眼閉づれど、
心にうかぶ何もなし。
さびしくも、また、眼をあけるかな。
途中にてふと気が変り、
つとめ先を休みて、今日も、
河岸をさまよへり。
――石川啄木「悲しき玩具」より
……わたくしが啄木と全く違うのは、土日でも出勤してしまうことがあり、勤め先を休まないことであった。啄木に言いたい。
手をみるちょっとその前に
とりあえず働け 眼を開けて
あーこりゃこりゃ
だいたい、その時代閉塞とやらのあとが抜群に啄木の才能が輝く時代だったのに、じつに惜しい……。わたくしも含めた若者たちよ、とりあえず、生き延びた方が面白いかも知れないよ。清貧なんてくだらないよ、金儲けして楽しく生きるのだ。