ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

米金融救済策冷や水、株安、ドル安、金相場973ドルへ回復(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-15 09:33:20 | 経済学
 ポールセン米財務長官は、破綻の危機から株価が暴落した米政府系住宅金融会社2社、フレディマックと姉妹会社のファニーメイを国有化はしないが、公定歩合(年2.25%)の利率で2社に貸付けし、救済すると発表した。
 そもそも返済の保証がない借り手に住宅ローンを設定した。その後金利が上昇し利子さえ払えなくなり家を手放した。住宅の値段が下がり、金融機関が巻き込まれた。このまま放置すれば米経済は破綻する。慌てた米国政府が2公社に公的資金を投入するまで発展した。
世の中に万能薬はない。株式市場、為替市場、商品市場は、今回の措置に否定的反応を示した。下手な説明を聞くよりはるかに分かり易い。
 NYダウは、7月14日、初め歓迎してスタートしたが、結局前日比45ドル安、11,055ドルで取引を終了した。2社は救済されるとして、この先何社の金融機関が倒産危機に巻き込まれるか全く読めない。恐怖感から株が売られたと今朝のWSJ紙は解説している。
2公社の株は小幅戻したが、JPモルガン4.4%、バンクオブアメリカ7%など金融セクターの株価が4.9%値下がりしたことが今回の財務長官の談話を信用していないことをマーケットは示した。
NY外国為替市場は、ドルが売られ、1ユーロ=1.5903ドル、1ドル=106.28円でそれぞれ取引された。ドルは、対英ポンド、対スイスフランでも値下がりし,1英ポンド=1.9920ドル、1ドル=1.0171スイスフランで取引された。
ドルは対豪州ドルでも値下がりし、25年来の安値である0.9721ドルで取引された。ドルは対カナダドルでも売られ、1ドル=1.0066ドル出取引された。豪州ドル、カナダドルは資源通貨の評価もあり、ドル安は資源通貨買いとの教科書的反応を示した。
NY金先物市場で、金相場が、前日比13ドル値上がりし、1トロイオンス973ドルで取引された。金はドルの反面教師である。金はドル安の目減りを防ぐ「避難先」の一つである。
金相場は1013ドルの史上最高値をつけたあと一時900ドル割れを演じた。十分な「休養」を取った後、じわりじわりと1,000ドルの大台に向けて戻してきた。この日NY原油先物市場は、ブラジルのストライキの影響を材料に小幅高、バレル145ドルで取引された。
今朝の読売新聞によると、ファニーメイ(連邦住宅抵当公社)、フレディマック(連邦住宅貸し付け抵当公社)を含む米政府機関債が2008年3月時点で、日本の3大メガバンクで4.7兆円保有と出ていた。三菱UFJフィナンシャルだけで3兆3,000億円とある。
同紙によれば、少し古いデータであるが、米金融当局がまとめた07年6月の米政府機関債(長期債)の海外保有残高は中国が3760億ドル、日本が2290億ドルと1、2位に名を連ねている。米国債含めドル保有高が1兆ドルを超えた中国の今後の動きが不気味である。
今回の事件は、米政府が絶大な支援をしているから大丈夫だと安心して米国の政府系金融機関の債券や株を買っているととんでもないことになることをわかりやすく教えてくれた。米国は国民の税金を使えないという大義名文がある。現段階では2社を国有化するところまで踏み込んでいない。日本は住専処理で公的資金投入を先延ばしして禍根を残した。
蚊取線香の「金鳥の夏」の時代が懐かしい。いま「緊張の夏」では洒落にもなるまい。(了)

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N病院待合室風景(スケッチ&コメント)

2008-07-14 21:15:48 | スケッチ


N病院待合室風景

江嵜企画代表・Ken



 目の定期健診のためN病院を4ヶ月振りに訪れた。前回検診の時N先生から次回からはK先生に代わるという話は聞いてはいたが診察を受けるまではどんな方だろうかと不安である。
 この病院の受付は朝8時半である。診察を受けるのは眼科であるが整形と隣り合わせなので眼科の患者と整形の患者が相席で座っている。
 スケッチをはじめたら整形の受付に本当に小柄で銀髪の老女がなんと淡いピンクで薄く縦じまのはいったドレスにおしゃれなバックを小脇に抱えて目の前に現れた。待合室の空気がぱっと明るく感じた。
 右のイスにはこれまたオレンジをベースに朝顔をあしらった模様のハットを頭に帽子とそれと色併せしたスーツのご婦人が座っているのに気付いた。病院の待合室は正直絵にならないことが多いがこの日は違った。絵心を大いに刺激された。
 こういう日は待ち時間が短く感じるから不思議である。
 N病院とは 網膜はく離の手術を当時眼科部長のI先生に大変お世話になった。N先生が退官されたあと、A先生、T先生、N先生と担当医がつぎつぎ変わった。ここ5~6年は回転のピッチが早いような感じがする。
 診察室からK先生が マイクで名前を呼ばれたので入った。名刺代わりですがと前置きしてK先生の名前を入れて あらかじめサインして持参した拙著「ユニークに乾杯」をお渡しした。丁寧にきちっと礼を言われたことにまず感心した。
 網膜はく離はひとつ間違えば失明する。左から右と年数を置いて網膜が剥離した。原因はいまだ不明である。両目ともI先生のお世話になった。
 「ひどい状態の眼底でよく見えてますね。これは神様のご加護以外ありませんよと先代のN先生に言われておりました」と、こちらから口火をきった。
 K先生いわく「見事に中心部分が残っています。ぎりぎりです。よく治療されています。視力もよく出ています。心配ありません。」とにこにこしながら答えてくださった。
 K先生にあらかじめ断ったうえで、「先生はどうして医者になられたのか。なぜ眼科医を選ばれたのか」とあつかましくお尋ねした。
 「少女時代耳の病気をわずらった。その時医者になりたいと子供心に思った。眼科を選んだのは子供のときに目をぶつける事故に遭った。そのとき眼科になろうと決めました。」と話された。
 診察の結果、眼底の様子をコンピューターに手際よく描き込まれた。誠実にして聡明、若きチャーミングレディーに恵まれ、11月の次の診察が待ち遠しくなった次第である。(了)


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ミニヒマワリ〈スケッチ&コメント)

2008-07-13 09:19:29 | スケッチ


ミニヒマワリ

江嵜企画代表・Ken



 こちら神戸でもセミが鳴き一気に夏突入の雰囲気が出てきた。夏になると花はひまわりと例のフラワーショップ「潤」にでかけた。
 ミニヒマワリと名づけられて小鉢に収まっている背丈20センチもないヒマワリを買って帰ってスケッチした。
 ヤフーでミニヒマワリを検索した。
 学名がHelianthus annuus,科名キク科、名前ひまわり、原産地は北アメリカ(園芸交配種)と出ていた。
 いかにも園芸のために無理して小さくしたのであろう。スケッチの訓練の題材にはなろうがクローン動物を描いているような気がして正直、今ひとつ気が進まなかった。
 ヒマワリといえばゴッホのひまわりをどうしても思い出す。
 ミニひまわりもいいが、機会があれば、大地で群生している
 ヒマワリを是非描いてみたい。(了)

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「単純明快ダイエット」の体験談を聞かせて!

2008-07-12 12:50:23 | 情報や案内及び雑談
各位 

「単純明快ダイエット」の体験談をお喋りしていただける方を募集しています。
現在までに、5名の方が参加してくださることになっております。

来る8月5日(火)午後3時に、健康雑誌「はつらつ元気」の編集者が「単純明快ダイエットの実験結果」の取材に来られます。

皆様の体験談も掲載させて頂きたいので、取材にご参加いただける方は当院へお知らせ下さいませ。

雑誌社から謝礼は出ませんが、今回の取材原稿は「はつらつ元気」9月号に特集として5ページ程度で掲載される予定ですので、9月号を一冊プレゼントさせて頂きます。

当日は午後2時40分に当院へお集り下さいませ。

人数が多いと入れませんので、ご希望の方は下記へ連絡をお願いいたします。


ばーば佐智子拝

大阪市淀川区西中島4-8-5
℡ 06-6390-4722

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母校応援風景・高校野球兵庫予選(スケッチ&コメント)

2008-07-12 11:31:37 | スケッチ


母校応援風景・高校野球兵庫予選

江嵜企画代表・Ken



 母校甲陽学院が高校野球兵庫予選に出場するというので楽しみにして尼崎記念公園球場へ駆けつけた。
 この球場はJR神戸線尼崎駅からゆっくり歩いて徒歩約15分のところにある。相手は強豪尼崎産業高だったので3年生一人の母校は、はじめから苦戦が予想された。
 結果は0-9のコールドゲーム負けだった。一回表、相手チームの先頭打者にセンターオーバーのランニングホームランを打たれ出鼻をくじかれ、あっという間に初回3点とられたことが悔やまれる。
 こちら神戸阪神地区には、気象庁の梅雨明け宣言はいまだない。しかし、セミは先刻ご承知なのだろう、4~5日前から鳴きはじめている。この日も朝から蒸し暑かった。30度Cを軽く超えていたであろう。
 一塁側スタンドには200名近い応援団がつめかけた。野球部のご家族の方であろう冷たいものが一人ひとりに配られた。関係者の皆様のご苦労にあらためて感謝した次第である。
 スケッチに夢中になっていたところ筆者の名前を呼ぶ人がいる。なんと某合繊メーカーのI さんだった。奥様と例年母校の応援に駆けつけられるのだそうだ。聞くとはなしに理由をお尋ねしたら、ご子息が母校野球部におられた。現在はポートアイランドの神戸市民病院で心臓外科専門のドクターとして昼夜奮闘しておられると聞いた。 野球部で鍛えた頑健な体と野球で学んだチームワークがいま生かされているのだと思った。
 知るひとぞ知る世界であろうが、甲陽学院が大正12年(1923)第9回の夏の大会で全国制覇した名門校であると試合前のスタンドで盛んに昔話を披露しているさる老人の声が聞こえた。
 信じられない話であるが、聞くところによれば今年母校中学野球部になんと60名近い部員が入ったそうだ。母校は2年前から中高6年間一貫教育システムに変わった。勉強は当然ながら好きなスポーツにも余裕を持って精を出せるようになった影響かもしれない。
 日本は勉強だけ出来れば事足りるような甘い世の中は終わった。
 2~3年先には猛暑の中この日の相手チームのように、グランドを嬉々として走り
まわる強い母校の後輩の姿が見られるかもしれない。期待している。(了)


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イランミサイル発射訓練、NY原油再び141ドル台へ(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-11 09:30:58 | 経済学
 池の中で羽を休めていた水鳥がイランの連日のミサイル発射訓練で再び飛び立った。NY原油先物市場で、WTI相場が急反発、バレル5ドル以上上げて141ドル台で取引された。原油反発に促されるように金相場が値上がりしトロイオンス942ドルで取引された。
 NY株式市場では、米住宅ローン会社のファニーメイ、フレディマックは「事実上破産状態にある」との一部アナリストの情報で急落した。ただ、引けにかけて石油関連銘柄の買いから持ち直し前日比81ドル高,11229ドルで取引を終了した。
 NY外国為替市場では、バーナンキ米FRB議長が米国の金融不安を繰り返し指摘したことからはじめドルが売られたが、1ユーロ=1.5784ドル、1ドル=107.05円と小動きに終始した。債券相場は小幅値上がりし、10年物国債利回りは3.80台へ低下した。
 ECBは利上げ必至、米国の利上げは遅れる。英国中央銀行は、7月10日、年5.0%据え置きを決めたが相場利上げされると専門家は予測していると今朝のWSJ紙端的していた。米10年物利回りが一時の4,1%台から3.8% へ下がったことが利下げ期待を示唆している。
 米国の経済指標としては、6月の米小売店売り上げに今のところ低下は見られない。新規失業保険申請件数もわずかながら減少した。金融セクター、特に住宅ローン会社の破綻話が現実味を帯びてきたから米国は利下げが近いとシグナルしていると市場は判断した。
 原油相場の反発は、イスラエル・イランの休戦話を買いかぶったからだろう。ミサイル訓練再開とナイジエリアの武装勢力の攻撃で日量60万~100万バレル減る。さらに中長期的には原油の供給不安が付きまとっているから、中国、インド買いが相場を支えるだろう。
 IEA(国際エネルギー機関)が2008年の世界の原油需要は日量8,685バレル、細かい話ながら予測を0.1%上方修正し,年ベースでは前年比1.0%増と7月10日発表した。オリンピックを控えて中国が備蓄を増やしているとレポートしている。
 このところ、世界景気の後退から、世界の石油需要の減少を危惧する見方が増えてきている。その理由の一つに、開発途上国の政府の石油補助金を減らし、その結果、石油の小売価格が上がる。庶民レベルでの買い控えが起こる。需要減退で価格は崩落するとの指摘である。
ただ、インド政府は6月に政府補助を10%削減すると発表した。予想外に小幅である。中国も補助を減らしたと伝えられるが、IEAの先の発表によれば、2008年の中国の石油消費は前年比5.6%増加する。石油に対する根強い需要は続くと見ているのであろう。
洞爺湖サミットが閉幕し、北海道にもようやく静寂が戻ったことであろう。基本的な問題解決はできなかったが、問題点の指摘では十分な成果が上がったと思われる。原油も大事だが,食糧問題の深刻さは原油の比ではないことも共通の認識になったと伝えられる。
日本はどうか。のど元過ぎれば熱さ忘れる。日本人は宴が終われば全て忘却の彼方である。同じパターンを今回も、凝りもせず繰り返すだろう。日本人は過去に拘らず水に流すことをよしとするところがある。これは優れた資質である。しかし、物の値段、特に、食糧の値段が2倍、3倍と急激に居所を変えている中、飽食大国ニッポンとして留意が必要であろう。
不要なものは捨てる。今日できることは明日に延ばさない。健康管理にはコストをかける。赤信号の時は我慢してでも渡らない。自らに言い聞かせて今日も元気で一日送りたい。(了)

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関西中医学ネットワーク(合宿のお知らせ)

2008-07-11 07:24:03 | 情報や案内及び雑談
第三回 関西中医学ネットワーク の合宿が開催されます。

日程 2008年08月03日(日曜日)~08月05日(火曜日)
場所 滋賀県大津市北小松 20番地8号
   TEL: 077-596-1211  FAX: 077-596-0633
お問い合わせ&お申込みは kansai_tcmアットマークyahoo.co.jp

初日の晩に、中吉隆之先生(関西医療大学・関西TCMN顧問)が、
『みんなやってみよう「虹彩診断」』
と題してご講演をされるそうです。ヽ(^o^)丿

中吉先生は、人柄の良さで知られる先生で、誰にでも好かれ、虹彩分析の話をする時も、優しく、丁寧に、ニコニコしながら説明してくれますので、中吉先生に個人的に興味のある方や(笑)、虹彩分析に興味のある方は、ぜひ、ぜひ、ぜひ、お出かけください。

また、兵頭明先生(後藤学園 中医学研究部 研究部長)、奈良上眞先生(日本統合メディカル学院 学科長)、王財源先生(関西医療大学 関西TCMN顧問)は、中医学を深く研究されていますので、こちらの先生方の講演も見逃がせない。
(知り合いの先生方だけでゴメンナサイm(_ _)m)

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米景気先行き不安でNYだう236ドル安(学校で教えてくれない経済学)(最終版)

2008-07-10 16:18:28 | 経済学
 前日152ドル上げたNYダウは、翌日の7月9日、早くも236ドルの下げである。前日の上げは金融(Finantial)セクターが牽引した。この日は金融セクターの値下がりがリードしてNYダウを引き下げた。
 Finantial(金融)、Fuel(燃料)、Food(食糧)という3つのFが相場の世界の表舞台に登場しない日はない。洞爺湖サミットでも3つのFに振り回された。これといった成果も出ず閉幕した。これからの10年、20年、いやさらに先々まで、3つのFが、我々の身近な生活にも毎日のように付きまとってくるだろう。
 日常の生活に密接不可分な問題であるにもかかわらず、相場の話をすると、日本人は嫌がる人が多い。相場というとすぐに投機だと受け止める。怖いもの、敬して遠ざけるものとの認識が強い。相場とはものの値段のことである。ものの値段は需要と供給で決まる。
金融の世界とは、お金の世界と置き換えてもいい。お金の世界では、供給が需要を上回り、俗に言う金余りの状態にあるといわれている。日本で生活しているとドル札を受け取る店はまずない。香港へ行けば香港ドルは当然として、米ドルその他外国の通貨で物が買える。
現在の金余りはドルの金余りと置き換えれば分かり易い。なぜ石油を筆頭に燃料が上がるのか。ドルの価値が特に対ユーロで落ちたからである。この傾向はサブプライムローン問題解決にテコずり米国が短期の政策金利を5.25%から一気に2.0%まで引き下げる過程で頂点に達した。
原油相場は4~5年前はバレル20ドル前後だった。1年前の元旦、原油は50ドルだった。いま多少ぶれがあるが、バレル140ドルである。わずか1~2年の間に2倍、3倍になった。食糧相場急騰も原油急騰のグラフと重ねると同じ動きをしており、2倍3倍に値上がりした。
この日のNY株式市場では、ダウ採用30銘柄の企業も値下がりしたが、Intel(-5.3%),Oracle(-2.2%),Google(-2.3%)などナスダック採用銘柄の下げがきつく、ナスダック総合指数は2.6%値下がりした。金融株の値下がりにハイテク株の値下がりが加わった背景は米国景気の先行きが怪しくなってきた。その恐怖感が売りを呼んだと今朝のWSJ紙は解説している。
重篤の金融セクターの治療を任せられたドクター・バーナンキが、昨日、演説し、金融不安を鎮めるためあらゆる措置を講じると演説したあと、投資家に安心感が広がり金融セクターの株価が反発した。ところが、そこまで金融セクターは重篤なのかと怖れを増幅させた。その結果、一日後、売りを浴びた。医者の処方が信用出来なくなることほど怖いものはない。
今朝のWSJ紙は、米FRBのバーナンキ議長は、インフレ対策を懸念しての利上げではなく、景気浮揚のため追加利下げするとの一部の専門家の見方を紹介している。
NY外国為替市場で、ドルは、対ユーロ、円、英ポンドいずれも値下がりした。ECBのトリシエ総裁が7月9日、フランス、ストラスブルグで演説し追加利上げを示唆した。米国が追加利下げ、ECBは追加利上げする。ペナントレースでゲーム差がさらに拡大する。
原油、為替、金利の3点セットに加えて3つのF、すなわち金融、燃料、食糧の3点セットを学校でも家庭でも、日本の未来を託された子供達に是非、教えておいて欲しい。(了)

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バーナンキ発言、原油相場136ドルを好感、NYダウ152ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-09 09:38:42 | 経済学
 人間のからだと経済の動きには共通点が多い。特に相場の世界でそれが顕著に出る。からだの一ヶ所でも痛みがあるとからだ全体に力が出ない。名医かただの医者かは、目の前の医者が、痛みを取り除けるかどうか。しかも一刻も早く痛みを取り除けるかどうかで決まる。
病気になったのは自業自得であるが、好きで病気になったひとはひとりもいない。いったん病気になればその時から患者と呼び名が変わる。えらそうな口を利いていたひとも一端患者の立場になるととたんに弱気になる。特に相場の世界では不安心理がマイナスに働く。
不安が不安を呼び、治る病気も治らなくなることが多い。その意味から、痛みを取り除いてくれることに付け加えて、患者の不安心理を少しでも和らげてくれる医者は名医と呼ばれる資格があると思われる。
7月8日、米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がヴァージニア州アーリントンでの保険関係者の会合で演説し、「金融システムの将来のシヨックを取り除き、システム全体の安定には政府の介入も辞さない」と強いメッセージを送った。
ポールソン財務長官は、「株式市場をベアマーケットに追い込み、多くの金融機関の収益にダメージを与えた景気と金融両面の不安を取り除くために、議会が引き続き取り組んでいる」と演説した。
NY株式市場は、バーナンキ議長、ポールソン長官発言を素直に好感し、倒産がささやかれてこのところの株価が急落していたサブプライム関連銀行、FannieMae,FreddieMac株が反発した。関連のMBIA,Ambac株もつれ高した。それに刺激されたのか、NYダウは前日比152ドル、1.4%高、11,384ドルで取引された。
今朝のWSJ紙は、「少なくとも瞬間的に、痛みは和らいだ」と表現した。しかし、NY株のこの日の反発が持続的回復につながるかどうかについては疑問符をつけている。原油相場の2日続きの反落が投資家心理改善を助けた面が大きかったように思われる。
NY原油先物市場で、WTI相場が2日続きの大幅値下がりした。前日比バレル5ドル以上下げ、136ドルで取引された。イスラエルのイラン攻撃を材料に記録した145.29ドルの史上最高値を記録したが、イスラエル・イランが交渉入りで高値から6.4%値下がりした。
NY外国為替市場で、原油相場反落を好感、ドルが買い戻された、ただ、株価反発と比べれば戻りは鈍い。1ユーロ=1.5662ドル、1ドル=107.38円で取引された。為替市場は、直近の米住宅市場データを見極めたいとの空気が強いと今朝のWSJ紙は解説している。
日本はどうか。北海道洞爺湖サミットも本日閉会する。事務方は共同声明の作成に苦慮しているのであろう。気候変動(Climate Change)問題では、「2050年までに温室効果ガス排出量を半減する」と明記できないと福田首相としても政治的ポイントを稼げないだろう。
食糧価格が2倍3倍と高騰し飢えに苦しむ姿を指摘しながら、G8メンバーはイクラや高級料理でシャンパンを抜いていると英国の新聞が皮肉をこめて取り上げたという話がウエッブサイトに出ていた。サミットが所詮セレモニーであることを鋭く見抜いた記事である。
原油相場は一時的に調整を入れている。とたんにシートベルトを外したくなるのが患者の心理である。健康を失えば全てを失う。信頼出来る医者に恵まれぬ患者は不幸である。(了)

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140ドル原油定着で、米航空会社長距離路線削減(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-08 17:33:50 | 経済学
 140ドル原油の定着で様々な影響が出てきているが、米国の航空業界で米国と中国やロシアを飛ぶ長距離ルート削減の動きがでてきていると今朝のWSJ紙が紹介している。
 米国政府が今年5月に認めたフィラデルフイア北京ルートの就航権をUS Airwaysが一年先延ばしを政府に要請した。ランニングコストは数ヶ月前5000万ドルがその後の燃料代の急騰で9000万ドルに増加したためだと説明している。
米航空局がNorth WestやUALに許可した米国広東間のフライトやUALのモスコールートやロス広東便も就航延期を決めた。米国以外の航空会社では、Thai Airways InternationalバンコクNYルートを停止、バンコク・ロス間を減便すると発表した。
原油高騰は洞爺湖サミットでも重要議題の一つとして討議されているようであるが、いまのところ具体的な成果は期待できないようだ。140ドル原油は定着する可能性が強い。
今朝のWSJ紙によると、米下院農業委員会で、原油高騰に投機資金が関係しているかどうかについて公聴会が先週開かれ、商品先物取引委員会(CFTC)が非難の矢面に立たされていると報じている。
同紙によれば商品先物取引に公式データとして5兆ドルの資金が流れており、それ以外に9兆ドルの資金がスワップ取引の形で関与しているが実態は今尚不明であると指摘している。
CFTCによれば先物取引は、1976年には40億ドルだったが2007年には4兆8,700億ドルへ膨れ上がった。それ以外に規制外の資金が、05年6兆弱、年々増加して07年末時点で9兆ドルまで拡大した。
WSJ紙によれば、先物取引への資金流入は02年の2,600億ドルから急激に増加をはじめ、現在相場を動かしているインデックスファンドはその内85%を占めていると6月はじめ開かれた議会公聴会でCFTCが証言したとWSJ紙は指摘している。
先物取引に流れる資金のうち50%もしくはそれ以上が原油先物市場が占めている。それ
は店頭取引の18.5倍を占めているとの関係者の談話をWSJ紙は紹介している。
しかし、CFTC委員会のBart Chiton委員長は、「我々が必要としているデータは手元にない」と明快に答えている。さらに、同委員会のチィーフエコノミスト、Jeffrey Harris氏は5月20日の公聴会で、石油メーカー、電力企業、航空会社などの一般企業による取引の増加が全体の伸びの多くを占めていると証言している。
世の中、原油高騰が投機家の仕業だと悪者にしているが、先物取引でリスクを最小限に食い止めるべく必死に動いたのは、石油、電力、航空会社自身ではなかったのか。
航空会社は先で原油が下がると予測して現物で売って、先物を買った。予想に反して先物が値上がりした。出た損を埋め合わせるためにいま躍起になっている。その証が長距離航路延期や停止になって現れているのではなかろうか。プロでも間違う相場の怖さを見る思いだ。
日本はほぼ100%を輸入原油に依存している。備蓄100数十日というが一端手をつければ瞬時になくなる。米国は備蓄原油に一切手をつけない。米国から学ぶべき点は多い。(了)

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