メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1996.10~ part1)

2013-08-09 17:06:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はオレンジ&水色のノートからご紹介。今回も感動満載な作品多々あり!

  

photo1:「宝島」の感想メモ。冒険ものにハマってた時期
photo2:家族でシンガポール&セントーサ島に行った時の記録
photo3:ものすごいキワモノだった「ニュー・ロイヤル・バレエ・オブ・ヨーク日本公演」


若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『愛しすぎて』(1994)
監督:ブライアン・ギルバー 出演:ウィレム・デフォー ほか
なんだか異次元的で狐につままれたような感じ。T.S.エリオットの名だけ知ってる程度で観たせい?
結局ヴィヴの病名は何? ホルモン疾患? ホルモンバランスが崩れて頭痛、腹痛による精神不安定。
大腸カタルとも言ってたけど、腸の炎症で下痢、腹痛を伴うんだって。
今じゃなんでもないことがよく分からなかった時代じゃ不当な扱いを受けていたわけね。怖いな無知って。
でも死ぬまで病院から出さずに、それでも互いに想い合ってたってことはあり得るのかしら。
「君にそういう資格はない」て言われちゃそれまでだけど。

W.デフォーが珍しく静的、無機的な演技。彼から漂う狂気はカフカ系。
2人の共作ならヴィヴが不公平に思うのも当然。ちょっと気性が激しく、
率直なだけに描かれているけど、それで病気扱いはあんまりだ。
病気が治ったなら退院させればいいのに???
彼はずっと自伝的作品が出ることをひどく恐れていたらしい。そんなに恥ずかしいことかな。

「愛する者と結婚したのにいつも独りだ」
「詩は感情の吐露ではなく感情からの避難だ」って言葉には驚く。

生前に名声を得た貴重な存在なんだ。
25年間、人生でもっとも素晴らしいはずの時期を病とともに過ごすなんて悲痛。
この話は医学の遅れによる夫婦崩壊の話か?


『ブルースカイ』(1994)

監督:トニー・リチャードソン 出演:ジェシカ・ラング、トミー・リー・ジョーンズ ほか
音楽:♪Baby, You've got what it takes/ブルック・ベントン&ダイナ・ワシントン
セクシーかつ演技派ベテラン2人の共演が見物。核実験による被爆犠牲者を出しながら
内部でもみ消し工作をする米軍というショッキングで政治的告発だけでなく、
奔放な女優志望の妻と、真面目な夫の愛も加え、ハリウッド流に柔らかくしていて娯楽性あり。
音楽、ファッションに'50~'60の雰囲気が出てる。

「モテる君を見るのが好きだった。しかしこたえたよ。いつまで耐えられるか」
でもその自由なセクシュアリティを愛しているんだから、縄つけて飼うわけにはいかないよ。軍人の妻は大変だね。
1作ごとに新たな魅力爆発の2大スター。とくにトミーの快進撃はとどまることを知らない。これからも断然要チェック!


『BODY of evidence』(1993)

監督:ユーリ・エデル 出演:マドンナ、ウィレム・デフォー、ジュリアン・ムーア ほか
マドンナは現代の愛の女神だ。男ばかりか同性をも魅惑するクールで危険な魔女の一方で、
女性性を解放し、実力とキャリアを兼ね備え、なおも前進するエネルギー。
彼女がリスペクトするマリリンもセックス・シンボルではあったが、結局男社会に踏み潰されてしまった。

現代のミューズはそうじゃない。映画ではあっけなく散り、“罪の報いを受ける”立場をとっても
マドンナは「エビータ」の主演で演技力も確立し、妊娠で母性も得て、より強く美しい存在に拡大していく。

最近ようやくロマンスものもいけるんだと分かったデフォーの「こいつは違うぞ」って魅力との共演、対決は興奮!
M.ディートリッヒを思わせる裁判劇の緊迫と弁護士との激しい関係のスリルはノンストップ。

マドンナの美しさと魔力は、魔女と女神の絶妙なバランスで、すぐに忘れることはできないよ。
歌ってダンスも完璧なんだから、これ以上のスーパースターはいるかな?
「マドンナグッズプレゼント」コーナーまであって、クイズが「デフォーが抱えていた動物は何?」には閉口したけど
今作の共演者は、デフォーがうらやましかっただろうね。


『SHOOT THE MOON』(1981)

監督:アラン・パーカー 出演:アルバート・フィネイ、ダイアン、キートン、カレン・アレン、ピーター・ウェラー ほか
『ダウンタウン物語』が初作で次々と注目作を撮り続けるパーカー監督作品。
長年連れ添い会話もなくなった夫婦の溝、離婚問題、間に挟まれ影響を避けられない子どもたちのドラマを丁寧に描く。
ダニー・アイエロ風の夫は小説家。物書きだからこそ普通より敏感で繊細なとらえ方をしているのかも。
ダイアンは、前作の『Heaven』でかなりイメージ狂ったけど、やはり彼女が出る作品はテーマが面白い。
長女役、若いウェラーもイイ。

バスタブで歌う思い出の曲、ビートルズのタイトルなんだっけ? 前から知ってたこの曲、こんなに悲しい歌詞だったのね。
コートで流れるバーズの♪I can't tell you why も効いてる。使い方でこんなにリアルに聴こえるなんて驚き。

「もう愛してないの?」「時が変えてしまうのよ。ドアに最初に入る時2人でも、後になってどちらかが先になるだけのこと」
「あなたは私を子どもから1人前の女にしてくれた。愛が何かを教えてくれたわ」

愛し合ってるけれども生活に疲れてシワくちゃになってしまう気持ち。
子どもを愛していて、望みを最後まで捨てなかった2人はまだチャンスがあるかも。
浮気とやきもちで、もう一度焼けぼっくいに火がつくこともあるし。
ラスト、うちのめされた夫は年老いた熊に見える。歳をとるって難しいね。


ジャン・コクトー・コレクション『恐るべき子供たち』(1949)

原作:ジャン・コクトー 製作・監督:ジャン・ピエール・メルヴィル
出演:コール・ステファーヌ、エドウアール・デルミット、ジャン・コクトー(ナレーション) ほか
詩人とは苦しみ悩む人種のことをいうのかな。時には楽しく喜ぶこともあるだろうに。
フランス映画を観ていると(大抵恋愛悲劇で)人生が重荷で、ハリウッド映画のアクションものとまた別の意味で人命が軽く感じられる。
多才なアーティスト、コクトーの詩集を買ったことで気づいた今作。
コインの裏と表のように結ばれた姉弟の愛憎ドラマは、緊迫感に張り詰めていて破滅に突き進むと知ってて魅了される。

「私が唾を吐かれるドラマの結末なんて許せない。完璧にやり遂げるわ」

声が響く出口のないホールの一角に作られた中国風の部屋。金持ちでたくさんの部屋を持ってるってとっても淋しいのね。
シャム双生児のような姉弟。いつかは離れる運命なのに、それに逆らってしまう。
「罪の手を水道で洗い流した」
別の作品に息子を愛しすぎた母の悲劇の話『恐るべき親たち』がある。こーゆー愛憎劇を得意としてたわけね。


『花嫁のパパ2』(1995)
監督:チャールズ・シャイヤー 出演:スティーヴ・マーティン、マーティン・ショート ほか
♪Give me the simple life, On the sunny side of the street/Steve Tyreil
宣伝のために一緒に来日したS.マーティンとM.ショートが再共演のタイトルもズバリ「パート2」。
孫と自分の子の誕生日が同じだなんて摩訶不思議なことをコミカルなだけでなく、前作同様ホロっと泣かす絶妙な構成。

スティーブ曰く「ちょっと裕福でステキな家庭という理想がウケたのでは?」

ガタついてローンがやっと終わった家を1日でまたローンを組んで10万ドルで買うなんて考えただけでゾッとするのに
あんましお金の心配はしてないから、やっぱり中の上くらい余裕のあるウチなのね。
娘と妻を心から愛する心配性で苦労性なパパをマーティンがあったかく演じている。
髪を染めた姿はすごいハンサム。コメディアンとしてはトレードマークの白髪(銀髪)は必須だけど。
妙なマタニティダンスは笑う。

ボストンに立つ娘夫婦とのお別れシーンもイイ。
ベイビー妹へのプレゼントに父とやったバスケのミニボール「最初のシュートを覚えているよ」
この少女期を思い返すシーンが前作同様泣けるんだなあ。そしてベイビーにも「姉さんに教えたすべてのトリックを教えよう」
迷う夜に「入ったらいい父になれる、入れよ!」とシュートするところもイイ。
産むほうも大変だけど、主夫の時代のパパも大変。
「子どもらのため、親心子知らずといってもね」微妙な親心がストレートに描かれて好感度、共感度大のヒットシリーズ。
これまでのこと、これからのことを思い悩んで「I'm tired」ともらすセリフも効いてる。


『欲望の華』(1994)
監督:アンナ・マリア・タトー 出演:ウィレム・デフォー、レナ・オリン ほか
タイトルからして色っぽい。「官能文学」なんてジャンルがあるとは知らなかった。ハーレークインロマンスみたいなものかな。
『蜘蛛女』ではとんでもなく力強い悪女役でG.オールドマンと戦ったオリンが180度転換して
中世の公爵夫人となって、女好きのクセ者作家扮するデフォーと共演。
恋のさやあての演技が見物。女監督の演出が活きてる。

「なぜ最初の告白の時に受け入れてくれなかったのか?」「私に恋してほしかったから」
この辺が女の微妙な恋心。苦労して手に入れたものは、手軽だったものより貴重に思えるって心理。
彼が牢屋の中で書いた小説そのままに演じ、導いたってわけ。

甘い言葉を連発で交わす2人をグルグル回るカメラワークが効果的。こーゆーセリフって日本人じゃ到底ムリなリップサービス。
しかし散々浮気に悩まされた後に恋したのはやっぱり女好き。「誠実であれ」と望むほうが間違っていると思うんだけど。
それにこれだけ遊んでたら、この貴族たち、中絶や避妊はどうしてたのかな
あくまで「官能小説」だから、その後の生活臭いリアリティは別なのか。
戦士みたいなコルセットや、ロウソクのシャンデリア、楔で脚を砕く拷問の話もキョーレツ。中世の雰囲気よく出てる。
デフォーのほうがオリンより肌が白くて、金髪を光らせて妖艶だからフシギ。


『女房の殺し方教えます』(1964)
監督:リチャード・クワイン 出演:ジャック・レモン、ヴィルナ・リージ ほか
こーゆーレモンの魅力がたっぷり楽しめるコメディの初期作品がヴィデオになってるなら、もっともっと紹介してほしい。
多作出演しててあるはず。今作は洋書にも載ってて観たいと思ってた!
でもこのビデオデッキのオンボロには参った。声が出なくて、やっと出たと思ったら映像が出ない!
サウンドと映像を別々で観るなんてアリ!? 修理しなきゃ・・・

レモン十八番の巻き込まれ型災難コメディ。いつもフツーの男を完璧に演じて、代弁者なんだよね。
彼の困り果てた様子が私たちの笑いと楽しさになる。
ヒーローの劇画的カッコいいクールさとのギャップも楽しい。
シリアス演技もいけるけど、ファンにはやっぱこーゆードタバタコメディのレモンをもっとずっと見ていたい。
でもあのボテボテのお腹は本物。イタリア人じゃないけど、女優系の美人な奥さんがいるし、
美味しいものを食べてこの主人公と変わらない生活状況だったんじゃないかしら?

とっても危なくて忠実な執事役の役者もいい味出してる。
'60代にこんな男尊女卑を愁い、告発する作品が撮られているなんてやっぱりアメリカってかなり進んでる。
かなり偏った意見て気がしないでもないけど、レディーファーストの英米では窮屈な思いでストレスたまってるのかな?


『夜ごとの夢』(1991)

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:フィリップ・ノワレ ほか
●1話 青い犬 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
なんだかこれと似たのを観た既視感がある。主演はノワレ?あったかい物語り。

●2話 特別な日曜日 監督:ジュゼッペ・ベルトルッチ
いろんなドラマがあるね。「一緒に入れないドア」がフシギ。

●3話 炎の雪 監督:M.T.ジョルダー
これまたフシギ。怪談か?と思いきや、入ってくる雪の明かりのシーンは胸打つ美しさ。

ジャン・ユーグ・アングラードのバイク兄ちゃんに言われ小鳥を放したが帰ってこず、
「ウソつき」と云うと、鳥でいっぱいの小屋に置いていかれるフシギな話が全編をつないでいる。
あんなところに子どもを置きっぱなしにするなんて何考えてるの?

それぞれ巨匠といえども約30分の中にこれだけ深いドラマを見せて感動させるのに策を練ったことだろう。
夢の中の話のような独特な雰囲気。原題は第2話からきてるんだけど邦題が上手い。
色っぽいシーンもあるけど、イタリアの活気に満ちた恋愛ものとは反対。
現代イタリア映画は叙情にあふれてる。それぞれのキャラクターが全話に出る工夫も面白い。


『デッドマン』(1995)

監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ジョニー・デップ、ジョン・ハート、イギー・ポップ ほか
さすがジャームッシュ。やってくれるとうならせる、まさに映像詩。
モノクロにニール・ヤングのギターのうなり、荒くれ者の最終地点の如き地でのインディアンとの魂の旅。
どこからこんな構想が浮かぶのか? またキャスティングがたまらない。クセ者がクセ者役で出てくる。

ボートを追ってくる馬と、それを見つめる毛皮を着たデップの絵も美しいが、
なんといっても撃ち殺された子鹿のかたわらに眠る主人公の絵が心を打つ。
子鹿は首の弾痕がなければまるでそこが最も寝心地のいい楽園のごとく横たわっている。
同じように横たわるブレイクが川に運ばれてゆく場所もやはりそういう場所なのだろう。

最初の言葉「死人と旅をするものではない」
インディアンが「誰がお前を殺したんだ?」「オレは死んでいない」

本人が気づいていないだけで、私たちはどうやら死人とともにさまよっていたのかも知れない。
インドでは死体を河へ流し、魂の国へ還す風習があったらしいが、彼も多少意識があったにせよ還されたんだ。
現代医学は臨死状態からも蘇生させるけどね。ちなみに戸田奈っちゃんの訳。

It is preferable not to travel with a dead man. Henri Michaux

コメント

notes and movies(1996.10~ part2)

2013-08-09 17:06:55 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ベイブ』(1995)

監督:クリス・ヌーナン 出演:ジェームズ・クロムウェル ほか
これが話題となったベイブか~。最初のあどけない子ブタの寝顔から「可愛い~!」と叫んじゃう。
この時点で大成功。やっぱり動物ものには勝てないって感じ。
この動物たちの繰り広げるドラマと演技には、驚いたり、笑ったり、泣いたり、感心したり、感動したり、
全然不自然さがない動きと喋り、さすがセサミのスタッフ。

こんなにスマートで、キレイで、小気味良い動きのブタを今まで見たことがない!
ミニブタのペットが流行るのもうなづける。3匹のネズミが歌う♪Blue Moon や

♪If I had wards 
あなたを勇気づける言葉があれば 朝から歌って聞かせよう
黄金の調べを 今日というこの日に 永遠の生命を
夜が訪れたら 月の光で満たそう

ゴスペルの早送り?音楽の使い方もナイス

風邪をひいて戻ると、主人が歌と踊りを見せてくれるシーンは素朴でイイねえ
これから豚肉が食べられなくなっちゃいそう。
ベイブを舐めてあげる、子を奪われたフライ母さんの姿には愛情があふれていたし、
映画のマジックは劇画の世界をあたかもリアルにここまで見せてくれるんだね!


『世界が燃えつきる日』(1977)

監督:ジャック・スマイト 出演:ジャン・マイケル・ビンセント、ジョージ・ペパード、ドミニク・サンダ ほか
もろ'70代の色濃い原題同名小説の映画化。ハニバルのノリそのままキャップにくわえ煙草のペパードに
叫んだり、色っぽい目をしたり、家事したりするだけの女役サンダの共演がイイ。
タイトルに仰々しい音楽で期待させるワリにあっさりとエンディング。

長い作品紹介の中に『スターウォーズ』があるから、いかにあのSF映像技術が凄くてお金かかってたが比べるとよく分かる。
こんなスゴイ核爆発で誰も放射能汚染を気にしてないのがフシギ。
地球軸があっという間に戻ってフツーの町に戻っちゃうギャップも激しいし。
まあ、許してあげよう。美しいサンダが生き残ってる奇跡に免じて。

思いっきりテキサスあたりのロケで済ましてて、セリフもちょっとズレ具合が時代の味染み出てる。
一歩間違えたらE.ウッドの世界の手前。シャワー1週間に1度とかいっても皆ちゃんと小奇麗。
サンドもまばゆいばかり。この役には退屈だったろうね。


『ハリーとトント』(1974)

監督:ポール・マズルスキー 出演:アート・カーニー、トント ほか
疲れた心と身体をホッとさせるような老人と老猫のロードムーヴィ。'60の香りがプンプンする。
老後の生き方から世代のギャップ、親子関係など、いろんな人生のエッセンスを含んだ作品。
世の中変わるけど「友を失ったら、新しい友を作ればいい」っていうポジティブシンキング。
私も歳したら新しい価値観をどんどん取り込むやわらか頭と、動物を飼ってハリーみたいな生き方をしたいな。
「猫は家につく」ってゆうけど、トントみたいに旅をともにする猫もいるのね。


『サブリナ』(1995)

監督:シドニー・ポラック 出演:ハリソン・フォード、ジュリア・オーモンド ほか
改めてつくづくストーリーも演出も女性向きの完璧なシンデレラ・ラブストーリー
『トッツィー』『愛と哀しみの果て』等を撮った監督が舞台を現代に移して、ヘップバーン主演で有名な今作をリメイク。
ハリウッドのドル箱スター、ハリソンが気恥ずかしいほどハンサム役を演じて、いい俳優が「いい仕事してますねえ」って感じ。
オーモンドも純真無垢な美女に変身! オードリーの記憶を塗り替える好演。2人ともプレッシャーはあったろうね。
キーはパリ! 髪を切って、化粧して、ブランドをさり気なく着こなす。
それで真実の愛が見つかるならたやすいけど、あのヘアスタイルを毎日キープするのは大変だ。やっぱ夢のお話。

Once upon a time...と始まるフェアリーテイル調。娘は金持ちの王子様と暮らす幸せなお姫様になったってわけ。
「パリのヒトは生きることを楽しんでいる」
♪LA VIE AN ROSE ほか音楽の使い方もとってもオシャレ。パリってそうゆう夢物語の似合う街だね。
でもやっぱり男って見た目の美しさに弱いのかな。ま、女もある程度ルックスも気にかけるけど。
“真実の愛も最初はルックスルから”て格言が必要か。
とくにハリウッドにこうゆうシンデレラストーリーって観てる時の高揚感と、
観た後の現実の厳しさのギャップが激しくて憂鬱になっちゃう


『パリの天使たち』(1991)
監督・脚本主演:ジェラール・シェニョー 出演:リシャール・ボーランジェ、ビクトリア・アブリル ほか
失業したらあっという間にホームレス! 何も持たない生活に陥るのってこんなに簡単なんだ。
しかもそれなりその日暮らしも見方によっちゃ悪くない。
半面、ドラッグに酒、窃盗、物乞いに頼らざるを得ない社会状況と人間の脆さもシビアに描いて、
普段なんでもない屋根と、ベッドと、食べ物が貴重なものだと改めて痛感。感謝、感謝。

偶然会ったフリをしても、トランクからリンゴが1個転がってくシーンはなんとも可笑しく空っぽな感じが象徴的。
モデル系のスチュワーデスが、職なしの男が好きだってことからすでに不思議だよ、この世の中。
最初のボートから海へ落ちて、そのまま重りがついたように静かに沈んでいく夢のシーンは妙に美しくて見入ってしまう。
美しい妻へのコンプレックスや不信感も家に帰る恐怖症にさせてたってこともあるのね。
それぞれ長い身の上話があるんだろうな、ついこの間までは同じ電車で通勤してた人が、ダンボール箱で暮らすようになるまでには。
これは個人の問題でもあり、私たちみんなの問題でもある。


『ロスト・チルドレン』(1995)

監督:ジャン・ピエール・ジュネ 出演:ロン・バールマン ほか
素晴らしい 映画が真の芸術となる。監督たちはカメラを手にした以来の革命、
「CG」というオモチャを手に入れて、次々とイメージをヴィジュアル化している。
T.ギリアムを越えるSFファンタジーの世界にハマル。TPをしのぐフリークスら。
ドミニクはたしか『デリカテッセン』にも出演。自分のコピーを演じていて、はじめは5つ子かと思ったほど。
ジュディスの美少女ぶりは危険なほど退廃的。
そしてパールマン トム・ウェイツ風キャラクターが飛び抜けてる!

老人と入れ代わって老女になっちゃうCGには口あんぐり!
金がかかってるって感じの世紀末風セットも凝りまくり。アイデアが山ほど詰まってる。
汚染しまくりバスクリン状態の水中を潜水服で泳ぐ男のエネルギーも思わず「海底二万海里」を思い出す。
「子どもに夢を」ってテーマだろうけど、もろ大人向けのブッ飛んだ世界がイイ。
劇場公開の時に観たかったけど、逃がしちゃったんだよね。
スクリーンで観たらもっとスゴかったろうな。このカルト監督に注目度大


『ジュマンジ』(1995)

監督:ジョー・ジョンストン 出演:ロビン・ウィリアムズ、キルスティン・ダンスト ほか
次々と私たちをビックリ世界へ導くCGによる映画。アイデア次第になんでもあり状態。
ロビン出演作はハズレがないけど、今作もとびきりのアミューズメント
家族の愛情話でホロリとまとめるところはアメリカらしい。
ゾーラ?のコメディアンぶりも笑える。ボロボロのパトカーの戸が取れて“半ドア”の表示にw
スタントマンもかなり危険を冒したことだろう。
スーパーでハンターがまともにペンキ缶を棚ごと浴びるシーンだってすごい危ないよ
メイキングもあったから見ればびっくりの種明かしが分かるかも。


『ワイルド・サイド』(1996)
 
監督:フランクリン・ブラウナー 出演:クリストファー・ウォーケン、ジョアン・チェン ほか
待った甲斐があった。ウォーケンファンとしては今作の彼は、今までのイメージを忘れさせるほど
ハイで、仕事ができて、女遊びも派手で、かつちょっと気が小さい、でも繊細な情もある!
ほか3人の個性も強い。始まったらノンストップ。汚い毒を見せつけながら、あとくされない爽やかな余韻がフシギ。
この監督はタダ者じゃなさそう。

伸ばした髪を黒く染めて、パワーを取り戻したかのように暴れまくるウォーケンは、まだまだ健在。
デ・ニーロも頑張ってることだしね。次はジョニデ主演の注目作でもキレてるらしいし、楽しみ。
それほど派手な触れ込みはないのにずっとレンタル中だった今作。
きっとウォーケンの妖しい魅力に新しいファンも増え続けてるんだね。

ジョアン・チェンも思わず同性もひきこまれる完備な容姿で美しい英語、
もうハリウッドの仲間入りは決定。演技もしっかりしてるから、いるだけで作品に華が生まれる。
スティーブン・バウアのキレ具合もスゴイし、アニー・ハッチのボーイッシュでスタイリッシュなルックスも印象的。


『ドンファン』(1995)
監督:ジェレミー・レビン 出演:ジョニー・デップ、マーロン・ブランドー ほか
エキゾティックな完璧マスク、最近は様々な役に幅を広げて、実力、人気ともに注目度No1のジョニデ主演。
ドンファンの逸話を知らずとも楽しめる。
久々観たブランドーは、すっかりパタリロ体型になっちゃったけど
その眼光といい、モノマネに使われる喋り方は“ドン”の風格。
果して彼は本物か大嘘つきか? ラストのオチが小気味いいくらいよく決まってる。

「彼女が待っていたかって? 彼はひどい“ロマンス病”に罹っていたのだ。
 そしてそれは伝染性が究めて強いのでご注意を

次々とスペイン系の美女が登場する。
「肌の色によって愛する方法がある。ピンク色は情熱的に、ソバカスはうち寄せる波のごとく」これは当たってるのか?
面と向かって「あなたは女の愛し方を知ってるか!?」と尋ねるシーンはドキッとするだろうね。
「見た目がどうのより、中身を愛してやる」てセリフはイイけど、やっぱ登場するのはとびきり美人ばかりですごい矛盾。
テーマ曲はブライアン・アダムス。


『伴奏者』(1992)

監督:クロード・ミレール 出演:ロマーヌ・ボーランジェ、リシャール・ボーランジェ ほか

「世界はわたしの脇をすり抜けてゆく。人の運命は変えても、いつもわたしは置き去りだ」

華麗なオペラ歌手の舞台裏。「家政婦は見た」の世界。
ドイツ占領下のフランスという緊迫感のある背景、ひとりの名もない伴奏者の娘が語り手。
ボーランジェ父娘の温かく、時に火花が散る演技対決は素晴らしい。
青年が「結婚を許可して下さい」と言って、リシャールがロマーヌに向かって「私は父親じゃない」てユーモアもイイ!

夫「女であることは辛いかい?」
ソフィ「たぶん、辛いと思います」

2人を見つめて雨にうたれる中年男と娘のシーンは心打たれる。
誰と結ばれ、それで幸せになれるか、私たちに未来は見えないし、時の流れは変えられない。
多感で才能に溢れるが自らの人生を思うに任せられない娘をロマーヌは化粧もせずに見事に演じきっている。
イレーヌ役のエレナも美しく、天使のような微笑が全編を彩る。
『フィガロの結婚』の一節?「落としてしまった~」ていう歌も心が洗れるよう。

コメント

notes and movies(1996.10~ part3)

2013-08-09 17:06:54 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。

『VR.5 The Series1』(1995)
出演:ローリー・シンガー ほか

【eps1 Sister】
Xファイルに並んで全米大人気のTV番組だそうな。全5巻出ているうちの第1巻。
確かにCGを使って凝った作りの近未来SF。いいね、アメリカってこーゆー番組がたくさんあって。
VRとは人の心に電話回線を使って入り込み、パソコンでプログラムしたとおりのストーリーで操ることもできるらしい。
驚異と危険に満ちた未知の装置で、知っているのは一部の人間だけ。ヒロインには悲しい過去の記憶がある。


【eps2 Love and Death】
結構ハマる。ヒロインは『フットルース』の女優だ。美しさは変わらないね。つくりはXファイルに似てきた感じ。
殺人兵器にもなるこの装置。組織や国が絡んでこないはずがない。
あ、そっかVRってヴァーチャル・リアリティの略か。


【eps3 5D】
出演:マイケル・イーストン、アンソニー・ヘッド、ジョージ・デロイ ほか
かなりハマってきた。シンガーは見事、今作で復活を果たしている。
次々と変身するちょっぴりロリータ系のブロンド美女はダリル・ハンナ以上にセクシー
野生的な現代ハンサムのダンカン役のマイケルや、殺し屋もカッコいいのに惜しげもなく次々と消されていっちゃう。
母親役はルイーズ・フレッチャー?

「trust no-one, not even me」ってセリフもろパクってないか?
全体的にセリフがみんな囁くように早口だから和訳が簡略化されてる。訳者泣かせだね。

画面に常に映っている緑に光る海の映像が美しい。テクニカラー調のVR5の世界は特に幻想的。
なんでもありの空想の世界だから、イメージのままに演出されているのが自由な表現の場としてスタッフも愉しんでいるんだろうね。
恋のさやあても見所。これだけ魅力的なのに、コンピュータオタクのせいか、
いつもイイ男が出てくると殺されちゃう。残るはやっぱり幼なじみのダンカン?
ちょっと頼りないパートナーだな。昔の効果も雰囲気盛り上げてる。


『VR.5 The Series2』(1995)

【eps1 Escape】
出演:オリバー・アンソニー・ヘッド ほか
「探偵」と設定するとホームズになったりして、主演ダンカンのあらゆる探偵ものミステリードラマの仕上がりが楽しい。
無意識で会話ができるなんて、テレパシーと同じでスゴイ!
例えば脳死状態の人でも無意識下では意識のある状態で、独自の夢の世界でさまよってるってことでしょ?


【eps2 Facing the Fire】
監督:ロレイン・セナ・フェレイラ 出演:シャーリー・ナイト、デヴィッド・マクラム ほか
VRは使い方によっちゃ深層心理を覗いて本人が思い出したくないとストップをかけてる壁を取り除くこともできるけど、
本人の記憶違いや、他人の記憶まで混ざっちゃうややこしい面もあるのね。
このドラマは美形ぞろいで、軍人パイロット・ランスも超カッコいい。

みんな囁くように話しているのがポイント。
飄々としたダンカン以外は、皆暗い過去や秘密を持ってる怪しいツインピークス系だし。
シドニーとのロマンス相手が誰になるかも期待させておいてなかなか先に進まないのも気になるところ。


【eps3 Control Freak】
原作:ナオミ・ジャンセン 監督:マイケル・カトルマン
出演:マーカス・フラネガン、トム・マーディロジャン、ステファン・ルート ほか
今度はオリバーの過去が少し見えた。このシリーズは製作スタッフは同じで、脚本・監督は変えているのかな?
女性ライターを上手く起用してヒロインと周囲の男たちのストーリーを効果的に描いているみたい。
今回は管制塔を占拠して人質をとった男の話。「所詮、我々は下っ端だ。真実には近づけないさ」
この分だとこれほどデカイ組織政治や軍事に関係してないとは考えられないからXファイル路線と同じ。
このコミッティはペンタゴンみたいな政府機関の1つじゃない?
シリーズは5巻まで。1巻に3話ずつ130分もあって先はまだたっぷり残っているから楽しみ。


『VR.5』(1995)
監督:マイケル・カトルマン 出演:ロリー・シンガー、ウィル・パットン、アダム・ボールドウィン、ルイス・フレッチャー ほか
これはいわゆるパイロット版。先にこっちを観るべきだたけど、
シリーズ1巻と重複してても新たな設定やエピソードも観れて謎解きのヒントにもなる。
円の絵は「生命の木」。枯れ木とその周りの絶壁の絵がシュール!
動物を食う緑にボディ・ペインティングした少年。こうゆう芸術性が今シリーズの見せ場の1つ。

まだコントロールもできず出口も任せるしかない状態のVR。
次第にシドニーが慣れていくわけだけど、モーガンは冷凍になっちゃったし。4以降が楽しみ。
本当このシリーズって美形そろい。この少年は完璧ジャニ系だし。
しかし電話の盗聴、パソコン情報盗みは朝飯前、電波は便利だけどプライバシーの保護にはまだまだ無防備。
それでも、やっぱりハマるよ、この世界は。


『VR.5 The Series3』

【eps1 サイモンの背信】
監督:スティーヴ・ダビン
ちょっとシリーズの前ストーリーを忘れかけちゃったけど、オリバーと委員会との関係は変わってないらしい。
老後も家族で幸せに暮らしたのは、VRで見た最期の疑似体験だったというオチがゾッとする。
『Brazil』を思わせる、VRのもう1つの使い方だね。
本筋には変化がないからちょっとさみしい。


【eps2 アレックスのふたつの顔】
監督:ジョン・セイクレット・ヤング
こうこなくっちゃ。今度はジェットコースター並みに展開が速い。そのつど監督が変わるせいか?
オリバーの元パートナー、恋人アレックス登場! その上人格を移動させるVR8 スゴイ!SFだよ完璧。
オリバー役の男優は、ちょっとルドガー・ハウアー系の美形で、シドニーもちょっと心を許して、ダンカンがちょっと心配する。
こうゆう微妙なシーンがファンをとらえるわけだ。

キム・ノヴァクそっくりのメイクに、グレースーツでヒッチコックタッチの駅シーンに、
オリバーの初々しい人間らしさが見れる教会での結婚式と葬式シーン等見所も豊富。
酔ったオリバーをベッドに寝かせて、訪ねてきたダンカンにコーヒーをすすめて怪しまれたりするうろたえぶりもあやしい。
次の段階が待てない。


【eps3 偽りの天使】
監督:ジム・チャールストン 出演:アンソニー・ヘッド、アメリア・マックヴィーン ほか
謎を解くキーはいくつも出てくるけど、肝心な謎は深まるばかり。
まあ、彼女には理屈抜きで助けてくれるナイトが2人もいるから心配はいらないと思うけど。
今作では睡眠薬で自殺をはかったと思っていた母がもしかしたらVRによる事故か作為かで昏睡状態になったらしいということ、
そしてエンターの不思議な歌には父のVR発明した隠れ研究室があることを示している。
まるで♪フレディが来るぞ の歌みたい。

♪エンターのE、Nはnever tell anyone、Tは指でノックして、Eはがんばって、R私はその奥にいる。
母はどうして真実を教えてくれないのか?

このシリーズも2、3と続いたのな? Xファイルと競ってたくらいなら、そうなってもいいはず。
けっこう話をふくらませることができる素材だと思うけど。
視聴率をとるいいドラマは製作スタッフと脚本にかかってるといえる。
こっちもかなり大人数で固めてるから準備は万全。


『VR.5 The Series4』

【eps1 Reunion】
監督:デボラ・レイニッシュ 出演:ターバン・ベイ ほか
ますますハマるこの危険な世界。今日初めて知ったけど監修がXファイルと同じ人物。
サマンサって姉と妹の名前が同じなのも偶然じゃなかったわけだ。
こんなタイプの違う超面白いドラマを2つも生み出しちゃうなんてビックリ。
このシリーズも続いて欲しいけど、父娘が再会したら話が完結しちゃうものね。
VR7は自然の中を猛スピードで飛ぶ、私が苦手な映像。


【eps2 Parallel Lives】
監督:マイケル・キャトルマン
ヤラレた こんなにどんでん返しにハマったのって初めて。もうついていけないよ。ダンカンと同じ、翻弄されるのがオチ。
このままじゃビデオを通して、こっちまでVRの迷路に入って出られなくなりそう!
この続きはいつ出るわけ? 『キングダム』の2巻以降や、Xファイルのシーズン3や
シリーズが寸断して先が分からないのが手一杯になっちゃう! 完璧なパニック状態。
VRは仕掛け方によっては人命を救うこともできれば、地獄に落とすこともできる。本当に危険な発明。
もう脳がパンク寸前。こんなにすぐ騙されるほど脳って電波に弱いの?
サマンサって『ツインピークス』のヒロインに似てる。
記憶を操作し、別のと取り替えたり、消したり、SFだけどこれは現実になり得るかも。
アブダクト以上に怖い。もっと情報が必要。

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notes and movies(1996.10~ part4)

2013-08-09 17:06:53 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『中島みゆき/夜会 VOL.3 KAN・TAN』(1992)

スゴイのひと言。みゆきの歌はドラマだとは常々感じていたけど、これほどまで演劇的にマッチするとは、たいした役者だね。
とくに老婆の死の瞬間なんか迫真に満ちてて、始終目が離せない凝りまくった演出。
プロデュースはみゆき自身。きっと歌を書く時はこんな世界が頭の中でいつも描かれているんだね。
このシリーズぜひほかの作品も気になるところ。
27曲中初聴きもあるので、分かるものだけメモ。あとで調べよう。

♪トーキョー迷子(いい曲、覚えたい)、♪タクシー・ドライバー(懐かしい。『不思議の国のアリス』か。赤チェックのスカートが可愛い。
その次は長い髪がキレイ。♪ひとり上手 をこぶし入れまくりで歌う
そして長手袋を外して一転♪さよならの鐘(映画っぽい撮り方がカッコイイ)、次は寝起きパジャマ、
次は美空ひばりさんのファイナルコンサートって感じの羽飾りに赤いドレス。
これで♪黄色い犬 をよがりながら歌う珍しく?!セクシーなシーン、突然老婆になって♪傾斜、
ロウソクの火の間をのたうちまわり、叫びとともに真暗闇。赤ん坊の泣き声が響く。輪廻転生したのかな?
♪I love him 愛されるだけが幸せというのは子どもの頃の夢。返される愛はなくても・・・

感動のフィナーレ。そして正装して挨拶。観客がいたんだ。とっても静かだったからいないのかと思っちゃった。
客席にも雪が降る、けど冷たく寂しいより温かさが残るラスト。
この時期にピッタリの夜会でした。ドラマの主題歌はじめ、また若いファン層も飲み込んで、どんどんふくらんでいくみゆきワールド。
サザン、ユーミンらとともに日本を背負ってたつ音楽会の巨匠って感じ。またCD聴きたい。
ほか注目のナンバーは、♪LA LA LA 、♪サーチライト、♪僕は青い鳥、♪ロンリーカナリア、
♪二隻の舟、♪殺してしまおう、♪萩野原、♪BGM、♪シュガー、♪雪


『ハンテッド』(1995)
監督:J・F・ロートン 出演:クリストファー・ランバート、ジョン・ローン、夏木マリ、岡田真澄、ジョアン・チェン  ほか
いつも外国監督が日本を描いた映画にはいいようのない恥ずかしい思いがするのはなぜか?
『ブラック・レイン』も高倉健ほか豪華キャストにも関わらず、相変わらず芸者遊びに寿司等の基本用語解説的だったし、
今作もマイクロチップ時代に忍者・・・わざとギャップを利用しているんだろうけど、やっぱりなんか時空のズレを感じる。
J.ローンの元気な姿を観れるのが唯一のポイント。
悪役アジア系が続いているようで、チェンとは『ラストエンペラー』以来の共演。
ドキッとするセミヌードシーンもあり。なんか違った役でも見たいな。

第1のズレ:日本のホテルのバーで真っ赤なスケスケドレス着ている女はいない。
第2のズレ:公園で太鼓を観る。
第3のズレ:岡田さんの濃さは日系じゃないよね。しかも暗号名が「あけぼの」「わかたか」。
第4のズレ:酔っ払いの刀造りから3週間剣術を習っただけでもうベテランと戦えるまでになってる。
第5のズレ:相手の雑魚を大勢殺すシーンは思いっきり吹き替え。ローンもけっこう日本語上手いんだけど。
第6のズレ:なんだか単に大人の殴り合いのケンカっぽくなっちゃう。
ただのアメリカ人ビジネスマンにヤラれるのは傷を負って不利だとはいえ変。
第7のズレ:ジョアンが殺された理由は、平凡中の平凡。男から逃げたため、愛人を殺すのにわざわざ忍者を呼ぶか?
ラストは刀造りの中途半端な笑いでストップモーションがかかる水戸黄門シリーズを思わせるエンディング。

外国映画を観て、外国人は「こりゃないだろ」って思うことはないのかな?
今作は日本の生活のシミュレーション体験ができる部分もあるけど、
まだまだ'95といえども外国人の眼には“フシギの国ニッポン”て映るんだろうね。
ランバートも相変わらず寄り目がちでハンサムな魅力を発揮している。


『欲望という名の電車』(1995)

監督:グレン・ジョーダン 出演:ジェシカ・ラング、アレック・ボールドウィン、ダイアン・レイン ほか
久々見応えある文芸作。ほとんどジェシカの迫真に満ちた独り舞台で、脇を固める役者がそろい、原作を丁寧に映画化。
ヴィヴィアン・リーの初作を観たのは随分前で、あまりブランチの過去の描写はなかった気がするが、
今作では上流階級の女が堕落するまで2時間一気に観客をとらえて離さない。

数ある見せ場の中でも、若くして結婚した白馬の王子がゲイで、
しかも突然銃で頭を吹き飛ばして自殺したのを見た過去を語るシーンは圧巻。
銃声にその時流れていた音楽が悪夢のようによみがえる。

「死の反対は欲望、そうでしょ?」

暗示的な花売りの老婆が死神の使いのようだ。
今じゃ少しはマシになったろうけど、昔、精神病院に入れられることは恥辱そのもので、人間以下の扱いだったろうね。
ラストはまるで生きながら棺に入っていくよう。
少女時代に何不自由なく育ったのが現実生活では、まるで傷つくだけの存在にしてしまったのだろう。
「見た目の美しさはうつろいやすもの。教養は年ごとに輝く」
「また暗闇に戻った。照らすのはキッチンのロウソクのみ」
原作をじっくり読みたくなる逸品。いつもながらジョン・グッドマンの熱演は特筆に価する。


『夜会 VOL4 金環蝕』(1993)

監督:根岸吉太郎 出演:中島みゆき ほか
【収録曲】
♪C.Q.、♪砂の船、♪ほうせんか、♪歌をあなたに、♪エレーン、♪遠雷、♪冬を待つ季節、♪世迷い言
♪熱病、♪最悪、♪真直ぐな線、♪やまねこ、♪新曽根崎心中、♪EAST ASIA、♪二隻の舟、♪DIAMOND CAGE、♪泣かないでアマテラス

この夜会シリーズは毎年暮れに行われるみゆきのその年の総まとめのライフワークなんだね。
今年も凝りまくり日食によって起こる光の輪、説明では珍しくない現象だけど、最長17分でそれより長いものは158年後にしかないらしい。
「'93にも日本で見られる」て見たっけか?
その日食の夜に死んだ太古の日本“倭の国”の卑弥呼と現代の天文学者が結ばれる感動とファンタジーの世界。
ツートトツートトの無線音で始まる。昔ウチでもこの音は馴染みだったから懐かしい。
一面プラネタリウムといった感じの中にレトロで大きな望遠鏡のある絵は美しいのひと言。
今作はコーラスガール2人の出番が多い。レパートリー4曲丸々歌うし、寸劇までやってる。

♪EAST ASIA の盛り上がり方はすごい。みゆきさんはとっても美しい。モテるんじゃないかな?
♪泣かないでアマテラス は、今作のために書き下ろした曲らしい。メンバの紹介もシュール。
ロケ地でのフィルムと合わせて壮大な日本絵巻となっている。
日本にもこんなステキな歴史的ヒロインがいるのね。誰か映画化してくれないかな?


『蒼い記憶』(1995)
監督:スティーブン・ソダーバーグ 出演:ピーター・ギャラガー ほか
案外シンプルなストーリー。邦題といい、ジャケットの雰囲気や、深層心理って言葉に、
もうちょっとヒネった展開を期待してた。ま、どんでん返し続きではあるけど。
ギャンブルをやめられない人の狂気の描き方はリアルでゾッとさせる。
前ヒット作と同様、ギャラガーを起用。サンプラスに似てるんだよね。
描いたような眉毛が印象的な完璧美形。緑や青シートを貼ったような色の使い分けは面白い。

宝くじに、フットボール、当たる時もあるけど、外れることのほうがよっぽど多い賭け事。
それにハマるのって病気に近いね。結婚したら苦労は目に見えてる。
アルコール中毒やドラッグ中毒と同じ。妙に親密な母親役がとってもあやしかったから
親子関係に重大な秘密でもあったらもっと面白かったかも。どのキャラクターも怪しいけど。
トミー役の俳優の危険度も高い。緊張感がピリリと効いた作品。ヒロインも美人。


『夜会』(1990)
出演:中島みゆき ほか
【収録曲】
♪二隻の船、♪彼女によろしく、♪ミルク32、♪流浪の詩、♪窓ガラス、♪うそつきが好きよ
♪元気ですか、♪クレンジングクリーム、♪月の赤ん坊、♪断崖 親愛なる者へ
♪孤独の肖像、♪強がりはよせヨ、♪北の国の習い、♪ショウ・タイム、♪Maybe、♪ふたりは

これが初回? 副題もついてないし。セットがまだシンプルで、構成もしかり。
コンサートと舞台のあいのこって感じ。みゆきがセリフを言う、このスタートから始まって、
この間の卑弥呼や、最新版は二重人格らしいけど、テーマをもって、大掛かりになり、
みゆき自身もフリを覚えたりして努力してるのが段階を追って分かる貴重な記録。

カチっとした黒いパンツスーツでヘッドフォンをつけた♪ショウ・タイム はカッコイイ。
客の拍手もちゃんと入ってるし、帰る静かな姿も丁寧に撮ってある。
アルフィが3人生ギターで歌ってたのをヒントにした♪窓ガラス でのギター弾き語りも披露。
最初はこーゆーフォークソングだったんだもんね。
それがヴィジュアルの工夫を重ねて、新たな一歩を踏み出してから、毎年どんどん進化してゆく、それはとどまることを知らない。
まだまだ未開発の余力を残していると期待させるみゆきのステージパフォーマンス、次回作も楽しみに待ちたい。


『THE CREAM OF ERIC CLAPTON』
出演:THE YARDBIRDS, THE CREAM ほか
【収録曲】
♪LOUISE、♪CROSSROADS、♪I FEEL FREE、♪SUNSHINE ON YOUR LOVE、♪STRANGE BREW、♪WHITE ROOM
♪BADGE、♪WORRIED LIFE BLUES、♪LAYLA、♪KNOCKING ON HEAVEN'S DOOR、♪COCAINE、♪I SHOT THE SHERIFF
♪WONDERFUL TONIGHT、♪FOREVERMAN、♪TEARING US APART、♪BEHIND THE MASK AND HOLLY MOTHER

【内容抜粋メモ】
THE YARDBIRDS:
思いっきりブラックを意識した曲作り。モノクロ。髪も短くて若い!

THE CREAM:
サイケロック。彼が尊敬しているジミヘンに近い音。淡々としたボーカルは今と同じ。すごい速弾きのソロ。

♪I FEEL FREE
クリクリパーマにしちゃって、派手な服なんだろうけど、まだモノクロ。どうやら口パク。皆やりにくそう。
ファンがイッちゃってる。目を髪で隠して本人はいたってクールに弾いている。
リードボーカルのギターにはマスコットがブラブラ。

♪WHITE ROOM
グレーのTシャツがシンプル。髪はスティーブ・ビショップ風。世のギター愛好者の夢なんだろうね。

♪レイラ
うって変わって野外スタジアム。満席は圧倒。このドラムスのノリがイイ。
スタジアムにデカいモニター! 後ろなんて見えないもんね。

♪Knocking on Heaven's Door
レゲエver。美女2人コーラスに囲まれてる。この歌は誰が歌っても名曲。

♪Cocaine

♪I shot the Sherif
明るいアレンジ。椰子の木バックに南国風。いかついブラックベースプレイヤーがイイ。

♪Tearing us part
ティナ・ターナーと共演! 彼女は時の流れを知らないね。

♪?
このメロディ思いっきりYMOだ! クラプトンにプレイされるなんてスゴイ!
歌詞まで英語で。このアレンジはイイ! サイコーな盛り上がりのライヴ。

これ1本で大体の彼の歩みが読める。偉大なギタリスト、そしてシンガーソングライターとして
同業者からも、バンドメンバからも一歩置かれているのが周囲の尊敬のまなざしからよく分かる。
今まで敢えて避けてきてたギタリスト部門だけど、クラプトンなら聴きやすそう。
アルバムの数にしてもダントツ多いからね。どれから手をつけていいかわかんない。
まずは予備知識にビデオから。20年、30年にわたって、そしてこれからも第一線で活躍する、まさにグレイトアーティストの一人。


『ソフィ・マルソーの三銃士』(1994)
監督:ベルトラン・タヴェルニエ 出演:ソフィ・マルソー、フィリップ・ノワレ ほか
日本のチャンバラや時代劇と同じだね。ソフィが美しいだけでなく剣で闘える強いヒロインなのがカッコイイ。
事前に「三銃士」を読んでたら、それぞれ個性あるキャラクターのその後を見る楽しさも加わるだろう。完全娯楽作品。
階段やベランダ、屋上と場所を移動しながら見事な立ち回りはクライマックスの見せ場で迫力充分!
フランス映画の死に方はあくまでも叙情的。敵も倒してめでたし、めでたし・・・ってこれ革命前の話だよね?
貴族や王室が安泰でも市民が貧しいままじゃ、あんまりハッピーエンドとは言えないな。

ラストは登場人物による自己紹介に挨拶と舞台っぽい。
あくまでチャンバラアクションが見所でソフィのロマンスシーンはちょっとだけ。
今じゃ当たり前の女性のパンツ姿が昔はとんでもないことだったのね。
大きな白襟にロングブーツ、豊かな長い髪、中世劇にもピタっとハマるソフィの稀なる美しさ。
ロケ地がどこか入り組んだ細い路地、階段の多いレンガ造り、
ファッションも背景もタイムトリップしたような世界がもう1つの見せどころ。


『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1976)
監督・脚本・音楽:セルジュ・ゲンズブール 出演:ジェーン・バーキン、ジェラール・ドパルデュー、ミッシェル・ブラン ほか
こりゃ完璧に日活ポルノ系のノリでしょう。予告編もそうだし。夫婦になる前かわかんないけど、
妻を同性愛者との過激シーンに出そうって感覚は理解し難い。
無限の神秘な美しき妖精バーキンだから可能ってこともあるけど。
相手役はアンディとファクトリー仲間も映画に誘うこと確実の美形。素朴な音楽が手づくり感覚な'70の雰囲気出してる。
クシャクシャの短い髪にあっさりしたタンクトップ+ジーンズのジェーンにはゲイも見とれるよなあ!

ドパルデューもいろいろやってるねえ。ついていけないブッ飛びようw
裸のまま「本気じゃなかったの」とよろめき出て、そのままコテッとその場に倒れた絵になるラスト。
なんだか「パタリロ」のバンコランとマライヒの修羅場を思い出しちゃった。
今となってはエイズが猛威をふるって、とてもこーゆーストレートなゲイ描写は描けない。
でもたくさんの愛の形があるし、仏映はそれを描き続けるのは間違いない。これからも究めてちょーだいな。


『鯨の中のジョナ』(1993)

原作:"Childhood"by Jona Oberski 監督:ロバート・ファエンツァ
出演:ジャン・ユーグ・アングラード、ジュリエット・オーブリー ほか
私たちにはいつまでも忘れてはならない悲痛な歴史があり、後世に残さなければならない義務がある。
ドイツだけでなく、英・米・ロ、もちろん日本もそれぞれ思い出したくないが
実際起こったとも信じがたい悲痛な歴史が。
今作はそんな第1の犠牲者、無垢な少年の目から見た証言のひとつ。
世界中には無数の証言と悲惨なドラマがあることだろう。

国境の戦いとはなんとバカバカしく空虚なものか!
「誰も恨んではいけない。いつも悲しい時も空を見て明るく生きるのよ」
彼は科学者となり、今もアムステルダムにいるそうだ。
こうして辛い過去を思い出し、公表するには勇気とよほどの決心が必要だったと思う。
ヒトの中に存在する善と悪。使い方によって悪魔にも天使にもなれることを痛感させられる名作。

コメント

notes and movies(1996.10~ part5)

2013-08-09 17:06:52 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで、このノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ザ・ブロンド』(1993)
監督:セルジオ・ルビーニ 出演:ナスターシャ・キンスキー ほか
なんとも暗いラスト。「悪銭身につかず」って教訓に基づいたのか、コカイン取引で儲けた大金と
ロマンスまでうまくいったらイタリアにはびこる犯罪を促進させちゃうものね。
早くから映画界で注目されたキンスキーは、まだまだ女の盛りの35。
ますます美しく、彼女がいるだけで華、美術、映画となる。生まれのドイツだけでなくハリウッドもOK。
イタリア語もフランス語もOKだから、活動の幅も広がるワケだ。

足の不自由な青年の心理描写、ラストのカーアクションの盛り上げ方がイイ。
いつまでも足をひきずり捜し歩く長いシーンは哀しい。
男の哀願に負けて女の切符の行き先を教える係員の女の同情のまなざしや、
わざわざデカイ声を上げて席を譲るオヤジにパニックになるシーンなど
不自由な者のコンプレックス描写が細かい。
イタリア映画ってなぜかみな吹き替えみたくセリフと口が微妙にズレてる気がする。
お気楽極楽セクシー系の多いイタリア映画でも哀愁アクションとでもいおうか。


『A film of Nakajima Miyuki』(1991)
出演:中島みゆき ほか
プロモーションビデオか、曲の映画化といったほうがイイかも。
たしかこのNYロケの話は、ラジオで言ってた気がする。
いろんなエピソードが生まれたんだろうなと思わせる凝った映像、コラージュ的構成。
歌詞に合わせてるところはカラオケビデオっぽいけど、こうして歌の映像化にハマっていったワケだね。

【曲の内容】
♪トーキョー迷子
この歌覚えたい。これって日本? エキストラでない一般人と撮ったのかな?
そしたら、こんな色白で長身のイイ女、振り返ってもよさそう。

♪夜を往け
みゆきは首に皮の首輪を着けて網の中でほえている。2人のツーリング男が渋くワイルドにキメながら夜を走り抜けてゆく。
こうしてみるとツーリングってスポーツもなかなか面白そうなどと思ってしまう。

♪見返り美人
アルバムとかなり違ったヴァージョン。なんとフラれた相手はフランス人っぽい外人さん! ディスコで流し目使ってるし。

♪黄砂に吹かれて
本人ヴァージョンはやっぱ違う。絵になるねぇ、素朴な日本人系の顔した家族、夫婦らのスナップがイイ味出してる。
この何にもないところで撮影ってのも大変そう。

♪おだやかな時代
そしてラストのクライマックスはダイナミックな黒人コーラスの皆様による大合唱。
ゴスペルの雰囲気をもった幻の名曲と言われる今作。
みゆきの絵コンテで舞台(屋根裏?)が整い、ライトのごとく窓から日が差し、
皆床で足を鳴らし、手を叩いて、肉声の迫力、ライブの力強さがそのまま伝わる。
こうしてレコーディングしたのかな? メイキングビデオってのも見てみたい。
それぞれ自然の描写も美しく、曲のイメージをもっとふくらませる。


『Alive From Planet Earth / Lenny Kravitz』(1994)
【収録曲】
♪Are you gonna go my way、♪Freedom Train、♪Always on the run、♪Spinning Around over you、
♪Is there any love in your heart、♪Sister、♪Let love Rule

友だちが「今まで観た中で1番良かった」とのお墨付き。プリンス系列に入らなくもないノリだもんね。
オーストラリア、ロンドンなんかを回ったツアーの模様がライヴプレイと一緒に撮られてて、初心者に都合良し。

インタビューではありがちな質問をしてくる「朝食は何を食べた?」とか。
レコード店ではあやしい店員が「カメラはダメ!」とあやしい態度。
本人が自分の知らない海賊版発見。勝手なタイトルでサウンドチェックのまで流出。
「テレビオタク」だったらしいレニーのTV出演は仕方なく口パク。これもよくある話。
街中をイカついボディガードと歩いたり、ハーレー?を乗り回したり、あのドレッドヘアだもの目につかずにはいられない。

スタジオ風景では、少女と犬が遊びにきたりするほのぼのシーン。
一面の海、質素な小屋、自由にイメージをふくらませての曲作り。
ドラム、ギター、ピアノもなんでもありのマルチ才能を持っているらしい。ファンサービスシーンもあり。
サイン攻め、地元の女の子にモテまくりだし、カリスマ性もあり、セックスシンボルでもあるしね。

ラストではみんなで歌ってよとせがむが、客はレニーが客席に降りてきて我忘れてる。
あのドレッドヘアはスゴイ! 手入れはどーすんの?と思ったら石鹸水をかぶって絞るというシンプルさ。
ホーンの2人はイイ音を出す渋い黒人のおじさん。
なんといってもドラムの女性がカッコイイ。細い体でものすごい力強いリズムを打ってる!
ステージはライトだけで仕掛けはないけど、レニーのスタイルとバンドで視覚効果はバッチリ。
シルバーのタイトなパンツ、心なしか客も可愛い女の子が多い気がする。オシャレなんだよね。


『eric clapton unplugged』(1992)

【収録曲】
♪Signe、♪Before you accuse me、♪Hey Hey、♪Tears in Heaven、♪Lonely Stranger、♪Nobody knows you when you're down & out、
♪Layla、♪Running on Faith、♪Walking Blues、♪Alberta、♪San Francisco Bay Blues、♪Malted Milk、♪Old Love、♪Rollin' & Tumblin'

渋い イイ スペシャルナイトだね、このリラックスムードで煙草の煙たちこめる雰囲気は、
屋根裏部屋か地下室のライヴハイスって感じで、お気に入りのブルースを存分に楽しんで弾いて、歌うクラプトンとメンバーがいる。
ライブにかかせない♪レイラ もすっかり渋いブルースナンバーにアレンジされてるし、
ボトルネックを披露したり、次々と運ばれるタイプの違うギターはコースメニューのよう。
前菜、副菜、メイン、デザートまできっちりそろった豪華メニュー
メンバーも渋い。海坊主か修道僧のようなあやしい身なりのパーカスや、キュートなドラマーとベースがブラック、
客層も同年代がほとんどだから落ち着いた雰囲気。

ギンガムチェックのグレーのシャツに、あせた紺のシャツ。あごヒゲに眼鏡というシンプル&ナチュラルなファッション。
いるだけで絵になるこの歳のとりかたはステキ。名声、キャリアともに確立し、常に時代に合った
あくまで自然で偉大なアーティスト。すでに殿堂入りのこのビッグスターと同時代に生まれて幸せだ。

途中ボトルネックを外し忘れて「I know, I know」とおどけて見せたり、タンバリンの回しうちで
盛り上がるバックに笑顔で応えたり、始終生の表情が楽しめるのもMTVのクリアなカメラとシンプルなセッティングのおかげ。
ノってきて次第に紅潮する頬、熱気までがこちらまで伝わってくる。

巨大ホール、ステージ、増幅された音に慣れてしまうと、微妙な音まで拾われるアコースティックライヴは
なかなか勝手が違ってくるんじゃないかと想像させるけど、そこはさすが、本人が一番楽しんでるみたい。
思わず力の入るボーカルにも繊細さやブルース色が濃く、改めて歌もイケると実感。
尊敬するブルースシンガーソングライターらの曲もたくさん織り交ぜて、現代人の耳に伝えてゆく伝道師となってる。

アンプラグドが一気に他のアーティストに波紋を広げたのもエリックが最初かな? ディランもやったもんね。


『PRINCE The Hit Collection』(1993)
【収録曲】
♪Peach
メロディ、リズムに目新しいものはないけど、力の抜けた元プリンスって感じ。
プリプリピーチなモデルが出てて、ヴィジュアルのカッコよさは感心しちゃう。ギターの踊り弾き?!

♪Uptown
うわ、これはマイケルの変貌と共通点あり。信じられないハイトーンで歌ってる。
手術中のドクターみたいなマスクしたキーボードプレイヤーは怪しい。

♪1999
これ見たな。『パープル・レイン』の頃だよね。ワルっぽい女の子2人のコーラス。

♪Alphabet St.
ワオ!ポップなアルファベットワールドでとびきりセクシーなパフォーマンスしてる。
とくに頬のホクロにつぶらな瞳、完璧モデル系の妖しい美しさが魅力。

♪Sign "o" the Times
こちらは歌詞がウォーホル風に現れる。とってもタイトな作り。本人は出てない。

♪Diamonds and Perls
これも最近か? 神殿でピアノを弾く。タイトパンツ+胸あきシャツが好きなのね。
ごっついドラマーや、女性キーボードはずっと変わってない。
子どもとのリラックスムードなんて落ち着いたもの。宝石も似合う男。

♪Controversy
『スリラー』みたいなメイク、変わったファッション。

♪Dirty Mind
フレディより激しい。この音作り、ディーヴォ入ってる? やっぱり女性ファンが圧倒的。

♪I wanna be your lover
茶のふわふわヘア+ハイトーン。

♪Little Red Corvette
今度はブルーのピカピカ。ダンスもイケる。やっぱレニー・クラヴィッツと似てる。

♪I would die for U
ラテン系のアレンジ。鳥みたいなコスチューム。あれシーラE? 海賊みたいな目を隠してる。ファンもセクシー系。

♪Rasberry Beret
青空に雲の衣装。 咳込みまで音楽にしちゃうw
バンドメンバも凝った衣装。アーティスティックなアニメの合成、ダンサーとの息もピッタリ。

♪Kiss
このクリップも弾けててステキ。謎の黒ヴェールの美女と半裸のプリンスのダンスパフォーマンス。
ギタリストはボーイッシュな女性。キッチュなナンバー。

♪CREAM
空港のシーンから映画風。赤いスーツで颯爽と登場。彼の周りはいつもこんなモデル系なのか?
よくぞこれほど容姿申し分なし、しかも踊れる女の子を見つけたね。水着でそろって踊るシーンは壮観。マドンナといい勝負。

♪7
独創的なマスクに、同じくあみあみな衣装はスパイダーマン。これまたセクシーでビューティフルな子どもたちも同じあみあみ。

やっぱMTV世代はスゴイね。ちゃんとビデオクリップ専門プロスタッフがいて、
3分間の音と映像のマジカルワールドを創り上げちゃう。当のアーティストもTV世代だから
ちゃんとストップモーションでキメのポーズが分かってる。
それにあくまでオシャレなプリンスだから凝らないワケはない。
この世の者とは思えない美しさをあますところなく披露してくれる。
あの腰の曲線美なんてなかなかないよ。プリンスはまだまだピリピリ張り詰めた弦のようです。
このムーブも一段落して、彼はこれからどんな方向へ行くのかな。
こんなに私生活が見えない人もすごい。生まれながらのミラクルスター、現代のマーク・ボランってところ。
ライブのアレンジがイイし、ノリまくりで、今度ライヴ版を借りてみたい。


『STING TEN SUMMONER'S TALES』(1993)

一方こちらは農村。コテッジでのレコーディング風景。
1.んーこれがスティング・サウンドだ。途中から突然ジャズ風にくずされるのが異常にカッコイイ。皆1テイクで完璧なチームワーク。

2.ブレイク入れて、今度はワイルドなノリ。突然ギターが倒れてボワワン! 思わずあっちゃあ~て表情が広がる
この変則リズムもかっちょいい。スティングってリフレインも好きだけど、こーゆーのよくとり入れるようになった。

3.白黒ブチ犬との散歩。何をしても絵になる。シンプルな黒シャツ。オシャレセンスの持ち主なんだよね。
静かなバラッド。彼も歳とらないね。スリムボディもまんまで不思議。1時間ごとに1曲録っちゃうってスゴイハイペースじゃない?

4.ブラックのキーボード、若いギタリスト、白人ドラマーの4人のみ、シンプル編成。窓の外の景色といい環境。

5.うってかわって激しいビートでノリノリ。お経のごとくたたみかけるラヴソング。一応ベテランも楽譜を見ながら。

6.牛飼いになった? セーター着ちゃってすっかりイギリス労働階級。俳優もイケるんだよね。
これも妙なリズム。1週間について歌ってるタイトでキレイなメロディ。

7.「君は独りじゃない。1人になんかなれないのさ」と豪快に笑うオヤジが急に登場。
暖炉の炎だけが赤い、陰の中でのプレイ。セクシーなナンバー。黒猫。キーボードの乱れ弾き。
ここまでカメラの前の一発テイクで完璧な音が出せるってどーゆーこと!? このコンセプトはスゴイかも知れない。

8.窓の外は夜。こうやって時間に合わせて自然のリズムで録ったら気分も出るだろうね。
ブルーズィなナンバー。トップの座を守りつつ、新曲を出し続けるクリエイトのパワーには恐れ入る。
このカメラさんも雑音たてないのは気を遣ったろうね。

9.もう2am。働きすぎじゃない? 再びゆったりとしたバラード。音楽業界に夜昼なしってか?
心なしか皆元気なくなってる。ギタリストのバッキングボーカルもイイね。ブルースハープが入る。
ふつーの家の中でもこれだけ効果的な音が録れるんだね。モノトーンにおさえた絵がシック。

10.4am。徹夜で録っちゃおうってわけ? ミュージックヴィデオの24時間録り。短期集中型なのかな、いつも。

11.犬の声で起きたやっと朝8am。目覚めて元気回復って爽やかさ。実は全然誰も寝てなかったりして。
妙なハイ状態で、わんちゃんが演奏中にお邪魔。そのまま解散ってシンプルで渋いラスト。
締めは、ラップ風。途中でやめちゃったけど。

アーティストの個性によってこんなにMVのスタイルも変わるものなんだね。
レトロっぽくて懐かしい感じのジャケット通りに、このアルバムは穏やかな自然の中で生み出されて
カメラにまでおさめられて、一石二鳥ってところ。
コンスタントにアルバムを生み出し続けるスティングの底力を見た。メンバも選りすぐりのプロフェッショナルばかり。
1時間弱の中に詰め込まれた内容はとっても濃密だった。
やっぱり土曜の1日目、元気な午前中のナンバーがとってもブレイクしてて、いいノリで超カッコいい。
あのボワワンって音は取り消したのかな? あれはあれでイイ効果音ともいえるけど


『ニック・オブ・タイム』(1995)

監督:ジョン・バダム 出演:ジョニー・デップ、クリストファー・ウォーケン ほか
おもしろい! 今ノリまくりのデップと、負けないくらいキレまくりのウォーケン、若手とベテランの闘い
これほど時の進むのが恐ろしく、早く感じられる話はない
巻き込まれた平凡ビジネスマンの焦燥感と、娘への愛がひしひし伝わる。
映像のシャープさ、テンポの良さ、終わりまで分からない展開は見事

最初の時計内部のゼンマイやらと銃がシンクロし、教会の美しい時計に移るシーンから凝ってる。
ウォーケンに首を絞められ朦朧としている間、彼を撃ち、逃げ、結局、噴水まで長い長~い距離を落下する、
スタントなしのロープ吊りで合成した、かなり苦労したらしいシーンにも注目。
とにかく電話をかけようにも、裏口からバンに向かい女を撃とうにも、子どもに銃口が向けられ、
にっちもさっちもいかないプロの完璧さになんとかは向かう男に思わず「ガンバレ!」と声をかけたくなる。

また狙われるのが女性政治家なのも現代っぽくて、ただ信用できるのがホテル従業員、労働者階級の主に黒人という設定も意味あり気。
デップがいつもの濃いめの個性をおさえた演技でクチャクチャの髪と、汗びっしょりの顔で絶体絶命に陥った男を見事に体現。
ウォーケンファンとしては最近なぜか1作ごとに並外れたテンションの高さを見せてビックリ!
デ・ニーロ、J.ニコルソンら同様、真の役者は歳をとらないってわけ。


『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996)

監督:ロバート・ロドリゲス 出演:ジョージ・クルーニー、クエンティン・タランティーノ ほか
この“吸血鬼”ってキャラクターは、いろいろ使えて飽きがこない。
他に最新作はE.マーフィに、あのM.ブルックス監督のコメディ、L.ニールセンが演るって聞いただけで爆笑!
とにかく万能殺人武器の銃、ナイフで死なないところがイイ。日差しに信仰ってゆう弱みがちゃんとあるのも嬉しい。
はじめアクション→後半ホラー+スプラッターって組み合わせパターンは初めて。ところどころ凝った撮り方がイイ。
♪ダーク・ナイト って渋いブルース調からバディ・ガイ、ZZ TOPのハードロックまで音もピッタリ。
悪の巣窟の店名を使ったタイトルもイカす。こーゆータランティーノ的作品にJ.ルイスみたいな女優は必須。
ハーベイ・カイテルがまた違った役柄でベテランの味で引き締めている。

タランティーノ系の映画は暴力を奨励してるって感じ。ハードロックも攻撃性を触発するし。
銃がカッコいいおもちゃで、人命をBANG!で終わらせジョークを言う。
劇画タッチだけどお気楽極楽。勧善懲悪の定義もなし。
映像のシャープさが面白くさせてるけど、これってヤバいんじゃない?
まあ、考えてみれば戦争映画、ウエスタン、SFも大量虐殺を奨励してきたのか。
堅いことを言わなきゃ、セリフがくどくて陳腐な部分があるのを除けば、テンポといい、絵といい、完全娯楽作品。


『FRENZY』(1972)
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:ジョン・フィンチ、バリー・フォスター ほか
タイトルは、興奮、逆上、熱狂の意。性犯罪をストレートかつ心理描写も見事なヒッチコック作品。
彼好みの金髪クールヒロインを使ってないのは汚れ役、ヌードが多いせい?
犯罪者は見たところフツーの青年が多いという犯罪心理学に忠実に沿っている。

秘書が死体を発見するシーンを通りに悲鳴が響くことで表したり、
ロングショットで通りの雑踏まで引き伸ばしたり、
裁判の様子が気になってガードマンが戸を開け閉めして私たちをイラつかせたり、
ヒッチコックの細かい技がいろいろある。今作に本人は出てるのかな?
暴力による離婚や、パブの店主に嫌われてたりと、すべて不利な証拠ばかりで、本人が思っている以上に運のない主人公。
警部の奥さんに感謝しなきゃ。あやしい料理を食べてても・・・


『超能力者 ユリ・ゲラー』(1996)
監督:ケン・ラッセル 出演:イシカイ・ゴラン、デルフィン・フォレスト、テレンス・スタンプ ほか
音楽:♪Rocket Man/Elton John
映像美を追求し続けるラッセル最新作は世界で有名なユリ・ゲラー。日本でもスプーン曲げは流行ったね。
クリアな宇宙の絵、ダリの溶ける時計を思わせるセット、始まり方からしてハイセンスでハイテンポなラッセルワールド。

ユリが使う力はすごいのにアッサリとジョークにしちゃう。それを見るほうもTV世代だからアニメ感覚。
でもテレポーテーションやテレパシーが好きに使える、唯物思考もなく、軍備もない理想郷。みんなが望めば確かにそうなるかも。
自分のことを占えない占い師なんかよりずっと幸せになれそう。

ラストは一緒に時計を治して、世界平和を願うパワーを送る映像もあって、思わず参加しちゃった。信じれば何事も成せる!
デスマスクから涙が出たり、犬が瞬間移動したり、猫に変わったり、何でも思いのまま。
しかも、それによって疲れて消耗したり、命を短くすることもないワケ?
目に見えるものは不変じゃないのね。とすると、その力が皆にあるって、人はそこまで進化したかしら?
それとも自然そのものの不思議パワーのおかげかな。
個人の欲を持っているかぎり、まだ戦争や殺人事件なんか終わりそうもないね。



【読書感想メモ】
「ロビンソン・クルーソー」ダニエル・デフォー著
「海底二万海里」ジュール・ヴェルヌ著(いまでも大好き!
「宝島」ロバート・ルイス・スティーヴンソン
「ガリバー旅行記」ジョナサン・スウィフト著
「イースト・オブ・ザ・ムーン」テリー・ジョーンズ著
「テリー・ジョーンズ童話集」テリー・ジョーンズ著
「ほらふき男爵の冒険」Peter Nickl著


【イベントメモ】
●「ニュー・ロイヤル・バレエ・オブ・ヨーク日本公演」@東京厚生年金会館ホール
●東京ディズニーランド初体験
●鴨川シーワールド、行川アイランド
●シンガポール 1996.11.28-12.1

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真心ブラザーズ@僕らの音楽 ほか

2013-08-09 08:57:51 | 日記
最近の気になるトピックス。

真心ブラザーズ@僕らの音楽

 

ドラマ?の主題歌に真心の♪サマーヌード が選ばれて、OKAMOTO'Sのアレンジで♪SUMMER NUDE '13 として生まれ変わったv
ヨーキンさんいわく「OKAMOTO'Sと山下智久の2ショットはイイけど、オレとの2ショットは痛かった」って珍しく?否定してたw


朝日新聞デジタルでぬーぴー読めるv
「スヌーピー展」開催を記念して、朝日新聞で「ピーナッツ」の連載が決定!!
8月13日~10月18日、火曜と金曜の全20回、朝日新聞デジタルまたは朝日新聞夕刊で読めます。
原画が展示される作品を含んだ、かわいい、楽しい、おもしろいエピソードが登場します!お楽しみに♪ とのことv


東京タワーの蝋人形館9月1日で閉館
うーん残念。ザッパとかいたよね、たしか。オーナーさんのご趣味とか。
音楽人だけじゃなく、タッソーさんの原点でもある残酷な処刑、拷問シーンもある。
閉館後もなにかの形で展示して欲しい!


「ハーメルン」の予告編が公開
西島秀俊さん出演、栗コーダーカルテットが音楽担当
9月7日から全国ユーロスペースにて。オフィはこちら→here


キラキラ橘商店街@あさイチ
「ハト屋パン店」:父の手づくりのガス釜で焼いた昔ながらのコッペパン美味しそう


アメリカでの捨て犬の保護活動映像
盲目でノミだらけになってた捨て犬を保護し、治療して、全盲から奇跡的に見えるようになるまで。
こんな素晴らしい活動をされてる人たちがいるんだなあ!
日本でも殺される動物が一頭でも救われますように


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『おとなのひとにいってほしかった24のこと』(祥伝社)

2013-08-09 08:43:09 | 
『おとなのひとにいってほしかった24のこと』(祥伝社)
ヨゼフ・パイオン/著 多田文子/訳 上野紀子/絵

図書館巡りで見つけた1冊。
もとは著者のHPを文子さんが見つけたことがきっかけ。
著者は見つけられるのを目的としていなかったと謙遜してるけど、
ネット上にアップしたかぎりは、誰かに読んで欲しかったのでは?

現状に満足していない風見鶏が語る形式で、
「わたしのおしりがまだ青かったころ・・・」という一文から全部始まっている。
1~24までの章タイトルは、常識で言われていることの逆説が多く、
「あれ?」と読者に思わせておいて、内容を読み進めてなるほどと思わせる構成。


【内容抜粋メモ】

1 「世界は自分を中心にはまわってはいない」
受け身で何もせず、じっとしていて何かよいことを期待するなどは虫のよい話。


2 「何をしていいのか分からないといってはいけない」
自分で自分のことが分からないのに、ほかのひとに自分のことが分かるはずはない。


3 「反抗するなら、ほんとうの反抗をすること」
おとなの言うことを聞かないなどという簡単な反抗ではなく、逆に素直にじっくりと話を聞くという反抗。
それから何がほんとうなのかを判断すればよかった。


4 「ひとと同じことをしてはいけない」
同じものを持ち、同じもので着飾ることで安心していた。
みんなと違う自分、違うからいいのだと早く気づいていれば、もっと自分を活かすことができたはず。


5 「同じところにいてはいけない」
一見安定して見えるが、自分から不安定な状態に身を置いて行動してこそ、安定した心で物事に対処できる。


6 「いま見ているものは、見えているとおりではない」
大切なことは、裏側の見えないところにいつも潜んでいる。
自分で調べて考えて、想像をめぐらして判断する。


7 「よいことなんていつまでも続かない」
辛いことはいつまでも続くわけではない。その代わりに良いこともいつまでも続かない。
なにごとも永遠に続くことなどない。

8 「とにかく終わらせなさい」
自分でやり終わらせなくては、なにごとも解決しない。
失敗も過程に過ぎない。過程とは経験という意味。


9 「自分の得意なこと以外はしてはいけない」
自分の不得意なことは、やるほど苦しい。得意なことなら、どんなに辛くても我慢できる。


10 「ゼロからスタートしてはいけない」
ゼロ以下のマイナス地点に身を引くことで、心に余裕ができ、自分の位置がよく見える。


11 「3年間くらいは捨ててしまいなさい」
3年間、ないつもりで頑張れば何でもできるはず。
体験が実績に、知識と技能は実力となり自信が生まれる。


12 「生きていることなんかには意味はない」
「生きる意味」を問うより「生きる意味があった」と思える生き方をすべきだった。


13 「よいことからは逃げまわろう」
嫌なことを逃げずに追いかけて片付けてしまえば消えてなくなる。


14 「自分がやっていることをひとに話してはいけない」
話すことで満足して何もしないで終わってしまうことが常だった。
実行し完遂させれば、黙っていても話は伝わる。


15 「友だちはいらない」
自分の求める新しい世界へ行くには、友だちの群れから離れなくてはいけなかった。
そこで同じ志の新しい友だちと出会える。


16 「今日はないと思いなさい」
辛いことは先延ばしせず、今日やってしまえばすぐになくなる。


17 「出遇い(であい)は二度とない」
生きていくことは出遇いの連続。
出遇いに気づく感性を日頃から磨いておくこと。


18 「マイペースでやってはいけない」
おしりの青い時代には、自分の歩調なんて決まっていない。
一生懸命にやるべきことをやっていれば分かる。


19 「一番になってはいけない」
他と比較する世界は、だれもが同じことをやっているということ。
競争すべきは、他ではなく自分自身。


20 「上をめざすな」
記録を伸ばす、売り上げを伸ばす、どんなに伸ばしても無限には伸びない。


21 「背伸びをしなさい」
自分に何ができ、どこまでできるのかはやってみて初めて分かるもの。


22 「自分ひとりで出来ることは何ひとつない」
周りに迷惑をかけさせていただき、そのお返しを感謝を込めてさせていただく。


23 「自分のことは考えるな」
自分だけがうまくいけばいいと考えていると、自身を見失う。


24 「一番大切なことは、自分の想いをお使いに出すこと」 
大切なものはお金や地位や名誉やブランドものだと思っていた。
思いやりこそ、想像力がなくては持てない一番大切なこと。

本書のもとになった著者のHPはこちら→here

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