今回、被ばくで病院に運ばれた作業員は、東京電力の社員ではありません。下請の労働者です。原発は、放射能を浴びる危険な仕事抜きには成立しませんが、その危ない仕事につくのは、電力会社の社員ではありません。下請・孫請け・曾孫請けの労働者です。
もう何十年も前から、その悲惨な実態が報告されてきましたが、マスコミ人はみな知らん顔です。白血病で亡くなった人・各種の癌で亡くなった人は、みな労災も受けられず、闇に葬られてきました。このような悲惨で非人道的な労働に支えられてはじめて成立するのが原発なのです。その一端は、平井さんの報告にもあります。
今回の被爆者も、短靴で高い放射線濃度の水に浸かって作業をしていましたが、東京電力の社員は、そんな無謀なことはしませんし、させられません。十分な装備もなく、危険だらけの環境の中で、命と引き換えに仕事をするのは、下請けの労働者たちです。通産省などからの天下り官僚経営者たちは、何のリスクも負わず、楽な仕事だけして、唖然とするような高給を取っています。
こんな組織をそのままにしていいわけがありません。お天道様は見ています。
武田康弘