★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

小学生の地図と中学生のプール

2012-09-20 23:09:31 | 文学
梅崎春生の「地図」を読み直したら、安岡章太郎のある小説と混同していたことが判明した。なんか中上健次のある小説とか三田誠広の処女作を合わせたような感じだと思った。梅崎春生は「地図」を書いた時、まだ大学に入ったばかりだったはずだ。そのあと数年の間に梅崎は急に成熟しているように思えるが、三田もそして中上もかなり違った意味ではあるが、そういう成熟は遂げなかったようだ。

「地図」は、強姦事件とその被害者の弟である小学生の自殺をあつかった小説だが、主人公の想念の中に「最も美しい行為で死にたい」というコンセプトがでてくる。もしかしたら、梅崎春生はもうすでに戦争のことを考えていたのかもしれぬ。まあ文学史的に見ようとするなら、例の派閥とかの影響になるのかもしれんが……



お祭りで金魚を大量に貰ったけど、当然飼えないので、プールに放して一緒に泳いだという中学生のニュースがでていたが……、みんなと泳ぐわたくし。