Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

本日の読書(101229)

2010年12月29日 14時00分17秒 | 読書
「発心集」(第2、第3) (鴨長明、新潮日本古典集成)
 巻2は巻1につづいて「往生は、無智なるにもよらず。山林に跡をくらうするにもあらず。只、云ふかひなく功積めるもの、かくのごとし。」を例示していると思われる。
 そして巻3の8蓮花城、入水の事は多分この発心集の節目の一節と思われる。焼身・入水・渡海などの身を滅することでの輪廻からの離脱、浄土再生の行を列挙した上で、其のことの否定の論理構築を試みている。
 当時流行し、多くの見物者までいたと言われるこれらの行動が救いにはならないということを検証しようとしたのだろう。このことは
「身燈・入海するは浄土に生るるぞとばかり知りて、心のはやるままに、かやうの行を思ひ立つ事し侍りなん。即ち、外道の苦行に同じ。大きなる邪見と云ふべし。」
によく表れている。