NY外国為替市場で、4月1日、米国景気がリセッション入りしているとの認識が強まり、ドルが、対ユーロ、対円ともに売られ、1ユーロ=1.5826ドル、1ドル=100.64円まで値下がりした。
GE社が発表した、第1四半期の決算で、利益が6%減少し、2008年の収益見通しも、下方修正したことを嫌気して、NYダウが、前日比256ドル、2%下げ、12,325ドルで取引されたことから、ドル安・円高が加速した。未発表のG7の共同声明文も不透明要因だ。
NYダウが下がると、円が対ドルで値上がりするパターンが定着している。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からは、日本円が買われる道理はない。ただ、人民元が、1ドル=6.99ドル台まで上げて来たことが、対ドルで円が値上がりしたことに影響している。
ミシガン大学調べの4月の米消費者信頼感指数が、食料品とガソリンなどエネルギー費が高騰した結果、3月の69.5から63.2へ低下したことも米ドル売り、米株売りを助けた。ワシントンで開催中のG7の共同声明を見極めたいとする空気も米ドル売りを助けている。
為替レートは、金利差からも大いに影響を受ける。英国中央銀行は、0.25%の利下げを発表し、年5.0%とした。ところが、インフレ懸念から、ECB(欧州中央銀行)は、年4.0%を据え置いた。米国がリセッション入りを確認すれば、追加利下げとなる。結果、米欧の金利差が拡大して、ドル売り材料を提供する。
ドルが売られるなら、目減りを少しでも避けたい。ドル建て価格を上げようとする力か働く。米国がリセッション入りなら、本来なら、需要減で原油売りだが、NY原油(WTI)先物相場が、前日比バレル3セント高とほぼ横這いのバレル110.14ドルで取引を終了した。ブレント油も横這いのバレル108.20ドルで取引された。
IMFは、2008年の世界経済の見通しを、1月作成時点の年4.2%増から、先週、3.7%増へ下方修正した。米国に留まらず、世界的に原油需要が減少すれば、原油は売られてもおかしくない。それがなかなか下がらない。
昔、大阪市と堺市を隔てて流れる大和川で、朝晩、水鳥の動きを観察する機会があった。相場の世界は、水鳥の生態に良く似ている。餌場(原油市場)から離れようとしない。彼らが、餌場を離れようとしないのは、この先、餌にありつけると察知しているからであろう。
世界景気後退だから需要減か。二桁経済が続く中国、インドでは、原油需要は減らないから原油需給はタイトな状態が続くのか。人間の浅智恵では、どうしても、「綱引き」になる。相場の世界では、相場は相場に聞けという格言がある。水心、魚心は言い得て妙だ。
G7で、金融のプロが集まっても、サブプライムローン問題を解決できない。日本は89年以降の不動産不況で実態をひた隠しして、病気をこじらせた。今朝のWSJ紙によれば、G7の共同声明で、リセッションの文字を削除する方向で協議が進んでいるとあった。
経済と人間の健康と共通点が多い。ガンでも早期に適切に対応をすれば死なない。昨今、特に、日本では、口を開けば理屈をこねて、事態を益々混乱させる御仁が増えてきた。
度が過ぎるセクショナリズムも専門バカ(ガン細胞)を増殖させる。おのれが何様であるとでも、思っておられるのであろうか。素直さの欠けるひとの集まりには、救いがない。(了)
GE社が発表した、第1四半期の決算で、利益が6%減少し、2008年の収益見通しも、下方修正したことを嫌気して、NYダウが、前日比256ドル、2%下げ、12,325ドルで取引されたことから、ドル安・円高が加速した。未発表のG7の共同声明文も不透明要因だ。
NYダウが下がると、円が対ドルで値上がりするパターンが定着している。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からは、日本円が買われる道理はない。ただ、人民元が、1ドル=6.99ドル台まで上げて来たことが、対ドルで円が値上がりしたことに影響している。
ミシガン大学調べの4月の米消費者信頼感指数が、食料品とガソリンなどエネルギー費が高騰した結果、3月の69.5から63.2へ低下したことも米ドル売り、米株売りを助けた。ワシントンで開催中のG7の共同声明を見極めたいとする空気も米ドル売りを助けている。
為替レートは、金利差からも大いに影響を受ける。英国中央銀行は、0.25%の利下げを発表し、年5.0%とした。ところが、インフレ懸念から、ECB(欧州中央銀行)は、年4.0%を据え置いた。米国がリセッション入りを確認すれば、追加利下げとなる。結果、米欧の金利差が拡大して、ドル売り材料を提供する。
ドルが売られるなら、目減りを少しでも避けたい。ドル建て価格を上げようとする力か働く。米国がリセッション入りなら、本来なら、需要減で原油売りだが、NY原油(WTI)先物相場が、前日比バレル3セント高とほぼ横這いのバレル110.14ドルで取引を終了した。ブレント油も横這いのバレル108.20ドルで取引された。
IMFは、2008年の世界経済の見通しを、1月作成時点の年4.2%増から、先週、3.7%増へ下方修正した。米国に留まらず、世界的に原油需要が減少すれば、原油は売られてもおかしくない。それがなかなか下がらない。
昔、大阪市と堺市を隔てて流れる大和川で、朝晩、水鳥の動きを観察する機会があった。相場の世界は、水鳥の生態に良く似ている。餌場(原油市場)から離れようとしない。彼らが、餌場を離れようとしないのは、この先、餌にありつけると察知しているからであろう。
世界景気後退だから需要減か。二桁経済が続く中国、インドでは、原油需要は減らないから原油需給はタイトな状態が続くのか。人間の浅智恵では、どうしても、「綱引き」になる。相場の世界では、相場は相場に聞けという格言がある。水心、魚心は言い得て妙だ。
G7で、金融のプロが集まっても、サブプライムローン問題を解決できない。日本は89年以降の不動産不況で実態をひた隠しして、病気をこじらせた。今朝のWSJ紙によれば、G7の共同声明で、リセッションの文字を削除する方向で協議が進んでいるとあった。
経済と人間の健康と共通点が多い。ガンでも早期に適切に対応をすれば死なない。昨今、特に、日本では、口を開けば理屈をこねて、事態を益々混乱させる御仁が増えてきた。
度が過ぎるセクショナリズムも専門バカ(ガン細胞)を増殖させる。おのれが何様であるとでも、思っておられるのであろうか。素直さの欠けるひとの集まりには、救いがない。(了)