、6月に開催される大阪での財務相会議を経て、秋に結論を出すと期待している。
OSAKA? Where is it? 300年前、淀屋健在の時代の大坂は、世界に冠たる金融と商業のセンターOSAKAだった。大阪の名が、G7共同声明に現れたことは前代未聞だろう。
共同声明は、最後に、IMFの意義に触れた。事業費1000億ドル削減の穴埋めに、退蔵している金を売却して、IMFの機能維持に努めると指摘した。
10月開催予定のIMF総会では、政府系ファンド(SovereignWealthFunds)の活用を話し合うと指摘している。今朝のWSJ紙によると、金融安定化フォーラム(FSF)には具体性と実効性に欠けると批判している一部シンクタンクの意見を紹介している。
G7に出席したEU代表の一人は、米国の巨額の貿易赤字、一方、アジアの巨額の黒字がドル安・ユーロ高をもたらしていると指摘した。ルクセンブルグのJuncker首相は、米ブッシュ大統領との個別会談で、ドル安・ユーロ高に懸念を表明した。
ブッシュ大統領は、3月、現在のドル相場は、過小評価されていると前例のない発言をしたと今朝のWSJ紙は紹介している。このところのドル相場が堅調に推移していた背景の一つである。しかし、G7開催を前にして、ドルは再び売られ、1ドル=100円台、1ユーロ=1.58ドル台まで値下がりした。
G7は、ドル防衛に向けて、金融システムの安定と金融機関への透明性の確保を謳い、同時に、人民元切り上げを促がした。しかし、万一、具体的な成果が上がらなければ、ドル売りをむしろ加速させるリスクは高まるとの冷ややかな見方もWSJ紙は紹介している。
ドルは、2000年10月25日に、1ユーロ=82.7セントまで値上がりした。しかし、2002年以降は一貫して下げ基調にある。2008年に入り、ドルは、対ユーロ、対円共に15%値下がりした。一方、G7は、人民元の切り上げを歓迎したが、今ひとつ歯切れが悪い。
日本という国は資源がゼロに等しい。為替レートは、日本人の日々の生活に、直接間接影響を与える。G7をマーケットが信任するかどうか。G7後初の東京市場が注目される。(了)
次に、世界経済は、困難な時期に引き続き直面している。長期的には抵抗力を維持しているが、目先の世界景気の足取りは弱い。米国における住宅不振、インフレをもたらす原油と商品価格高騰が続けば、好調なエマージング諸国も、世界的な圧力に抵抗できないと続く。
第3に、問題の金融機関に、証券化商品などの不透明な情報の迅速な開示を求めた。同時に、一層の金融システム基盤強化に向けて、監視体制を強化し、世界の中央銀行に協調を促した。積極的に資金供給し、マーケットの基盤強化も促がしている。
第4に、為替市場に言及した。ドル安に対する危機感の表れだろう。為替相場の推移をきめ細かく観察し、適切に協調して対応する。中国に人民元切り上げの加速化を促した。
第5に、金融安定化フォーラム(the Financial Stability Forum)がまとめた、金融システム安定化に向けた、5つの指針に基づき、100日以内と期限を設け、かつ、優先順位をつけて、早急に実施するよう勧告した。G7の共同声明の中で、6月に開催される大阪での財務相会議を経て、秋に結論を出すと期待している。
OSAKA? Where is it? 300年前、淀屋健在の時代の大坂は、世界に冠たる金融と商業のセンターOSAKAだった。大阪の名が、G7共同声明に現れたことは前代未聞だろう。
共同声明は、最後に、IMFの意義に触れた。事業費1000億ドル削減の穴埋めに、退蔵している金を売却して、IMFの機能維持に努めると指摘した。
10月開催予定のIMF総会では、政府系ファンド(SovereignWealthFunds)の活用を話し合うと指摘している。今朝のWSJ紙によると、金融安定化フォーラム(FSF)には具体性と実効性に欠けると批判している一部シンクタンクの意見を紹介している。
G7に出席したEU代表の一人は、米国の巨額の貿易赤字、一方、アジアの巨額の黒字がドル安・ユーロ高をもたらしていると指摘した。ルクセンブルグのJuncker首相は、米ブッシュ大統領との個別会談で、ドル安・ユーロ高に懸念を表明した。
ブッシュ大統領は、3月、現在のドル相場は、過小評価されていると前例のない発言をしたと今朝のWSJ紙は紹介している。このところのドル相場が堅調に推移していた背景の一つである。しかし、G7開催を前にして、ドルは再び売られ、1ドル=100円台、1ユーロ=1.58ドル台まで値下がりした。
G7は、ドル防衛に向けて、金融システムの安定と金融機関への透明性の確保を謳い、同時に、人民元切り上げを促がした。しかし、万一、具体的な成果が上がらなければ、ドル売りをむしろ加速させるリスクは高まるとの冷ややかな見方もWSJ紙は紹介している。
ドルは、2000年10月25日に、1ユーロ=82.7セントまで値上がりした。しかし、2002年以降は一貫して下げ基調にある。2008年に入り、ドルは、対ユーロ、対円共に15%値下がりした。一方、G7は、人民元の切り上げを歓迎したが、今ひとつ歯切れが悪い。
日本という国は資源がゼロに等しい。為替レートは、日本人の日々の生活に、直接間接影響を与える。G7をマーケットが信任するかどうか。G7後初の東京市場が注目される。(了)