ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

投資家の恐怖感高まりNYダウ514ドル安、原油66ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-23 08:48:53 | 経済学
昨年12月末から今年1月はじめにかけてベルギーを訪問する機会があった。その時1ユーロ=170円だった。10月22日のNY外国為替市場でユーロ、英ポンドが売られた。1ユーロ=125円、英ポンド=158円、米ドル=98円でそれぞれ取引された。自国通貨の日本円が高く評価されている結果である。にもかかわらずテレビでも新聞でも悪いニュースとして紹介している。資源の100%近くを海外に依存している日本の通貨高はプラスである。
NY原油〈WTI〉先物相場は同じく10月22日、バレル5ドル以上値下がりしてバレル66.20ドルで取引された。3ヶ月前バレル147ドルの高値をつけ原油は早晩200ドルを突破するとマスコミはじめ大騒ぎしていた。原油なしには日本は生きられない。原油安につれて大豆、トウモロコシ、小麦も値下がりしている。様変わりとはこういう時に使う言葉だ。
銀行間の貸し借りの金利にLOBOR(ライボー)金利がある。翌日物のライボー金利が1.12%、3ヶ月物のライボー金利が3.54%まで急低下してきたと今朝のブルームバーグニュースが報じていた。3ヶ月物のライボー金利は10月10には4.82%まで上げていた。正に様変わりである。ライボー金利急低下は銀行間で安心感が生まれつつある証拠である。
金利はからだでいえば体温のようなものである。人間という動物ははかない生き物で通常36度台のひとが37度で微熱、1度上がり38度になると立派な病気である。ライボー金利は9月のはじめ頃までは翌日物でも2.80%前後の平熱だった。体温は血圧同様に人間の健康状態を見る大切な指標である。金融不安で患者も家族も大騒ぎしている。手放しの楽観は当然出来ない。しかし、ライボー金利〈体温〉を見る限り、病状は明らかに改善している。
最近二ユーズウイーク日本版を読むようになった。最新号〈10月29日号〉にローレンス・レッシング・スタンフォード大法科大学院教授が「現在起こっている金融危機の原因は、金融工学に『群れの行動=群集心理』という視点が欠落していたからだ」と書いている。
相場の世界にはスタンピード(stampede)いう動物の典型的な行動パターンを説明することばが昔からある。家畜などが群れをなして川を渡るときによく見られる現象を指していう。人間も所詮は動物であるから「群れの行動=群集心理」は今更指摘されるまでもない話である。特に相場の世界では水鳥の行動を観察しているといろいろ教えられることが多い。
NY株式市場で、10月22日、原油相場急落からエクソンなど資源株の大幅安が引き金で全面安の展開となった。NYダウは採用の30銘柄全てが値を下げ、前日比514ドル、5.7%安の8,519ドルで取引を終了した。投資家の恐怖感が下げを加速した結果である。
動物が一端恐怖の坩堝(るつぼ)にはまると止まるところを知らない。病気でも同じで恐怖心にとらわれると治る病気も治らなくなる。相場も同じである。病気の中でも特に精神科の病気は治り難いといわれる。現在の金融不安は正に心の病気であるから治りが遅く厄介だ。
先日あるところに小文を書いた。来年のことを言えば鬼が笑うというが、「2009年を、みなさん、どんな年にされますか」というタイトルで、終わりの3行に「2009年はどうなるかでない。政治も経済も誰も自分をかまってくれない。2009年は人任せにできない。自分の問題としてどう取り組むかで決まりである」と書いた。
自国通貨日本円が買われている。原油相場が値下がりした。元気を出して頑張りたい。(了)

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景況感悪化懸念でNYダウ231ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-22 21:43:02 | 経済学
 NY原油(WTI)11月物相場は、10月21日、先行き景気悪化懸念からバレル3.36ドル、4.5%値下がり70.89ドルで取引された。銅先物相場も世界景気悪化、需要減を嫌気して値下がりし2年来の安値のポンド当たり2ドル割れ、今年に入り34%値下がりした。
 NY金先物相場もトロイオンス22ドル、2.8%値下がり768ドルで取引された。プラチナも値下がり、原油にはじまり非鉄、貴金属枕を並べて値下がりした。
 原油に限らず商品相場はいずれもドル建て価格で取引される。商品相場は7月までドル安ユーロ高につれて値上がりした。7月以降ユーロ安ドル高につれて値下がりしている。
 NY外国為替市場で、欧州通貨が軒並み売られた。英国中央銀行Mervyn King総裁が「英国経済はリセッション入りした。ノーマルな状態に戻るには長時間を要する」と語ったあと急落前日のポンド=1.7141ドルから1.6706ドルへ5年前の水準まで値下がりした。
 ユーロも英ポンドにつれて値下がりした。1ユーロ=1.3063ドルまで売られた。ユーロは対円でも値下がり、1ユーロ=130.94円で取引された。カナダドルも3年前の水準の1ドル=1.2160カナダドルまで値下がりした。カナダが政策金利の0.5%も響いた。
 原油相場の反落は欧州通貨安もあるがOPEC内部で減産のコンセンサスが得られていないことも影響している。OPEC議長のAbdullah al-Badri氏は「減産するかどうかまだ決まっていない」と訪問先のモスクワで語った。
 WSJ紙によればサウジアラビアは減産に同意していない。OPEC議長がOPEC総会直前にモスクワを訪問していた。ロシアに協調減産を呼びかけたに違いない。色よい返事が得られなかったのではないか。ロシアはサウジ1050万バレルついで980万バレルの産油国だ。
 10月21日付けのWSJ紙に、イラク政府が原油相場半減で2009年予算見直しを迫られていると出ていた。同紙によれば、イラクは2009年予算をバレル100ドルを超えていたときバレル原油先高を見越して80ドル原油を前提に2009年予算を前年比13%増で設定した。
イラクは予算の90%以上を原油収入に依存している。目論見がはずれたイラク政府はアメリカに援助を要請した。米国は金融危機で火の車である。応じられるはずがない。アメリカは一日も早くイラクから米軍を引き揚げたい。新大統領の初仕事はイラクからの米軍の全面撤退演説も十分予測できる。いまアメリカはテロの元凶と非難していたタリバンとカルザイ政権後について密かに交渉を進めているとの情報もあるようだ。
アメリカは突如、北朝鮮に対してテロ指定国家解除を決めた。日本には寝耳に水だったようだ。かってニクソン大統領は日米繊維交渉の解決に手間取ったことで、頭越しに中国訪問を決めた。あと金ドル交換制廃止、円ドルレートも1ドル=360円から308円に変更した。
アメリカという国は足元を蚊が刺している程度では問題にしない。ところが自らののど元を食いちぎられると判断すればなんでもありに豹変する。何処の国でもそうだがアメリカは特にその傾向が強いことを過去の歴史が証明している。
日本という国はなんとのどかな国であろうか。国会では駆け引きのためだけで新テロ法案を衆議院可決した。ポールソン米財務長官はNY証券取引所を陣中見舞いした。その中でNYダウは前日比231ドル下げ9,033ドルで取引を終了した。暢気なのにも限度がある。(了)

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バーナンキ議長下院証言受けてNYダウ413ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-21 09:59:34 | 経済学
 米FRBバーナンキ議長が米下院で証言し、米景気はこの先数四半期悪い状態が続くと指摘、追加的財政措置を支持したことを受けて、ドル相場は対ユーロ、対英ポンドで値上り、債券は上昇(利回りは低下)、NYダウは前週末比413ドル4.7%上昇9,265ドルで取引を終了した。
NY原油(WTI)先物相場はOPEC臨時総会での減産決定を見越して2.40ドル3.3%上昇バレル74.25ドルで取引を終了した。NY金先物市場は、トロイオンス小幅上昇811ドルで取引された。大豆、ともろこし相場もつれて上昇した。
今朝のCNNテレビを見ているとNYダウが9,200ドル台と高値引けしたものの2007年につけた14,000ドルからみれば5,000ドル以上下値にあり下げ過ぎの反動であると再々指摘していた。原油相場も高値147ドルから50%下げたあとでの3.3%の反発に過ぎない。
バーナンキ議長は米住宅市場の不振が依然として続いている。自動車市場の販売不振は深刻であると指摘した。次回FOMC(公開市場委員会)での金融政策には直接言及しなかったが、マーケットは政策金利を現行の1.5%からさらに0.25%下げは確実と見ているようだ。
一部には0.5%下げて一気に1.0%まで引き下げるかもしれないとの見方も出てきている。原油相場の急落と商品相場の値下がりでインフレ懸念が大きく後退したことから思い切った利下げが可能になると指摘している。
NY外国為替市場では、1ユーロ=1.3329ドル、1ポンド=1.7141ドル、1ドル=1.1512スイスフランと対欧州通貨でのドル上昇が目立った。円相場は1ドル=102円台へ対ドルで売られた。円はこのところ対ドルで買われていたが、NY株価急反発でドル買戻しが進んだ。
欧州通貨売りの背景には欧州金融不安がある。オランダ金融最大手INGグループにオランダ政府が100億ユーロ(1兆3,700億円)の公的資金注入した。スエーデン政府が金融機関の新規債務を最大1.5兆スエーデン・クローチ(21兆円)保証すると発表した。欧州の金融不安がここへ来て大きくクローズアップされてきた。
ドルは豪州ドル、ニュージーランドドルに対しては値上がりした。俗に資源通貨と呼ばれる通貨は、原油暴落それに続く一次産品の急落を嫌気して大幅値下がしていた。今朝のNY株式市場急騰と原油相場反発を受けて買戻しが入ったと今朝のWSJ紙は解説している。
NY原油の小幅反発は、10月24日ウイーンで開かれるOPEC臨時総会で減産が決定されるとの思惑が背景にある。OPECは現在、日量3,200万バレル生産しているが日量100~200万バレル減産で調整で協議が進むと見られると今朝のWSJ紙は紹介していた。
今朝のブルームバーグニュースによるとアメリカ人が貯蓄を見直すと個人消費が一段と冷え込むだろうと解説していた。クリスマス商戦が不振に終る懸念があるとの指摘もある。お金を借りるだけ借りて即消費に回す米国人の生活パターンが一朝一夕に変わるととても思えないが個人消費が米GDPの70%近くを占めているから一連の懸念に現実味がある。
日本はどうか。世界的な金融不安も馬耳東風か、国会では与野党の駆け引きに終始している。日本をどうするという国民へのメッセージが届いて来ない。政治家はじめ人任せの風潮が日本全体に蔓延している。一人ひとりが健康に留意して乗り切る以外なさそうだ。(了)

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相楽園・神戸市老人美術作品展会場(スケッチ&コメント)

2008-10-20 23:11:23 | スケッチ


相楽園・神戸市老人美術作品展会場

江嵜企画代表・Ken



 第43回神戸市老人美術作品展が神戸市内にある「相楽園」(078-351-5155)で10月24日(金)~28日(火)の5日間開かれる。10月20日は応募作品搬入日ということで会場となる相楽園を一年振りで訪れた。
 何時来ても「相楽園」の庭園は見事である。展示会場となる会館、明治35年建設のハッサム邸、川御座船、小寺邸の「厩舎」などあり,都会の喧騒をしばし忘れさせてくれる文字通り都会のオアシスである。
 この日はたまたま秋の菊花展初日で作品を搬入する人だけでなく大勢の人が訪れていた。
 今回は4回目の応募となる。10号の日本画「シンビジウム」を持参した。初応募では努力賞をいただいた。しかしあと二年連続で入賞を逃がしている。まだまだ精進が足らないと自ら言い聞かせている。
 出展作品を事務局に届けた後、庭を散策、わずかに色づき始めた紅葉を楽しみながら、庭園の様子をスケッチした。(了)

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原油相場半値で2009年ロシア経済ゼロ成長か(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-20 09:50:02 | 経済学
 原油先物相場がわずか3ヶ月で半額になった。一方、為替相場は3ケ月前、1ドル=110円だった。現在、1ドル=100円である。日本は資源のほぼ100%海外からの輸入に頼っている。原油ドル建価格が半額で、1ドル=100円へ日本円の値打ちが上がった。国民にとって朗報である。逆に原油高騰、円安だったらどうなっていただろうか。
ところが、原油暴落で頭を抱えている国がある。そのひとつにロシアがある。10月18日のWSJ紙がモスクワ発でGregory L.White記者がレポートしている。
ロシアは原油を日量980万バレル生産している。サウジアラビアの日量1050万バレルについで世界第二の産油国である。プーチンさんが大きな顔が出来るのは原油のお陰であると以前にも書いた。LTCM破綻でロシアは金融危機に巻き込まれたが原油高騰で蘇生した。
ロシア株は先週一週間で20%値下がりした。2005年6月以来の安値である。ロシア政府は緊急対策として1600億ドル(16兆円)投入したが、株価は今年5月高値から73%暴落となった。巨額の借入金で株を運用していた資産家は株式投資からの撤退を余儀なくされた。
あるエコノミストはロシアのGDP(国内総生産)成長率を2008年1~9月期の年7.7%から2009年のそれを3~4%へ下方修正した。ロシア中央銀行の外貨保有高はルーブル暴落で8月初めからだけで669億ドル(6兆6,900億円)減少した。
民間調査機関LevadaCenterの直近の世論調査では、「金融危機は一時的である」42%、「深刻な金融危機にロシアは直面している」31%と発表した。この調査は1600人を対象に実施され、誤差率3%である。
9月までは、ロシアの金融危機は限定的だと一般に受け取られていた。一部中小の金融機関もロシア政府の緊急融資を受けて倒産を免かれている。失業率も増加していなかった。しかし、10月に入り銀行が貸し出し規制を始めた結果、金属・自動車メーカーは減産を発表、ロシアの景気は急速に悪化してきている。
今回の金融危機発生後初めてのロシア政府高官によるブリーフィングが行われた。「原油相場上昇によりロシアの保有外貨は5,310億ドル(53兆1,000億円)に増加した。ロシア経済と金融危機を乗り切る十分な資金である。しかし今後、莫大な出費を伴う。」と話した。
「73%の急落で株価への影響は既に十分現れている。」と高官は話した。ただ、グルジアでの8月の戦争以降300億ドル(3兆円)の外国人投資が消えた。ルーブル相場下落を怖れて外国人が資金を引き上げた結果である。
先の政府高官はブリーフィングの席で「原油相場は2008年平均ではバレル70ドルであり、国家予算と十分バランスしている。2009年の原油相場は60~80ドルのレンジを予測する。しかし、予算達成にはバレル95ドル原油が必要だ」と話した。
先のエコノミストは「世界の金融不安が2009年にかけて拡大する。原油相場は値下がりする。ロシアの財政赤字は1800億ドル(18兆円)に達するだろう。」と話した。JPモルガンのアナリストは「バレル50ドル原油でロシアGDPはゼロ成長」と予測している。
日本にとってもロシア株価急落、自国通貨ルーブルの暴落危機は他人事でないはずだ。日本はアメリカ一辺倒でやってきた。2009年はロシア欧州にも視野を広げて見て欲しい。(了)

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獅子王圓泰師・延暦寺バスツアー(スケッチ&コメント)

2008-10-18 13:55:25 | スケッチ


獅子王圓泰師・延暦寺バスツアー

江嵜企画代表・Ken



 西宮文化協会(会長・吉井貞敏氏)の十月行事として比叡山(横川と西塔)バスツアに参加した。関西に住んでいて比叡山は話もしばしば聞き京都市内からも大津からでも遠望していたが訪れるのは今回が初めてである。
 集合場所の西宮神社を朝9時出発、途中渋滞もなく桂インターで休憩をいれたあと蝉丸トンネルを越えると山科を経て程なく比叡山である。
 終日お世話になった延暦寺長獅子王圓泰師が比叡山のふもとでバスに乗られたタイミングをねらって早速スケッチさせていただいた。
 比叡山延暦寺は三塔(東塔・西塔・横川)十六谷に分かれており堂塔伽藍を総称して延暦寺という。谷間にお寺が現在120から130ある。往時には3000もの寺が並んでいたそうだ。
 延暦寺の周囲はおよそ100キロある。一日で全ては回り切れるしろものではない。今回は横川(よかわ)と西塔(さいとう)巡りとなった。
 横川には第三代座主慈覚大師円仁が開いた横川中堂がある。ここでおみくじが創始されたと言われる角大師(つのたいし)、豆大師と呼ばれる元三大師堂を訪れた。
 角大師の由来が面白い。永観二年(984)全国に疫病がはやった。元三大師(がんざんたいし)は大きな鏡の前に自分の姿を映され静かに目を閉じ座禅に入られると姿が変わり、骨ばかりの夜叉になられた。それを絵師の明善阿弥闍梨が写し取った絵を見て、版木でお札に刷るよう命じられ自らも開眼された。以来このお札を角大師と称し元三大師の護符として使われた。
 昼食のあと西塔の中心にある釈迦堂を訪れた。織田信長に火を付けられたいわれの寺である。やや離れたところに法華堂があった。お堂の中から読経の声が聞こえた。獅子王師から修行僧二人が中におり、行の最中にあると聞いた。
 今年京都は源氏物語1000年祭を祝っている。源氏物語4帖「夕顔」で光源氏が夕顔の法要を行ったところと説明板にあった。
 獅子王師によれば、比叡山は修行の山である。法華堂では5百日から七百日修行のあと九日間断水断食で一区切りつけるのだそうだ。
 比叡山といえば千日回峰がよく知られている。回峰行者の通る道を案内いただいた。人一人通るのも狭い道だった。そこを疾風の如く行者は走り抜ける。白装束をして走り抜ける姿が白鷺に似ているので「峰の白鷺」と呼ばれるのだそうだ。「谷間の鈴虫」とも言われる。身につけた鈴の音から来ていると聞いた。
 延暦寺の修行は、論・湿・寒・貧の4つの試練がある。「論」は仏の教えを学び激しく議論を交わす。「湿」は比叡山は北に日本海,東に琵琶湖を控えており湿度は尋常であない。柱も傷みが早いが修行僧は湿気に参る。「寒」は冬場は零下18度を獅子王師も体験されたそうだ。
 最後の「貧」はお金の貧乏ではない。清貧の貧である。清貧の心を修行で学ぶのだそうだ。
 現在比叡山延暦寺には62~3人の僧侶が常時修行している。そのほかに毎年全国の寺から集まる100人が一年を前後に分けて修行している。比叡山は正に修行の道場なのだと実感した次第である。
 獅子王師は現在比叡山延暦寺大霊園の園長さんの肩書きを持たれる。現在7500基のお墓があり、永代供養されていると聞いた。
 人がなくなると仏になるまでに通夜,葬儀、四十九日までまず初七日がある。葬儀の日に初七日を済ます家庭が増えたそうだ。ところが四十九日も一周忌までも一日で済まして欲しいと頼み込んでこられる人がおられると淡々と話しておられたのが印象に残った。亡くなった人もこれではとても成仏できまい。
 話はつきない。
 今回のツアは獅子王圓泰師さんと西宮神社前権宮司吉井貞敏さんとの深い絆があってはじめて実現した。すばらしいご縁をいただき感謝申し上げる次第である(了)

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NY原油70ドル割れ歓迎、NYダウ401ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-17 07:17:54 | 経済学
 川辺に立って水鳥の動きを見ていると教えられることが多い。中州の降りる場所を日々微妙に変えている。しかも決して集中しない。水鳥はテレビも見ない。新聞も読まない。水がなくなり、餌が食べられないと知ると断りなく飛び去る。生き物の本質を教えてくれる。
原油相場がドラム缶一杯150ドル目前まで値上がりしたのは今年の7月だった。大変なことになると騒いだのは誰だ。10月16日、WTI相場は70ドルを割りバレル69.85ドルで取引を終了した。高値から見て半額セールである。なぜ素直に喜ばないのだろうか。
 NY外国為替市場で、原油相場がバレル70ドルを割ったことを歓迎して、ドルが買い戻され1ユーロ=1.3399ドル、1ドル=101円で取引された。青菜に塩だったNY株式市場も原油70ドル割れを歓迎、前日比401ドル、4.7%上昇、8,979ドルで取引を終えた。
 原油相場が半額になって米航空トップUALの株価が21%値上がりした。コンチネンタルとデルタ航空株は15%、USエアウエーズ株は18%値上りした。水鳥は航空会社の業績が2009年半ば以降から間違いなく回復すると見たのであろう。実に分かり易い。
 原油相場は7月にかけて急騰した。急騰のパターンはユーロ高ドル安のパターンと酷似している。相場推移を描いたグラフを重ね合わせると一目瞭然である。物の値段は基本的には需給で決まる。原油高騰がレコードの「表盤」なら原油急落は「裏盤」現象にすぎない。
 今朝のWSJ紙によれば、欧州の景気後退が進みECB(欧州中央銀行)の利下げ必至と見て1ユーロ=1.3170ドルまでドルが値上がりすると一部のアナリストの見方を紹介している。1ユーロ=1.6ドルから見れば様変わりである。
ユーロが対ドルで値下がりすればつれて、ユーロは対円でも値下がりする可能性が出て来る。昨日米FRBバーナンキ議長は短期の政策金利FFレート下げを示唆した。異常な低金利の日本と金利差がなくなるから円が対ユーロ、対ドルでさらに値上りしてもおかしくない。
自国通貨が持ち直すことを素直に喜ばないのは日本ぐらいであろう。お隣の韓国は1ドル=1,260ウオンへ急落、狂乱物価再来と大騒ぎしている。原油がバレル150ドルを越え、円相場が1ドル=110円、120円へと円安が進めばどうなるか。水鳥に聞いてみればいい。
自国通貨に値打ちがなくなることを歓迎する体質も異常なら、100万円預金して一年で利子が2000円もつかないのはそれ以上に異常である。異常であることを異常だと感じなくなっている今の日本は正に病気である。しかも心の病気だから完治に時間がかかる。
日本は第二次世界大戦で米国に敗れた。アメリカはすばらしい国である。筆者は米国で3年の生活を通じてアメリカのすばらしさを自分の目で確かめられたことは幸運だった。しかし、歯止めなく借金して世界各国から買い続けるアメリカンドリームに疑問符が灯った。
英国が衰退の過程で「英国病」と言う言葉がはやった。英国が北海油田を掘り当て蘇ったが欧米流の金融システムが崩壊したいま英国の先行きを悲観する声が出てきている。「米国病」ということばが早晩流行するかもしれない。
日本には日本の流儀がある。資源輸入大国日本は原油半額大歓迎だ。円高で自国通貨が強くなることは国益だと堂々と国民に訴える政治家が出てくる日が待たれてならない。(了)

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米景気データ悪化嫌気、NYダウ733ドル安、NY原油一時73ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-16 14:01:22 | 経済学
 WSJ紙によれば、10月15日、NY株式市場は、9月米小売高減少、ベージュブックがまとめた地区連銀レポートが米景気悪化を伝えたあと値下がりしてはじまった。
その後年末に期日を迎える取引でヘッジファンドがまとまった売りを出した頃から下げ足を早め、前日比733ドル、7.9%安の8,577ドルで取引を終了した。S&P500種平均9%ナスダック8.4%それぞれ前日比値下がりした。
 NY原油先物市場は、景気悪化に伴う需要減を予測した売り圧力から、WTI相場は前日比バレル4.09ドル5.2%安の74.54ドルで取引を終了した。年初来22%の値下がりである。その後の電子取引では、株価急落を確認したあと、バレル73.77ドルで取引されている。
 OPECは11月18日、緊急総会を予定している。当初バレル75ドルが下げの一つのメドとしていた。ところが75ドルの壁をあっさり割った。一部の見方では高値から65%安の水準のバレル51ドルが安値の次のメドとなるという。
NY外国為替市場では、ドルが売られ1ユーロ=1.3457ドル、1ドル=99.75ドルで取引された。ドルの反面教師である金相場は反発、スポットでトロイオンス848ドルで取引されていると今朝のブルームバーグ二ユースが報じている。
 短期の銀行間取引金利ライボーレートは小幅に下げているが3ヶ月物で年4.75%と依然高く、銀行の貸し渋り状態が続いているとWSJ紙は指摘している。銀行間金利が大幅に下がらない限り、金融収縮に終わりは来ないと思われる。
ニューズウイーク日本語版(10月22日号)は、「恐怖の連鎖が世界を飲み込む」と小見出しをつけて、ダニエル・グロス記者が、CNBCで投資情報番組で強気で鳴らしたジエームズ・クレマーは「あと5年は株を買うな」と訴えたと紹介していた。
 記事を読み進むと「銀行やクレジット会社が急にローンの全額返済を求めてきたら、あなたはそれに応じられるか」とエスカーレートしている。「現金の安全な預け先だったMMFの信頼が揺らいでいる。本来なら安全なはずの地方自治体債までが売られ始めた。」と続く。
 健康を失うと全てを失う。失ってはじめて健康のありがたさをしみじみ実感する。ところが人間と言う動物は悲しいかな病気にならないとなかなか健康のありがたさがわからない。多少健康に留意している人でも、年一度しっかり検査を受けているから大丈夫だという。 この検査が曲者である。検査結果を聞いて病気をさらに悪化させることが結構多い。
米商務省は9月の米小売高が3,754億ドル前月比1.2%減と発表した。市場予想の0.6%減を大きく上回る。金融危機が個人消費に波及してきたと恐怖感を煽っている。
 からだと経済の健康はよく似ている。病根が金融セクターに止まっている間はまだいい。個人消費にまで「転移」すると心配するから余計消費を控えるから油断ならない。
 油断できないということでは、日経CNNテレビの昨晩の番組でミスター円の異名をもつ榊原英資氏が最近の為替の動きに触れ、「対ドルで1ドル=100円を見ていると間違う。対ユーロでも対豪州ドルなどではいまだ大幅な円安である。1ユーロ=100円になる可能性も十分ある。」と話していた。
まさかと思うが今回の金融不安は何が起こってもおかしくない覚悟が必要だろう。(了)

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シオンちゃんのプレゼント:なすび(スケッチ&コメント)

2008-10-16 06:08:52 | スケッチ


シオンちゃんのプレゼント

江嵜企画代表・Ken



 自宅マンションにUさん宅があり今年小学校に入られた娘さんがおられる。昨晩、おかあさんとさる菜園で一緒にとったなすびですといって4本わざわざ届けてくれた。なすびの姿がなんとも愛らしく、絵心をいたく刺激されて早速スケッチした。ささやかながらお礼の気持ちとしてハガキに仕上げて彼女宅の階下の郵便受けに今朝入れた。
 彼女には時々、これはと思うスケッチをハガキサイズにプリントアウトして渡すようになった。彼女から先日もらったメモ用の小さな紙にはびっしりと心のこもったお礼の言葉がつまっていた。
 最近は頂き物をしてもお礼が言えない子供が増えた。ひとことありがとうという言葉をもらうと元気が出る。
 感謝の気持ちを素直に表せるおとなに育って欲しいと密かに期待している次第である。了)

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米景気後退不安から金融不安解消策もNYダウ76ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-15 09:39:28 | 経済学
 ブッシュ米大統領は10月14日、テレビ演説し、JPモルガンなど主要銀行9社との間で1,250億ドル(13兆円)の公的資金投入が決ったと発表した。公的資金投入の見返りに銀行役員の報酬削減や住宅差し押さえの危機にある借り手への支援も同時に行うとの考えを示した。
NYダウは大統領演説を好感してはじめ前日比4%強上げるなど好スタートを切った。しかし、あと風船の空気が抜けるように値下がりし一時3%下げた。その後多少は持ち直したが、投資家の米国経済への先行き不安から前日比76ドル安い9,310ドルで取引を終了した。
金融機関への公的資金投入により、銀行間での貸し出しライボー金利が低下、3ヶ月物で4.75%が4.65%へ低下した。特に1ヶ月物は4.07%へ下げた。ただ0.5%下げて年1.5%となった短期の米政策金利との格差は3%あり、銀行の貸し渋りスタンスは解消していない。
 NY原油先物市場では、WTI相場がバレル1.93ドル下げ79.26ドルで取引された。ブレント油は1.93ドル値下がりしバレル76.97ドルで取引された。米景気後退が続きガソリンはじめ米国の原油消費が減少するとの悲観的思惑が働いた。NY株式相場は安値から10%以上反発したが、原油相場は1%程度の反発に止まっている。
今朝のブルームバーグニュースによれば、スタンド売りのガソリン価格がガロン33セント急落、3ドル20セント台まで値下がりした。ガソリン価格は原油がバレル150ドル目前の3~4ヶ月以前にはガロン4ドルを越えていたから正に様変わりである。
NY外国為替市場では、一連の金融不安解消策の発表を受けて、ドル、ユーロが買われた。特に対円では一時1ドル=103円台、1ユーロ=141円台まであった。ドルは対ユーロで売られ、1ユーロ=1.3623ドル台とユーロ買戻しの動きが見られた。
ドルの反面教師である金相場はどうか。NY金先物市場では、欧米での金融救済策の発表を受けて、安全資産としての評価が後退、4営業日連続で下げ、トロイオンス834ドルで取引された。金相場はユーロ高ドル安の流れを受けて高値1000ドルをつけたあと調整している。ただ、一年前の600~650ドルからは200ドル以上値上がりしている。
今朝のWSJ紙によると、リタイリー(退職者)がこのところの株価急落による資産目減りに頭を抱えていると紹介していた。株が暴落した。住宅不動産の価格の値下がりが追い討ちをかけている。この先貯金の食いつぶしピッチが早まると危惧している。
米国経済のリセッション入りがはっきりしてきたことで、スポーツ関係の興行収入にも陰を落とし始めたとWSJ紙が紹介している。プロ野球球団のマリーンズのフロリダ球場の老朽化が進んでいるが予定されていた改修工事延期が決まった。球場の年間シートの売り上げが昨年同期の野80%以下に落ちた。
プロ野球だけでない。観客数減を見越して、ナショナル・バスケット協会は来年1月5日まで期間限定で「バイナウ・ペイレイター」シーズンチケットキャンペーンをはじめた。シテイーグルプやバークレイは多くのスポーツ施設に社名を販売していたが見直しする。
アメリカ人が借金をしながら金を遣い放題してくれたから世界のお金が回った。金の切れ目は縁の切れ目である。NYダウの今朝の乱高下を他人事として見過ごし出来ない。(了)

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