思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

? 国会職員の方からのメール HNK問題/+私の考えの補足

2005-01-16 | メール・往復書簡
国会職員の方からわたしのブログ記事(「堕ちたNHKー「地上の星」はどこに行った」)に対してのメールがありましたので、以下に公開します。
なお、個人名については、公表すべきではないと思いますので、記しません。



「今のNHKの形態では、政府ではなく市民につく報道は不可能でしょう。いったいNHKとは何なのでしょうか?視聴料を取るのなら、少なくとも人事は視聴者による選挙が必要なはずです。そうしないなら「契約テレビ」にするしかありません。これは原理です。」
とありました。

NHKは、放送法により設立された、いわゆる特殊法人です。
強制負担金である受信料で経営しており、これはNHKの目的が公共放送であることが根拠とされています。

(目的)
第七条 協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。

(受信契約及び受信料)
第三十二条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

私は、民放が成長した現代の我が国では、このような公共放送はその必要性を失っていると考えています。治安・災害対策、官公庁の広報のみを、国や地方自治体が行い、それ以外はすべて民間に任せるべきです。なぜなら、どのような内容の情報をどのように伝えれば、「公共の福祉のために」なるかについて、意見の一致はほとんど不可能であり、統一的判断を求めれば、思想表現の自由を侵害する可能性大だからです。「公共とは何か」は、個々人が真剣に考えるべき問題ですが、それに止めるべきであり、また民放でも無関係ではありえないと思います。
なお、受信料は、契約を強制する点で非合理的な法制度であり、廃止すべきと考えます。

NHKの不祥事は、次期通常国会冒頭の重要問題になりそうです。
何かお考えがあれば、お聞かせください。(2005.1.16)





以下に私(武田)の考えを補足します。

「公共」とは何か?については、書評でご紹介した「公共とは何か」山脇直司著(ちくま新書)をお読み下さい。たいへん平易で明晰な著作です。

ばかばかしいほど当たり前のことですが、権力の座にいる人間が、「公正な報道を!」と発言すること自体が、何よりもの圧力です。

政府および政権党の要職につく者が、マスコミ報道のありよう(=内容)について発言すること自体を禁止すべきです。従来よりも踏み込んだ立法処置で、マスコミの政治権力からの独立を保障する必要があると思います。必要なのは、マスコミ同士の相互批判と独立したジャーナリストを育成するシステム(各マスコミ機関が負担金を出す)をつくることです。(2005.1.17)




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