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原油(WTI)一時、バレル115ドル、NYダウ256ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-04-17 08:51:25 | 経済学
 NY原油先物市場で、WTI(軽質油)が、一時、バレル115ドルを突破、前日比1.14ドル、1%上げてバレル114.93ドルで取引を終了した。ブレント(重質油)も値を上げ、バレル112.60ドルで取引された。原油高から金、プラチナ、穀物相場も、つれ高した。
この日の原油相場を押し上げた要因は2つある。一つは米IEA(エネルギー情報局)が発表した、米原油とガソリン在庫が共に大幅に減少したこと、第二に、お決まりのコースであるが、ドルが対ユーロで、新安値を更新したことである。
米ガソリン在庫は、アナリストの予測の170万バレル減に対して、230万バレル減少した。原油高騰による採算悪化で、米石油精製設備の稼働率が90%を割り込み、このままのペースが続けば、夏場のドライブシーズンを乗りきれないとの不安心理が相場を押し上げたと今朝のWSJ紙は解説している。
NY外国為替市場で、ドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.5949ドル、対英ポンドで、1英ポンド=1.9711ドル、対スイスフランで、1ドル=0.9986スイスフラン,対円では、1ドル=101.82で取引された。
4月末予定の米FOMCの会合での米国追加利下げ期待に加えて、ユーロ圏のインフレ率が、2月の3.3%から3.6%へ上昇し、インフレ懸念から、ECBによる利下げは当面期待できない。米欧間の金利差が拡大するとの思惑が強まり、ドル売りを支えている。
欧州のインフレ率については、エネルギー及び食糧、アルコール,タバコを除いた、コア・インフレ率が、2月の1.8%から3月に警戒水位の2.0%まで上昇した。
米国のコア・インフレ率も、2月の0.2% アップについで3月も0.3%上昇した。米国では、サブプライムローン問題から住宅価格は依然、下げ続けており、インフレ懸念よりも景気対策を優先するスタンスを、米国は、当面続けるとの見方がマーケット支配している。
一方、NY株式市場では、NYダウが、金融株の値上がりが貢献して、前日比256ドル、2.1%高、12,619ドルで取引を終了した。ハイテク株指数のナスダック2.8%、小型株指数ラッセル3.1%、S&P500種平均2.3%それぞれ、前日比大幅に値上がりした。
J.P.MorganChaseは、2008年1~3月期決算で、純利益が23億7,000万ドル(2,400億円)と前年同期比50%減と発表、年内一杯、金融収縮は続くと発表したが、JPモルガンの株価は、前日比6.7%値上がりした。米国第5位の銀行、WellFargoは、住宅ローン事業で、3億2,600万ドルの欠損を出し、純利益が前期比11%減と発表したが、ウエルズ・ファーゴの株価は、4.3%値上がりした。
シカゴ、BrightTrading,トレーダー、DonBright氏は、金融機関が損失を表に出してきたことで、透明性が良くなったことは歓迎する。ただし、海外のヘッジファンドの中には、依然、損失の実態を公表しておらず、先行き楽観できないと話したとWSJ紙は紹介した。
米商務省は、3月の米新規住宅着工件数が、年率換算で、17年来最低の94万7,000件、前月比11.9%減と発表した。先行指標の住宅許可件数は、前月比5.8%減少した。米国では、住宅部門の不振は、依然、続いていることを裏付けた。
日本は、政治のダッチロールが目立つ。何事も他人任せにしないこと。それに尽きる。(了)

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