メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『100の知識 消えゆく動物たち』(文研出版)

2013-08-21 20:25:54 | 
『100の知識 消えゆく動物たち』(文研出版)
スティーブ・パーカー/著 渡辺政隆/日本語版監修

渡辺政隆さんはサイエンスライター。
大型本いっぱいに、たくさんの動物たちの写真、イラストが満載で、とても美しい上、
絶滅の危機にある動物の種類、その理由、保護活動内容が具体的に短い文章で書かれていて分かり易い。


【内容抜粋メモ】
地球上に現れた動物のうち99%が絶滅したと言われる/驚
ヒトが現れてから動物が絶滅する速さが増している。


国際自然保護連合(IUCN)は「レッドリスト」という絶滅危惧動物、植物のリストを作っている。
NT=準絶滅危惧 リーフィーシードラゴンなど
VU=危急絶滅危惧 キタオットセイ(毛皮のため大量に殺された)など
EN=絶滅危機 チーターなど
CR=絶滅寸前 コガネシラネズミイルカ(漁の網にからまったり、海の汚染が原因)など
EW=野生絶滅(野生では絶滅している) ハワイガラスなど


【絶滅危惧動物】
ジャガー
家畜、ペット、ヒトを襲うという理由で罠にかけられ、銃で撃たれている。

ステラーカイギュウ
肉、脂肪、皮が狙われ、短期間に多くが殺され、1768年、発見されてから30年もたたないうちに絶滅。

マウンテンゴリラ
CRに分類される最も大きな動物。生息地を奪われ、食用、記念品にされ、ヒトの病気にかかったりして数百頭のみ。

スマトラサイ
角を狙われる。

コープレイ(ハイイロヤギュウ)
生息地を奪われ、家畜の病気に感染、食用。250頭ほど。

バタゲールガメ
ヒトが卵をとって王様への貢物にした。

ハミルトンムカシガエル
最も原始的なカエルで、水かきがなく、鳴かない。卵ではなくカエルの姿で生まれる!

デビルズホールパプフィッシュ
2006年には50匹以下に。


【数が減る原因】

生息地を失うこと
開発されると野生動物・植物は生き残れない。
絶滅危惧動物のほとんどが熱帯雨林に住んでいる。
チークやマホガニーなどの値段の高い樹木が木材取引のために伐採され、その後、森を焼いて農地にされる。
「ヤシ油」は、マーガリン、インスタント食品、車のバイオディーゼル燃料などに使われる。

人口増加
世界の人口は、150人/分ずつ増えている。
ヒトには家、農地、工場、道路などが必要。ヒトが増えるほど野生動物の生息地は減る。
川や海沿いに観光地ができ、アザラシが子育てや休憩する場所がなくなる
漁師がアザラシを殺して600頭のみ。オグロヅルは農業用殺虫剤で死ぬ。
ジャイアントパンダは、竹林が減って、レッサーパンダは毛皮目当ての密猟で減る。
オオチョウザメの卵は「キャビア」と呼ばれ高く売れるため、成長する前に殺される。

環境汚染



ニベという魚は、海中の化学物質で目が見えない。
カスピカイアザラシは、工場が汚染した湖の水で皮膚がただれ、毛が抜ける。
ヨウスコウカワイルカは、川河にある工場が出す汚水、畑から川に出る農薬で減る。
漁の網、ダム、船に衝突する危険もある。

気候の変化



ホッキョクグマは、北極の流氷が減って、泳ぎ疲れて溺れる。
ペンギンは、岸や氷山で休む必要がある。
ヨーロッパは以前より早く春になるため、昆虫は1~2週間早く繁殖を始める。
いつもどおりにマダラヒタキがアフリカから渡ってくると昆虫が食べられなくなる。

密猟と記念品
ワシントン条約(絶滅危惧の野生動植物の種の国際取引に関する条約)によって取り締まられているが、いまだに密猟は続いている。

象牙は装飾品として取引される。ウミガメの生の血を飲んだり、
トラは骨を薬にされ、オオシャコガイは土産物、サイの角は剣の柄に使われる。


ケニアでは1989年、象牙の取引をなくそうと、牙を集めて焼いたが密猟は続いている。

殺すか、殺されるか



ヒトに害があると思われて殺される。
ジャガーを撃ち殺すハンターを雇う牧場主もいる。その毛皮や体の一部は取引される。


ホオジロザメは餌につられて殺される。泳いでいるヒトを襲うといいけないという理由だけ。

「人食いトラ」になる恐れがあるとして、トラは殺され、漢方薬にされる。

食べ尽くされる
野生動物の肉(ブッシュミート)の取引がある。


サル1匹を売れば、家族の1週間分の食糧が買える。


西アフリカでは、森から出る車は肉の取引のための野生動物を隠していないかチェックされる。

ペットにされる



希少動物の売買は法律で禁止されている。長旅で死んでしまうものも多い。
ゴライアスガエルは世界最大のカエル。食用のために取引される。
「水族館」と取引するため。絶滅危惧種は禁じられているが、違法業者がいる。

島をおそう危険
この400年間に700種類の動物が絶滅。そのうちのおよそ半分は島に住んでいた。
ポリネシアマイマイは食用に持ち込まれたヤマヒタチオビというカタツムリに食べられてしまう。



【保護活動】
動物保護活動はここ50年くらいのこと。
1980年代に毛皮のコートのために動物を殺すことに反対する運動が起きた。
オセロット、マーゲイなどのネコ科の危険が減ったが、違法な取引は続いている。

「ボーンフリー財団」は野生動物保護で活動。
「世界自然保護基金(WWF)」はジャイアントパンダのシンボルで有名だが、
白黒の体毛はコピーする時にカラーにしなくてもいいから選ばれたんだって/驚



シロナガスクジラ
大型のクジラは、妊娠から出産までに時間がかかり、1頭しか産まないので、なかなか数が増えない。



レンジャー(監視員)は、数のとても少ないマウンテンゴリラを保護している。

ライオンのような動物には、麻酔薬をふくませた吹き矢を使って眠らせ、血液をとって病気がないか調べる。
その他、年齢、食べ物、移動なども調べる。

大型動物は、空から飛行機、ヘリ、気球などを利用して群れを数えたりする。
電波発信機をつけ、人工衛星からクジラ、ウミガメ、アザラシなどの海洋動物を追跡する。

「糞」には、その動物の食べ物、健康かどうかなど多くの情報が含まれている。



アホウドリのように数が少ない鳥には、あしに小さなリングをはめる。
サイの耳にはタグをつける。


【生息地】
絶滅危惧種を救う最善の方法は、生息地を壊すのを止めて、もとどおりにしてあげること。
国立公園、自然保護区、野生生物保護区にすれば自然を守れる。

例:
イエローストーン国立公園(アメリカ)
ウッドバッファロー国立公園(カナダ)
グレート・バリア・リーフ海洋公園

世界遺産として登録する。

例:
シミエン国立公園(エチオピア)


【野生動物の飼育】
繁殖センターでは、子どもを産み、育てる手助けをして数を増やして、野生に返そうとしている。
飼育されたトラを野生に返すのは難しい。自分で獲物をとれず、飢えて死ぬこともある。

さまざまな活動を考えた総合的な計画が必要。
中東のオマーン保護区には、アメリカから10頭のオリックスが戻され、一時は400頭に増えたが、保護区が狭められ、70頭以下となった。

カリフォルニアコンドル
電線に衝突したりして減り続けたが、生き残った22羽を飼育し、100羽以上が自然に戻された。


【共に生きる】
生息地を守っても、そこに住むヒトは、とても貧しくて飢餓に苦しんでいるかもしれない。
自然環境を壊さず、観光をすすめれば、環境を守るお金を集める手助けとなる。




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海外ドラマ『ヘイヴン シーズン2』4~6巻(全13話)

2013-08-21 20:11:13 | ドラマ
海外ドラマ『ヘイヴン シーズン2』4~6巻(全13話)

2~3巻はこちら。

▼あらすじ(ネタバレ注意

【Episode 8 Friend or Faux】
コーネルは、自分の複製を何度も殺して、誰も来ない廃墟に隠していたが、
それを見てしまったヘイリーというバイトの少年を追ってきて、デュークに知れる。
コピーは殺すとまた新たにつくられる仕組みで、オードリーは
「自分も他人の記憶を持つってゆうトラブルを抱えている。気持ちは分かるわ」とコピーを説得する。

署長の座を奪われたネイサンは、泥酔してヘタなダンスを披露。
デューク「あれはネイサンのコピーだな」
オードリー「ダンスがヘタなのはオリジナルと同じね」て笑える。
デュークはエヴィのケータイに牧師とのやりとりがあるのを見つけてしまう。


【Episode 9 Lockdown】
警官が手先から真っ黒になって死んだ。
メリル署長に代わったために捜査は思わぬ方向に走り、やりづらくなるネイサンとオードリー。
クリスが1ヶ月ぶりにロンドンから戻って、ソワソワするオードリー。、
エヴィも手先が黒くなって伝染していることに気づき、署長が警察署を完全封鎖。
外には脱出者のための狙撃班まで置く。
エヴィはデュークのために動いていたことを証明しようとして、狙撃され亡くなる。
ドワイトは、銃弾を引き寄せるトラブルの持ち主だと分かる。

クリス「君が必要だ」
オードリー「君が君だから惹かれたと言ってくれた。惹かれるのと“必要”は違う。
      “あなたらしく”させるのは私じゃなくてあなた自身。そういう甘えは人を不愉快にするわ」
オードリーはいつでも強くて、筋が通ってるなあ・・・


【Episode 10 Who, What, Where, Wendigo】
オードリー「これからは2人のやり方でやるのよ。ネイサンと私だけで」
森には人を食う聖霊ウィンディエゴがいるという。てか、森広いなあ!驚 これって完全に『LOST』じゃんw
ウィンディエゴの姉妹が飢えていて、昔、娘リジーを亡くしたドワイトが助ける。
デュークは父親が町を救おうとしていたことを聞く。
そして、受難者の少女を殺そうとした牧師を、オードリーは射殺してしまう。
自衛と、正当防衛なら、人殺しも簡単に正当化される銃社会のルールにはついていけない


【Episode 11 Business As Usual】
レジーはマラソン中に完全に干からびてしまう。もう1人被害者が出て、
受難者の会合に関係するステュを探す。ステュは火事の中からオードリーに救われる。

エヴィの遺品から例の小箱が出てきて、クロッカーの文字を見つけるデューク。
ドワイトが記者兄弟の弟デイヴに頼まれて盗みにくるが、「一緒に組もう」と持ちかけるデューク。
記者兄弟に聞くと、小箱は大箱と対になっていて、鍵で開けられるらしい。
父親が最後に買った船は、デュークが27歳の時にもらった船で、そこから大箱が出てきた。
ふたたび盗もうとしたドワイトをものすごい力で吹き飛ばす。これがデュークのトラブルか

ネイサンは、ルーシー・リプリーの実家を調べて、オードリーに教える。
ついにリプリー本人に会うと、27年前にソックリな女性が来て、男に追われていると言って消えたという。
彼女を殺そうとしたのは、サイモン・クロッカー。デュークの父。
サイモンは、ルーシーに殺され、ルーシーもまた死んだのか?

やっとネイサンがオードリーに告白


【Episode 12 Sins of the Fathers】
元夫アルロの亡霊が現れて、浮気相手だった男はアルロの元妻を射殺してしまう。
霊が次々蘇って復讐を果たしてゆく(みんなそんなに人を恨んで死んだのか?
デュークの父親もハンサムだねえ。彼は受難者を殺すことが宿命と信じている。牧師も協力していた。
署長も蘇って「オードリーを愛するのをやめろ。彼女は生き延びなければならない」



牧師はマークを書いていって、受難者を山小屋に集めて皆殺しにしようとする。
デューク「2人(牧師と父)で旧交を温めて、高齢者センターでも襲えばいいじゃないか」てw
ルーシーはサイモンを殺し、その前サラだった頃には祖父を殺した。じゃあデュークとは因縁の仲?
オードリーはタイムトラベラー? 輪廻転生してるのか?

でも、デイヴは「She's different this time」と言っている。
オードリーは誰かに電気ショックを与えられて連れ去られた!
ネイサンはデュークの仕業だと思って2人は対決。ネイサンの腕に例のタトゥーが現れる
口あんぐりな1シーズンの終わり方。シーズン2を今すぐ観たいけど、まだDVD化されてないよね?

オードリー「パンケーキを焼くわ」
ネイサン「それは夕食?朝食?」てセリフもイイ。


【Episode 13 Silent Night】
これはスピンオフ的なエピソードか? 放送した時がxmasだったとか?
7月だというのに、町中がクリスマス・イヴだと浮かれている。オードリーだけが「違う」と言い張る。
デュークがサンタになり、ビックリさせるトリックだと思ったら、長年の同僚スタンが消えて、誰も知らないという。
ヘイヴンの人口は2万人だが、記者兄弟に聞くと3101人だという。どんどん消える人々。
デュークも、ネイサンも消え、一人で新聞社にいるデイヴは「なにか大切なものを失った気がするんだ」てセリフがじぃーんとする。
事件解決後、オードリーはパーティを主催し、「友だちのありがたさが分かったわ」と言う。



シーズン3の感想を書いてる人もいるけど、どこで見たんだろ?


コメント

ドラマスペシャル『白洲次郎』

2013-08-21 09:55:16 | ドラマ
ドラマスペシャル『白洲次郎』
出演:伊勢谷友介、中谷美紀、奥田瑛二、原田美枝子、高良健吾、塩見三省、石丸幹二、岸部一徳、原田芳雄  ほか

こないだ本で白洲さんのエピソードを読んだ縁もあるけど、
なんだか急に田中啓司さんてカッコいいなと思って、出演作を調べて、
今までけっこう見てきたことに気づいたw 最近よく見るなあとは思ってたけど、それ以上!
今作にも白洲の友人役でチラッと出演しているから見てみた。

原田美枝子さん×奥田瑛二さんの共演は豪華。
ずっと昔に見た「遠めがねの女」ってドラマが強烈な印象に残ってる。
故・原田芳雄さんが吉田茂役を演じているのにも注目。

白洲さんのダンディズムは、単に欧米化した生活習慣だけじゃなく、
日本人の誇りを持ちつつ、グローバルに考えて、常に先見の眼を持って、行動に表していたことだな。

やたらと音楽が凝ってると思っていたら、「あまちゃん」の大友良英さんだった


第二回 1945年のクリスマス



次郎の父は、「白洲将軍」と言われるほど傲慢な貿易実業家だった。
家に大工を住まわせて、家を建て増しするのが道楽。不倫相手が子どもを連れて金を要求してくることもあった。
次郎は、小さい頃とても体が弱く何度も死にかけた。母は懸命に介護したという。
♪浮世いうたかて 怖いことあらへん わてのイエスはん て大阪弁の聖歌が面白い。




次郎が17歳の頃は、ケンカ三昧の不良。英語の家庭教師がついていたため、英語力を買われて父にイギリス留学を言い渡される。
1923年、ケンブリッジに入って9年間勉強する。そこで教授から
「私の言うことを繰り返すだけではダメだ。自分で考えなければ。それが学問だ」
「まず否定しなさい。そして再考するのです」と言われて目が開かれる。

父が破産。送金がムリとなり、帰国せよと母の手紙がくる




1928年(昭和3年)。アメリカ留学から帰国した伯爵令嬢・正子と、ジャパン・アドバタイザーに勤務していた白洲が出会う。
いきなり英語で話しかけるってビックリ。

次郎「あなたはとても孤独な人だ。私と似ている。自分の責任を果たしたいが、何をどうしたらいいか分からない」
正子「私の自尊心を見透かされていた」

その後、見合い写真?に「君は僕の発想の源であり、究極の理想だ」て書いてあるのも落ちない女性はいないよね



正子の父は議員で、2人の結婚に猛反対するが「それなら家を出ます!」と叫ぶ正子。
海辺で後ろから抱きしめて、指にリングをプレゼントするって映画みたい。

父と母は別居し、次郎の仕送りで神戸に残るという母。

友人つながりで自由主義者の牧野、近衛らと引き合わされる。
「政治と無関係とは言わせないぞ」とハッパをかけられ、吉田茂と牧野との連絡役を頼まれる。

広田らの組閣会議に文句をつける軍部にキレた吉田は、イギリス大使に飛ばされる。

1937年。第一次近衛内閣。



白洲は「政治の野次馬」と自らを称し、近衛のフォローをしていたが満足していなかった。

父が大分で死去。遺書は「葬式無用。戒名不用」
父は田舎でひとり米や野菜を作って暮らしていた。
「死んだら腐るだけや。生きてるうちは楽しまな」



白洲は近衛のやり方に文句を言って去る。

1939年。ロンドン。
友人が集めた有力者の晩餐で、日本は狂気に走ろうとしている中、親英米派もいることを友人に伝えてほしいと頼む白洲。
次郎「私に立場などない。絶対の根拠は良心です。戦争を避けるために協力してほしい」と訴えるも
「感情論ではどうにもならない」と断られる。

1941年。近衛内閣総辞職。
太平洋戦争がはじまる

白洲家には3人子どもが生まれる。
日本は戦争に負けると発言したことで会社をクビになり、空襲も、食糧不足も見越して、一家で鶴川村に引っ越す。
家は「武相荘」と名付け、お百姓となる。40歳。妻32歳。


第二回 1945年のクリスマス
手取り足取り農業を教えてもらって、なんとか収穫。文句なく美味しかった
子どもたちにとってもいい環境だなあ!

「自由は本来は人間の尊厳だったはずだ」
「自由には責任が伴うものです」

正子は農業も、家事も、子育てにも関心がもてなかった。
「君はどこかへ逃げ出したいと思ってる」

40歳の白洲のもとにまで赤紙が届き、世田谷経堂町の辰巳を訪ね、「徴兵免除」を頼む。
白洲「人間にはそれぞれ天から与えられた天分がある。この無謀な戦争に関わることは、僕に与えられた役割ではありません!」

白洲は大空襲で焼け出された文士親子を連れてきて、一緒に住みはじめる。



昭和20年。終戦。GHQがなだれ込んでくる。マッカサーは近衛に新しい憲法をつくるよう命令。
近衛は次郎にプレス対応の翻訳を頼む。近衛は天皇を降ろすことも発言する。
アメリカのプレスは、近衛を激しくバッシングし、その内容は日本の社説にも取り上げられる。
「早く草案を出すべき」という白洲の声も無視され、マッカーサーは近衛起用を否定する旨を発表した。
先見の目がある者にとって、古い考えの者らを説得するのは容易じゃないな

吉田から手紙が来て、終戦の処理を任される。
吉田「戦争で負けて、外交で勝ったって事例もあるんだよ」
白洲は、「誇りある日本の再生」のために日本の窓口となって活躍し、GHQから「従順でない唯一の日本人」と呼ばれた。

正子は、青山次郎の弟子となる(白洲夫婦は、なぜ大事なことは英語で言い合うんだろ???

近衛が戦犯に指定され、次郎は入院を勧めが、近衛は自殺。

クリスマスに天皇からのプレゼントを「その辺に置け」といったマッカーサーに一喝。
「われわれは戦争に負けたのであって、奴隷になったのではない!」


第三回 ラスプーチンの涙
1946年。国務大臣・松本によって作られた憲法改正案を見せると、
「容認できない」と言われ、代わりにマッカーサー草案を出してきた。
「そちらの案がエアウェイなら、日本のやり方はジープウェイなのです」と説明する白洲。
「なんでも頭を下げればいいと思っている。あんたもやはり日本人だな」とマッカーサーは失望する。

天皇の扱いについて「助言と同意」と「輔弼」でモメる。
「あんたたちに日本語まで変えろというのか?! 文化を変えるつもりはない」とキレる松本。
「翌日までに最終原案を出せ」と脅される。
日本国憲法は、他国の干渉を経て、1晩で作られたのか・・・?
「いまに見てろ」という気持ちを抑えきれず、ひとり涙する白洲。

第一次吉田内閣ができ、また総辞職すると、農業に戻る白洲。
農業のほうが人間の暮らしには重要だな

吉田「これからの日本に何が必要か?」
白洲「プリンシプル。アメリカがらみの乞食根性を改めなければならない」
吉田「第二次吉田内閣のため、多少強引でも金をつくれるブレーンが必要なんだ」と頼まれ、また政界に関わる白洲。




広畑の製鉄所を英国企業に買ってほしい」と打診する白洲。
白洲を“日本版ラスプーチン”に例え、「権力を欲しいままにしたいかがわしい祈祷師」と叩かれる。
企業のトップがまだ「腹を切る」とか「日本の武士道を見せてやる」とかゆってる時代だもんね。

「外貨を稼いで、アメリカ経済から自立するんじゃなかったんですか?」
「島国根性を捨てろ!」と広畑に殴りかかる白洲。
「日本経済を立て直すのは貿易だ!」「鉄だ!」とケンカになる。世間の白洲叩きは日に日に増す。

新聞記者を家に入れる。
「あなたの良心というのは、傲慢ということですか?」
「肥やしだ。臭ければ臭いほどいい。この日本を一人前の独立国にしなければならない。
 肥やしにできるのは、金稼ぎぐらいのものだからね」

1951年。終戦6年目。サンフランシスコ講和条約調印に一緒に来るよう命令する吉田。
演説の原稿が英語で書かれていたことに激怒し、日本語に訳し、巻物状態に直させる白洲。




日米安保条約制定。6年8ヶ月におよぶ占領下の時代がようやく終わった。
白洲は吉田に引き際を説くが、拒む吉田。白洲は農業に戻ると告げる。
白洲「あなたは似てるんです、俺の死んだおやじと」



正子は「私は時代が変わっても変わらないものを探そう」と決心し、昭和39年に西国巡礼の旅に出た。

次郎が亡くなる2年ほど前、極秘文書を庭で焼く。正子は著書の中で振り返る。

「私は西行法師に惹かれた。どこにも属さず、なにものにも囚われず、正直に矛盾に満ちた人生を力強く生きた人。
 荒い気性に気づきながら、どうしようもないことに気づいていた。
 彼は世を儚んだり、世間から逃れようとしたのでもない、ひたすら荒い魂を鎮めるために出家した。

 出家はしても、仏道に打ち込むわけではなく、稀代の色者であっても、浮気者ではない。
 強いかと思えば、女のように涙もろく、孤独を愛しながら、人恋しい想いに耐えかねているといった風で
 まったく矛盾だらけでつかみどころがない。

 西行を私たちは複雑な人間に思っているが、本人にしてみれば究めて単純なことで
 心の赴くままに自然に生き、自由に行動していたに過ぎない。

 善悪の区別もわきまえず、悟りをも求めず、ただ、世の中をあるがままに生き、あるがままに死んでいく人々を
 西行はどんなに羨ましく思ったか。

 彼はあくまでも行動の人だった。出家はしても、あくまでも武士の魂を持ち続けた。
 私は真似ることができない人物であることははじめから分かっていた」

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