ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

OPEC議長、原油200ドル予測(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-07 17:26:32 | 経済学
 原油相場が1年前、2007年の7月はじめバレル70ドル前後だった。現在はバレル145ドルである。当時からバレル100ドルまで値上がりするという声もあったが現実は予想をはるかに超えて150ドル目前まで来た。OPEC議長までが200ドル原油を昨日、口にした。
 ここで提案であるが、原油はさらに値上がりしてバレル200ドルになると予測するグループをネコさんチームと呼び、原油は値下がりして100ドル割れから80ドル台まで値下がりすると予測するグループのイヌさんチームと一度ディベートをやらせてみたらどうか。
 まずネコさんチームから喋ってもらおう。物の値段は基本的には需要と供給のバランスで決まる。世界の原油生産量は日量8,600万バレルである。このうちOPEC(石油輸出機構)が約40%を占めている。OPECの動きは最大生産国のサウジアラビアが何処まで供給を増やせるかがカギを握っている。
 6月10日、産油国消費国会議がアフリカのジッダで開かれた。サウジは現在の生産量を7月から日量30万バレル上乗せして970万バレルで実施すると発表した。NY原油先物市場は即反応、瞬間的に日量130ドル前後まで急落した。しかし、現在、145ドルである。
 イスラエルがイランの核施設攻撃のリハーサルを地中海上で実施した。その後イスラエルのイラン攻撃の話しは日々蒸し返されているようだ。世界の油田の宝庫が戦場になればどうなるか。少々のサウジ増産の話は吹き飛んでしまっている。
 一方需要はどうか。中国の08年4~6月期の輸入貿易統計発表が待たれるが、中国に加えてインドが競って石油を輸入しているという声が絶えない。8月の北京オリンピックでまさかの停電は避けたい。石炭なま焚きを一時的に止めて北京の空をクリーンにするため発電所の多くが石炭を減らし原油に切り替えた。そのため中国の石油の備蓄量はハイピッチで増えているとまるで見てきたような話まで出てきた。
 さて、原油は90ドルラインを超えて値下がりすると主張するイヌさんチームはどうか。
まず米国の景気後退が長引く。米国経済の低迷が続けば、世界の原油需要も自然の成り行きから減らざるを得ない。米国の原油在庫は米EIA統計でも増加している。
 米国では日量2000万バレルの原油を消費している。その内大部分がガソリン用だ。バレル140ドル原油でガロン4ドルのガソリンである。今後原油が値上がりを続ければガソリンが5ドル、6ドルと値上がりする。米国人であっても、必ずガソリン消費を減らす。
 開発途上国政府は、原油急騰に耐えかねて、中国でさえ、国際相場と国内相場を調整してきた補助金カットを一斉に始めた。世界的な買い控えが当然起こる。相場は急落する。わずか1年での70ドルから140ドルへの値上がりは余りにも急激かつ幅が大きい。当然反動が起きる。原油相場は早晩、調整が入る。一端相場が下がり始めると相場の性で急落する。
 ただ、イヌさんチームに今ひとつ迫力がない。ネコさんチームには、材料が豊富な気がしてならない。もし北京オリンピックが終わったあともなお中国が原油を買い続ける可能性はないか。ハリケーンが米国を襲わないか。原油の半面教師ドル安は進まぬか。米国のガソリン精製能力は増えるか。さらに非OPEC産油国の原油生産はここ10年全く増えていない。
 学校でも家庭でも、ゲーム感覚でいいから、ディベートを是非ともお勧めしたい。(了)

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G8洞爺湖サミット明日開催、成果期待薄か(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-06 23:21:58 | 経済学
 今朝のWSJ紙は、北海道ルスツ発で、「G8首脳日本に到着」と第一報を載せている。ただ、WSJ紙は、冒頭、地球温暖化、原油高騰、ジンバブエ問題が討議されようと書いていた。ジンバブエの名前は日本の新聞には出ていない。ジンバブエは南アフリカ共和国の北に位置し、人権無視国家だとドイツメルケル首相が槍玉に挙げたとWSJ紙は紹介している。
地球温暖化問題については、米ブッシュ大統領は、「中国、インドが賛同しない取り決めは意味がない」と語っているから、今回のG8での成果は期待できないと切り捨てた。アメリカは中国とインドをダシに使い逃げた。アメリカがやる気がないのが丸見えだ。
地球温暖化問題では日本は「2050年までに温室効果ガスを半減する」で共同声明をまとめたいようだ。EUは、2020年までに目標を設定するよう日本よりはるかに積極的だ。米国はやる気がないから、結論は出ないだろうとWSJ紙は紹介している。
温室効果ガス削減問題は、「京都議定書」に始まったが、「京都」という冠を戴いた肝心の日本の態度が、煮え切らないから全く話しにならない。日本の電力会社が今から見えれば格安の石炭にウエートを移したことがCO2排出量を増やした結果、裏目に出た。
原油高騰については、WSJ紙は、世界最大の産油国、サウジアラビアが参加していない会議で、産油国に増産をG8が呼びかけても効果はないと突き放した。原油高騰は、投機資金を槍玉に挙げている。
しかし、運用資金の50%は欧米のインデックスファンドである。サブプライム問題救済のための急激な利下げで、ドルからユーロへ、株から商品市場へ運用資金の流れが変わった。自業自得である。
自業自得ということでは、米国が農民票を獲得するために、食料のトウモロコシからエタノールへの転換を農業法修正で国ぐるみで応援した。農家や農産物関連企業は大儲けしているが、食糧の国際相場は2倍3倍と急騰した。エンゲル係数の高い国は生きられない。
開発途上国の中には、エンゲル係数が7割とか8割と高い国が多い。飽食大国でありながら、日本のエンゲル係数は22%と低い。ピンと来ない。しかし、米以外の食糧のほぼ100% 輸入している。卑近な話、日本が中国に食糧を止められたらどうなるか。生存出来ない。
原油や食糧高騰を議論するG8サミットに中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカが参加していないことに対して非難の声が高まっているとWSJ紙は紹介している。
WSJ紙は、日本は2万人の警官を動員した。サミット開催中、会場上空にF15戦闘機を飛ばしてパトロールすると皮肉たっぷりに報道している。
日曜日夕刻、福田総理とブッシュ米大統領の共同記者会見の様子がテレビで生中継された。日本人の記者は拉致問題について質問した。ブッシュ大統領は、自分の娘をさらわれた母親の気持ちは十分わかっていると拉致問題を無視していないと強調した。福田首相は気候変動(Climate Change)に対する日米の方向は合って来ている。さらに、「拉致問題と北朝鮮の核問題は共に重要で切り離せない。米大統領も理解を示している」と答えていた。
WSJ(ウオールストリートジャーナル)紙はアメリカの新聞である。鵜呑みに出来ない。しかし、日本のメディアと読み比べするのも一興と凝りもせずWSJ紙を愛読している、(了)

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道頓堀・大阪名物くいだおれ風景(スケッチ&コメント)

2008-07-05 08:52:51 | スケッチ


道頓堀・大阪名物くいだおれ風景

江嵜企画代表・Ken



道頓堀・大阪名物くいだおれ風景をスケッチしておいてくれないかと知人のKさんから突然電話がかかってきた。Kさんは灘波高島屋日本画教室の仲間で、道具屋筋の老舗の女将さんでもある。
 聞けば、突然で悪いが、どうしても7月7日の大切な会合に間に合わせたいというのである。もし雨でも降れば描けなくなる。時間がない。とるものとりあえず、現場にかけつけてスケッチした。
 「くいだおれ」をフリー百科事典『ウィキぺディア」で調べた。株式会社くいだおれが経営する食堂の名前で、1949年6月、故山田太郎さんが創業・開店とあった。
 その「大阪名物くいだおれ」が、建物の老朽化などで7月8日をもって閉店すると4月のはじめに記者会見で発表してからの3ケ月、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
 特にチンドン屋の格好をした店1階正面にある人形「くいだおれ太郎」はいまでは全国的に有名で、閉店になれば是非引き取りたいと各方面から声が出ていた。
 「現場」を訪れてみて改めて人気のすごさを体感した。黒山の人だかりという言葉があるが、文字通りそれである。入れ替わり立ち代り、「くいだおれ太郎」の前を数人で占拠しては「はい、ポーズ」とやっていた。
 先の百科事典『ウィキぺディア』によると、くいだおれ人形は、淡路人形浄瑠璃の頭をつくっていた文楽人形作家、二代目由良亀(藤代亀太郎)の作だそうだ。作家谷崎潤一郎の『蓼喰う虫』の中にも「由良亀」として登場していることを始めて知った。
 ところで、閉店と聞いて「くいだおれ太郎」は引っ張りだこになっているようだ。7月3日、阪神甲子園球場にもかけつけ、プロ野球ナイター、阪神・中日戦を「観戦」していた。
 創業60年、老舗のお店、「大阪名物くいだおれ」が大阪の街から姿を消すのは淋しい。しかし、聞くところによると、新たな経営者のもと、人形「くいだおれ太郎」は、現在の場所に留まるとの話も出ているそうだからほっと胸をなでおろしたファンも多いのではなかろうか。
 「船場吉兆」が大阪の悪名をとどろかせたが、「大阪名物くいだおれ」が大阪の汚名を少なからず償ってくれているような気がしてならない。
 はからずもスケッチの機会を作ってくれた知人のKさんに感謝する次第である。
(了)


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ECB年4.25%へ 利上げ、追加利上げ言及せず、ドル106円(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-04 08:52:30 | 経済学
 ECB(欧州中央銀行)は、7月3日、政策金利を0.25% 上げ年4.25%とすることを決めた。WSJ(ウオールストリートジャーナル)紙は、記者会見の模様をビデオ画面でも流していた。WSJ紙記者が追加利上げに関して、執拗に問い質したが、トリシエ総裁は、インフレ懸念を繰りかえすのみで、追加利上げには全く言及しなかった。
トリシエ発言を受けて、NY外国為替市場では、1ユーロ=1.5697ドル、1ドル=106.71円で取引された。ECBによる0.25%の利上げは相場に織り込み済みだが、追加利上げが不透明となれば、当面、ユーロを買う動機はない。それがこの日の相場に素直に現れた。  
NY原油先物相場は、ドル先安を材料に史上最高値を更新していた。ドル相場が落ち着けば買い難い。ところが、供給不安を材料に利用して、WTI(軽質油)は、145.27ドル、北海ブレンド(重質油)は146.62ドルでそれぞれバレル2ドル近く値上がりした。
NY株式市場は、7月4日の米独立記念の休日を控えて商い閑散の中、前日比73ドル高11,288ドルで取引された。GM株が下げ過ぎの反動で反発したこともプラスに働いたとWSJ紙は解説している。しかし、株から原油など商品市場へお金が流れる構図は基本的に変わっていないようだ。
株を買えない材料が発表された。米労働省は、7月3日、6月の米雇用数(非農業部門)が、62,000人減少、5月データを13,000人下方修正した。景況感を表す6月の個人信頼感指数のISMデータが、予測の51.0から48.2へ低下した。
一方、日経平均株価は、前日比20円安、13,265円で取引された。11営業日連続下げで、これは54年ぶりだと悲観論が横溢している。中国株は高値の半値まで急落し、回復のメドも立っていない。
ところで、今朝の読売新聞一面トップは、「年金積立金5兆円赤字」。記事を読むと、例のサブプライムローン問題による株価下落と円高の進行で、公的年金の運用利回りがマイナス6%になったからだと出ていた。
誰が運用しているのか。厚生労働省から委託を受けた、「年金積立金管理運用独立行政法人」が、厚生年金と国民年金併せた積立金約150兆円のうち、約90兆円を運用している。
興味半分で、インターネットで「年金積立金管理運用独立行政法人」をクリックした。運用明細が3ヶ月おきに、時系列で、詳しく出ている。理事長の給料やボーナスの額も載っている。「今年度は給与を3%減額した。」と一覧表で紹介していた。
「分散投資」の重要性をネットの冒頭に書いている。面白いことに債券投資は利回りが低いが安定していると書いている。ところが平成16年度、国内債券投資の比率が79%だったが、平成19年に67%へ低下、国内株式が8%から11%へ、外国債券が4%から8%、外国株式が5%から9%へ増加している。気を効かせて動いて、結果は裏目に出た。
自宅近くに社会保険庁の出店がある。連日数時間待ちだそうだ。個人の明細調べも大事である。ところが、本家本元で大モレしているのではどうにもならない。
日本人の株嫌いは結構だ。しかし国に任せておけば大丈夫だというのは大間違いであることを分かり易く教える好例だ。ECBの0.25%利上げの意味も他人事では済まされまい。(了)

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清水寺「音羽の滝」風景(スケッチ&コメント)

2008-07-03 08:32:24 | スケッチ


清水寺「音羽の滝」風景

江嵜企画代表・Ken



 日本画家の森田りえ子さんが「週刊ポスト」最新号(7月11日付け)に出ているよと友人のKさんが朝一番で電話で知らせてくれたので早速近くの駅売店で買った。
 「古都逍遥」庭園に遊ぶ〈第47回〉対談、招客・森田りえ子、案内人・白州信哉、写真・稲越功一、「金剛輪寺 東庭」〈滋賀)という見開き2ページに出ている。
 正直、森田りえ子さんと「週刊ポスト」と、はじめイメージが合致しなかった。読んでみて、なかなか硬派の記事だった。「おかしな取材なんかに出るものですか」と彼女の声が聞こえてきそうで大いに反省した。
 巻末に森田りえ子紹介欄があり、「7月4日まで画廊「きよみず」で第8回清雅展に出展」と付記されていたのでインターネットで検索、善は急げと京都へ出かけた。
 「朧月」というタイトルの8号の桜の絵を画廊入り口そばで堪能した。同画廊(075/525/2062)の主の田中陽子さんとしばし森田りえ子談義を楽しむことが出来大収穫だった。
 ここの画廊は五条橋から徒歩10分、茶わん坂に面している。店の前から清水寺の塔がみえた。せっかくの機会だということでゆっくり坂を上って清水寺を参拝した。
 さすが清水寺である。修学旅行の学生だけではない。外国人もふくめて大勢の観光客が訪れていた。例の「舞台」から下界を眺めるのは何年ぶりだろうか。京都には最近月1回は来るが清水寺は、とんとご無沙汰していた。来てよかった。
 13年以上前の震災でなくし、いまは手元にないが、亡父は「音羽の滝」の絵を描いていた。しばし亡父を偲びながら「音羽の滝」風景をスケッチした。
 「音羽の滝」は清水寺の名前の由来の場所でもある。画面右のテント横に階段があり三筋に落ちる清水を手にしょうと行儀よく観光客がならんで待っていた。平日で時間帯にもよろうがここでも圧倒的にご婦人が多かった。
 往きはJR京都駅からタクシーを奮発して画廊まで来た。帰りは「茶わん坂」を逆順で下り、先の画廊「きよみず」の前を通過して、道なりに京阪五条駅まで出た。
 すばらしい機会を図らずも頂戴出来、友人のKさんに感謝する次第である。(了)


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クロサンドラ(スケッチ&コメント)

2008-07-02 11:48:18 | スケッチ


クロサンドラ

江嵜企画代表・Ken



 神戸三宮へ出るとフラワーショップ「潤」を覗くのが日課になった。この日も大勢のご婦人がお目当ての花を探しに集まっていた。
 いつものように店内の棚を物色していたが今までみたこともない花を見つけた。橙色の花が大麦の穂のようなところから飛び出して咲いていた。
 店員に名前を聞いたらクロサンドラだという。名前をすぐに忘れるから伝票の裏に書いてもらって持ち帰った。
 この頃は買ってすぐに描かない。二日間暖めていた。花のほうも心得たもので、頃はよしと身づくろいをしてくれたような気がして、急に描きたくなり、今朝スケッチした。
 ヤフーのブログでクロサンドラを検索した。
 科名はキツネノマゴ科、学名はCrossandra salisb,原産地はアフリカ、インド、マダガスカル、別名ジョウゴバナと書いてあった。夏から秋にかけてオレンジ、白の花を花茎に穂状に咲かせる。葉は光沢がある。冬は最低10℃以上の気温が必要なので室内で管理するとあった。
 開花時期が6月から10月とあるからいまが見頃なのだろう。
 花の絵をスケッチしていると不思議と気持ちが落ち着く。花も生き物だ。描きながらも花がどんどん成長していくことがよくわかる。切花と鉢植えとの違いも歴然としている。鉢から出して地植えにしてやるとさらに元気になるかもしれない。
 街なかを歩いているとご近所の庭先に咲いている花をしばしば見る。悲しいかな花の名前がほとんどわからない。今日からは、クロサンドラの花を見つけるのがまた新しい楽しみになってきた。(了) 


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原油一時143ドル、円相場ドル106円で様子見(学校で教えてくれない経済学)

2008-07-01 09:40:12 | 経済学
 なぜ原油相場を追いかけるのか?日本はほぼ100%外国から原油を輸入しており原油が買えなくなればひとりひとりの暮らし向きに直接間接影響が出てくるからである。
 なぜ為替を追いかけるのか?日本は外国から資源を輸入しそれを加工して海外に売って生活している。日本円で全て売り買い出来ないため外国の通貨を介して貿易が行われているからである。ドル建てやユーロ建ての値段が為替レート次第で高くも安くもなる。
 なぜ金利を追いかけるのか?世界の経済にとってお金は人間のからだで言えば血液のようなものである。水は高きから低きへ流れるがお金は低きから高きへ流れる。金利はお金の物差しとして体温のようなもので金利動向を見ていると体調の変化を教えてくれる。
 週明けのロンドン原油先物(8月限)市場で、WTI相場はバレル143ドルを突破した。物の値段は基本的には需給で決まる。ナイジエリアとイランがブル(強気)を先導している。ただ、米EIAの需要減データが相場を冷やし、NY原油はバレル140.43ドルまで下げた。
 米国で金融不安が再燃し、米FRBが利上げに踏み切れない。最悪、年末まで利上げがずれ込む。一方、ユーロは、EUのインフレ率が5月の3.7%から6月4.0%へ上昇した。インフレに敏感なECB(欧州中央銀行)が利上げに踏み切ると欧米間の金利差が拡大する。
お金は利回りのいい(金利の高い)欧州へ流れる。強い通貨ユーロは益々強くなる。弱い通貨(米ドル)は益々弱くなる。ただ、6月30日のNY外国為替市場で、1ユーロ=1.5742ドル、1ドル=106.16円で、水鳥は止まり木に止まって様子見している。
お金は水鳥と同じで本来臆病だ。徹底した安全指向である。日本では相場という言葉を聞いただけで山師と呼んで毛嫌いする。ところが、水鳥はむしろ素直である。エサ(利回り)がもらえると分かれば飛んで来る。エサがなくなれば断りなく飛び去る。実に分かり易い。
為替市場で日本が珍しく話題になった。米格付け会社のムーディーズ・インベスダーズ・サービスが6月30日、日本の国債の格付けを上から数えて5番目のA1から4番目のAa3へ引き上げた。一時1ドル=104.99円まで値上がりした。ムーディーズは、「日本は巨額の借金を抱えているが、原油急騰にもかかわらず物価が安定している」という評価をした。
しかし、上から5番目が4番目への移動に過ぎない。先進国では最低ランクだ。日銀短観を控えて、円を買う地合いではない。地金がはげて、1ドル=106円台で取引された。
日本円は、ドルと比べると強そうに見える。弱い者同士のけんかに過ぎない。ユーロと比べれば1ユーロ=166円台だ。年初にベルギーで買い物をしたが、いかに日本円の値打ちがないかを痛感した。原油がなぜ上がるのか。値打ちのない通貨で売り買いされるからである。
日本でもガソリンの値段がリッター180円を越えてきた。為替レートが1ドル=106円台で止まっているからいい。原油150ドル、円相場1ドル=120円になるとリッター200円のガソリンになるだろう。自国通貨の値下がり(円安)を喜んでいる国は日本だけだ。
日本ではコメ以外はほとんど輸入だ。国際相場は、石油に限らず中国が大量買いを始めると値上りした。中国は昨年暮れから大豆、トウモロコシ,ソバの輸出を規制した。いずれ中国品が100円ショップから姿を消すだろう。いつでも中国から買えると思うのは傲慢だ。
健康が一番。健康チエックに原油、為替、金利の三面鏡に写して見ることが大切だ。(了)

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