オタク的界隈では大人気のハートマン軍曹が亡くなったそうである。「フルメタルジャケット」の例の軍曹である。
それはともかく、最近買ったのは『公文書問題 日本の「闇」の核心』。著者は瀬畑源氏であるが、氏が一橋の修士課程にいた頃、ある集まりでお会いしたことがある。確か、J・ミルか何かについての読書会だったと思うが……。もともと天皇制の研究者であるが、こんな御時世が急にやってきてしまい、本人もびっくりなのではなかろうか。しかし、研究者が世の中の役に立つということは、かかる事態を指しているのであって、3年だか5年だかで、何かを納品するがごとき営みは研究ではなく、ただの報告である。
ただ、役に立つ研究みたいなものを性急に求める風潮も俗情的には理解できないことはないのである。要するに、社会の安定性がないので、社会の基盤というかインフラみたいなものを支えているものが欠けてもらうと困るみたいな感覚なのであろう。それは、しかし、理「学」や実「学」によってなされることでじゃなくて、性やキチンとした修繕とかをちゃんと重視できるかという「思想」の問題のような気がしないでもないのだ。公文書の問題だって、とにかく手を抜きすぎなんですわ……、仕事を。