Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「悪魔の話」(池内紀)から (2)

2021年03月09日 22時39分09秒 | 読書

   

 本日は昨日に引き続きモーツアルトの最後の弦楽四重奏曲4曲を記紀ながら作業を行い、午後には「悪魔の話」(池内紀)を喫茶店で15分ほど。「7.ファウスト博士」を読んだ。

「(ゲーテは「ファウスト第二部」で)自分が語りつつあることにおぞけを震った。いかにも「ファウスト」は、新しい「魔術の時代」の到来を語っている。金(ゴールド)を押しのけて金銭(ゲルト)が大手を振ってのし歩きはじめた。ゲーテは19世紀後半のリアリズム文学などよりもずっと早く、そしてはるかあざやかに、衣装を取り換えて登場してきた錬金術師たちを描き留めた。紙が金である時代には当然のことながら金銭が神である。かつて人々は協会の椅子に坐って祈りをささげた。いまや豪壮な建物を誇る銀行にこそ手を合わせる。もはや勤勉と貯蓄は美徳ではない。より少ない労力で、より高い効率をあげることこそ美徳である。節約はたっとばれない。ムダ使いこそ発展の原動力だ。」



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