メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

神保町いちのいち+ナチュラルヒストリエ@三省堂池袋本店(2016.12.15)

2016-12-16 11:49:21 | 町歩き
クリニック
まああまり変わりはないが、睡眠と食事が乱れている話をしたら

睡眠の乱れは、自律神経にとても影響するので、それは改善したほうがいいですね
 昼間はなるべく日光を浴びて、夜はなるべくパソコンやスマホのブルーライトを浴びないようにして
 昼間ちょっとした散歩でも、日光の光量はかなりあるから、それによってメラニン(だっけ?)が分泌されて夜眠くなる
 自律神経失調症の患者に、強い光量を浴びさせる治療もあるくらいなので
 ブルーライトは、睡眠障害の原因になるという論文はもうだいぶ前から出ているので、ネットで調べればすぐ出てきますよ」

「うーーーーん、私はどちらかというと、朝方だから夜12時過ぎると眠くなるけれども、
 眠れない時に逆にスマホでSNSを見て寝落ちするパターンです」

と、いつもながら話が噛み合わない
1日十数人も患者を診て、それが毎日じゃ、1人1人が以前言ったこともどんどん忘れているし

で、前回、「クスリが2週間分も余っているから、今回は1週間分減らしてください」と頼んだのに減ってないのが変だとゆったら
「それは、あなたが自分でカウントしてくださいw 飲み忘れの可能性もあるでしょうし」

いや、クスリの飲み忘れはないと思う
あったとしても1ヶ月に1回あるかも?くらい

でも、ここでも決めつけられて、押し問答のようになってグダグダになったから
いつも優しくて、正確な薬剤師さんに相談したら

「今度、残っている分を持ってきてみてください
 こちらで計算して、もし違っていたら、先生に電話して聞いてみますから

とやっぱり親切で有り難い/感謝
担当医は、テンパると次回の予定の日付を書き間違えたりするから信用ならないんだ



●郵便局
定形外の手紙を出しに行ったついでに、使わないインクカートリッジと
使用済み切手をリサイクルBOXに入れてきたv

使わない余った切手も、局でなら、他の切手を買う時に使えるから便利
ここは、あんまり記念切手はなかったけど、ピーターラビットのキャラクターグッズが置いてあった


おにぎり屋さんでランチ


テイクアウトもできるし、イートインスペースでも食べられるから
あさりの佃煮(十五穀米?)のおにぎり+お惣菜+お味噌汁をチョイス
セットもあるけど、単品でも500円以内v

お味噌汁にワカメじゃなくて海苔が入っていたような?
とっても美味しくて感動


神保町いちのいち@三省堂池袋本店


ツイッタで見かけてずっと気になってた雑貨屋さんに行ってきた
「リブロ」から「三省堂」になって、もう1周年なんだ/驚

入り口入ったところからすでにカワイイものだらけ!
長いカウンター席の上にもたくさんの雑貨が置いてあって、
みんな本を読んだり、スマホを見たりしながら、
美味しそうなラテ?を飲んでいた
その奥は書店だから、そこで買って読んでいるのかなあ?

 

雑貨店のほうは、リサ・ラーソンのぬいぐるみやらもあったけど、
それ以上に可愛い豆本がいっぱい!!
それぞれ個人の作家さんが作っていて、宮沢賢治もたくさんあってテンション上がりっぱなし

食い入るように見ていたら、若い女性スタッフさんが声をかけてくれて
あれやこれやと丁寧に説明してくれて、すっかり盛り上がってしまった

「以前、日本豆本協会の講師の方がいらっしゃって、作り方のワークショップもやりました
 初心者向けで、キットみたいなのを使うのでお子さんでも出来ますよ
 講師の方がとても忙しいので、なかなか定期的に開催できないんですけれども、
 SNSなどをこまめに見ていただければ」

やりたいけど、不器用で、こんな細かい仕事ムリそう
これ一体何ポて、虫眼鏡がなきゃ見えない世界/驚×5000
それを和綴じしてあったり、ちゃんとカバーがかけてあったり

もっと驚くのは、木で作ったアップライトピアノの鍵盤部分を引き抜くと豆本になってる
「大切なあなたへ」みたいな心温まる系のメッセージが書いてあった
ちゃんとペダルの部分もあるし、鍵盤のフタも閉まる

昭和なテレビも隣りにあって、その中には3冊も入っていて、1冊目は「昭和の家電」
ちゃんと写真も入っていて、朝ドラにも出てきた手回し洗濯機などが載ってた
ほんと驚異的な芸術です


「サンドピクチャー」


中でも驚いたのは、クラウス・ベッシュさんていうオーストリアのアーティストさんが創った「サンドピクチャー」
もらったチラシの説明をちょこっと引用させてもらうと

「比重の異なる砂、水、空気だけで創る自然のアート作品
 絵を逆さまにすると、空気の泡と泡の間から砂が落ちはじめ
 砂丘や山のような情景を描き出します
 毎回違った表情を作り、空気の量を調整することで
 砂が落ちる速度を自由に変えることができます」


地球の写真?の前に白黒の砂がサラサラと落ちてきて、下に積もると
月面から地球を眺めているような気分になる

白黒+青の砂の後ろはオーロラで、スタッフさんいわく
「毎回、砂の落ち方が違うので一期一会のアートです」ってまさに!

絵がない透明な容器のもあって、
「この裏に好きな写真や絵を入れるとまた楽しいかもしれないですよ」

なるほどねえ 砂に色をつけられるのか???
なんだか分かったような分からないような いろんなことを考えるものだなあ
ずーーーーっと観てても飽きないし、癒される

 

 




次に驚いたのは・・・

「築地活字 書体見本帳」

築地活字


これは素敵すぎる!! まさに『銀河鉄道の夜』でジョバンニが拾っていたやつだ

1本190円くらいで売っていて、
「“おめでとう”などと組んで、ヒモで縛って、スタンプしたり、中には全種類買われる方もいらっしゃいます

これを挟む道具もあるとか
見本帳の文字は懐かしい昭和のかほり

これも体験してみたいけど、絶対、誤字脱字が出そうw


ナチュラルヒストリエ@4F

こちらはとってもフシギ空間だった

「ヒグチユウコさん×三省堂書店池袋本店 クリスマスフェア」


まず、入り口は「ヒグチユウコ」さんのコーナーが特別展示されていて、
今回、初見だけれども、にゃんこ可愛い~

1Fのラテはこの方のだったのか


 

 

 




その奥が「ナチュラルヒストリエ」
 

いきなり鉱物やら、アンモナイトなどの化石が置いてある 博物館か骨董品店のような


たしか「あさイチ」でも「鉱物女子」なんて特集があった記憶が甦った

宮沢賢治の作品にも「黒曜石」とかいろいろ出てくるから、この店にもやっぱり賢治の書籍も置いてあった
一時期パワーストーンにハマっていた時期もあったし、
こういう石型のチョコレートもあって似てるからなんだか美味しそうにも見えるし
ヤバイ・・・これはハマってはいけないコレクターの世界だ

とくに水晶は、いろいろ浄化してくれるから、パソコンの横に置くとよいとか
身につけるとよいとか、寝る場所に置くとよいとかいろいろ聞くけど
原石はそんなに高価じゃないのね 2500円とかで売ってる

ここのスタッフさんも親切に声をかけて、いろいろ説明してくれるから
またなぜなぜ坊やに変身して聞きまくってしまったけれども、
「水晶のスピリチュアルな効果についてはちょっと存じ上げないので申し訳ありません」あ、残念

でも、たしかに鉱物女子はいるらしく、
「お台場とか、横浜とかで“ミネラルショー”なんてのもあるらしいですよ」

2016年度のミネラルショー&ミネラルフェア

日 程:2016年12月2日(金)~5日(月) <※有料>
場 所:池袋 サンシャインシティ文化会館 2F・3F
出展数:約364社(2016年度)

行きたかった! てか、来年行ってみようかな 浮くかなw


「水晶ジオード」って何だろう?と思ってメモして調べてみた
パワーストーンを浄化する水晶ジオード(geode)


「ウサギノネドコ」


これまたフシギすぎる・・・
「ボルボックス」てEテレ「2355」で歌ってる緑藻の一種だよな

私が気に入ったのは「バクテリオファージT4」。調べたらウイルス?
人工衛星みたい 自然の造形、色にはかなわない

それをどうやって、こうなったの???

“顕微鏡写真を基にミクロ生物を3Dモデリングし、そのデータを透明度の高い光学ガラスの内部にレーザー彫刻しています。”

うーーーーーーーん・・・ますますフシギすぎる


「メルキュール骨董店 Mercure Antiques」@小諸

どうみても、これはレプリカではなく骨董品では?というモノがたくさんあって、やっぱりそうだった
中でもフシギだったのは、「幻灯機」で見るスライドの板

宇宙がテーマのものが多いそうで、見せてもらった板も、惑星のようだったけれども、
実際映してみないと分からないとゆったら、この夏ごろ、隣りでイベントを演ったんだとか 観たかった!


「Andart 海と宇宙と鉱物とカフェ」
東京都台東区台東2-23-5星丸ビル102
 

こちらも紹介されて、
「ここでも時々幻灯機のイベントをしているようですよ このカフェ自体がとてもステキですし」

おお、御徒町なら行けるぞv




中世くらいの時代のトランプは、1枚ずつ高価な値段がついていた
ほかは常時置いてあるけれども、この「小部屋」とか書いてある奥の一角は
定期的に展示物を変えるらしいので、やっぱりSNSとかで要チェック



その隣りを見たら、水木サン好きそうな、アフリカ系の仮面もあるし、

嗚呼! 土偶まである
有名な遮光器土偶から、本で見た顔がハート型のから、すべて手作りとかゆってた

『にっぽん全国土偶手帖』(世界文化社)

アンティークドールも雰囲気出してた




だいぶ楽しんでから、また1Fに戻って、奥の雑貨屋さんも見たら、こちらも素晴らしい
紙やら、マステやら、てぬぐいやら、お皿やら

気になったのは、「ナンシー関のでっちシール」


世界初の消しゴム版画家さん?(ウィキ参照


気づいたらすっかり暗くなっていて、ラッシュアワーの時間なので、引き上げることに
帰る途中、また新春から「世界ネコ歩き展」をやるのか、と見つけてしまったり


本屋さんも休まないのねぇ・・・

「ピコ太郎」さんの顔出し看板があったり(これは写メりませんでしたw


今日も寒かったけど、晴れれば太陽はポカポカするし、町歩き、雑貨屋巡りはやっぱり楽しい
佳き1日でした~


気になった映画のチラシ


映画『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』

 


インスタにもアップします


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topics~羽生結弦出演 P&G ジョイCM動画 ほか

2016-12-16 11:29:51 | 日記
xmasシーズンてことで、ミクシのマークがxmas仕様になってた
 



羽生結弦出演 P&G ジョイCM動画
 


鈴木明子ちゃんもちょこっと出てるCMは全員選手なのかな?

スペシャルムービー「BEYOND THE BEAUTY」

選手たちは自分たちで全部メイクしてるの? トップ選手ならメイクアップアーティストがついてると思うな


●年明けバラエティ番組に錦織圭くん



雑誌『歌壇』12月号の特集「今年を象徴 する百首」に、戸川純が「ユリイカ」の短歌特集に寄せた一首が選ばれた



●漫画界の巨匠たち
ツイッタには思いもかけない画像を発見することができる この1枚は貴重すぎ



星野源 CM ハウス ウコンの力 「ダンシング」篇
また源くんのキレキレダンスのCM発見!
もう、ダンサーになっちゃえば? ちょっと♪恋ダンス のフリも入っているような?

 




長谷川博己@リアル・リッツ・パーティー


クリスマスの寂しい思い出を聞かれて

「1人で近所のビデオレンタルショップに自転車で行く 映画ばっかり観てるので」(あるあるだね


ピクトさんの変更
外国人観光客の増加、オリンピックに向けた対策の1つ

微妙な変更だな


「温泉マーク」

外国人30人中7人が「コーヒー」、「温泉」と当てたのは1人だけ
変更後のマークでは、29人が正解した

 

 

 

結局、温泉旅館の反対もあって、両方使うことにしたらしいけど、
外国人観光客が変更後のマークでも「スープに浸かってる人」とか答える人もいて、そっちのほうがおかしいよw
むしろ日本の奥深いピクトさん文化を学んで、こっちを世界共通にしてほしい


モバイルバッテリーから白煙@ZIP!
 

友だちが持ち歩いているのを見て、コンビニでも簡単に買えると聞いて
検討中だったけれども、ちょっと悩んでしまった

 

取材で多かったのは(ZIP!の取材は大体いつも30人くらいだけど
「SNSを見ていて電池がすぐになくなるからモバイルバッテリーを持ち歩いている」
「フル充電して家を出ても、夜になる前までもたない」
「モバイルバッテリー、スマホ自体が持てないほど熱くなったことがある」



まあ、スマホ本体が急に熱をもって、かえてもらったことがあるから
バッテリーだけに限った話じゃないけど

身近なものだけに、発火して火事にでもなったらほんとシャレにならない
どうにかならないの!?

スマホ&PCトラブルまとめ


鳥インフルエンザで大量処分
 



あまりに見慣れた映像になって麻痺してるけど、
これがヒトだとして、病気にかかっても、かかってなくても、
ほかに伝染するかもしれないから大量に殺して埋めたら、とんでもない国際問題だ

動物ならOK、ヒトへの健康被害のため、家畜などへの感染防止のためなら仕方ない
「歪んでいる」と思わなくなったのはいつからだろう


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『ハロー?』(NHK出版)

2016-12-16 11:28:53 | 
『ハロー?』(NHK出版)
ヨースタイン・ゴルデル/著 レイダー・シェルセン/絵 池田香代子/訳
初版1997年 1600円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


まず絵がなんともいえない独特さで、美しい装幀が気に入った
ちょっとしたファンタジーかと思いきや、書いたのはあの『ソフィーの世界』の作家で
平易な文章と設定なのに、内容は深い哲学


あらすじ(ネタバレ注意

ヨアキム少年にもうすぐ弟が生まれるという前の晩
いきなり空から降ってきた別の惑星人のミカ

とても似ていて、ちょっと違う2人の考える生物?が
それぞれの星に生きる生き物や現象のことを話すうちに

生命とは?

宇宙とは?

という大きな問いにまで発展する


「問いは答えより大切」

いい質問をした時は、おじぎをするミカ
すぐ泣いて、首のうしろを撫でると落ち着く


「なにも ありふれた つまらないものなどない」

どんな小さなことにも疑問を持ち、
小さな自然科学者のヨアキムは丁寧に教えていく


小さな有機体から進化してヒトになったこと
ミカは、恐竜みたいな生き物から進化したらしく、卵から産まれた(!)


「2人は高い山の上で出会った
 これまでどういう過去があったなんて忘れてもいいことで
 これから同じ方向に向かっていくことが大切」


面倒を見に来た叔母の目を盗みながら、夜まで語り明かした2人


一緒に眠って、目覚めた時、ヨアキムには弟ミカエルがいた


この物語は、もっとずっと後 ヨアキムの姪に充てて書いたもの
姪のカミラにも弟か妹が生まれそうなのだ

フシギなのは、どっちが本当は夢を見ていて、どっちが目覚めていたのか?
よく分からないが、このくだりには何かとても大切なことが隠れている気がする



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『ぼくとジョージ』(岩波書店)

2016-12-16 11:28:52 | 
『ぼくとジョージ』(岩波書店)
カニグズバーグ/著・絵 松永ふみ子/訳 初版1970年

※1993.9~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

両親が離婚してまもなく、ベンジャミンの心の中にあらわれたもう一人の自分、ジョージ

弟のハワードが生まれて、弟だけは知っているけれども、
いつもは双子のように仲良しで、冗談も言うし、勉強も手伝ってくれる
そんなジョージとベンの奇妙な“共生”生活の話

うまくバランスがとれていたはずが、6年生になって、
ベンが夢中になっている化学の自由研究中にフラスコや他の器具がいくつもなくなり
どうやらその犯人がジョージじゃないかと疑われ、

父の再婚相手・マリリンは、ちょっとばかりかじっている児童心理学から
ベンは「分裂症」だと決めつけ、精神科医にかかることになる

濡れ衣を着せられたジョージは怒り、ついに2人は大ゲンカ
しかし、ベンがやっと気がついた真相は
自分が恨み、こびへつらっても友人になろうとした上級生ウィルソンが
実験道具でLSD(ドラッグ)を作り、大学生に売っていることを知る





作者が女性で、挿絵も一緒に手がけていることに少しビックリ
'70年代の気風が、自由な文体にあらわれていて、
小学生の男の子の心情、セリフにも、自然でリアルな表現が活きている

やんちゃで、クルマ好きで、いつでも“限度”を知っているハワードもなかなか面白いキャラクター

太っていて不恰好だけど、なんとなく好感が持てそうなバーコウィッツ先生が母親を好きになり、
互いに接近し、ついには結婚するかもしれないところまでくる様子も複雑で
多感な兄弟の視点からリアルに描き出している


なんといっても、今なら「多重人格」に関する小説が注目を集めて、
次第に人々の間でも理解されつつある中、
'70年代では、精神科医が登場こそするけれども、
あくまでこれは成長期の不安定な青少年の心の中に必ず存在する
「両極の人格」という視点にとどまって書かれている

たしかに、私たちの中には、いつでも複数の異なる感情が絶えず喋っていて
その中からどれかを常に選択しながら言動のバランスを保っている
その別の感情に名前をつけて、別に人格化したのがジョージだとも言える
でもやっぱりその様子は、二重人格にとてもよく似ている

この作品でもマリリンや精神科医と、少年の真実の心の中とのギャップや
危険で陳腐な誤解が描かれ、心理学で他人が別の人間の心を分析するほど疑わしく、
危険をはらんでいることを示唆している


ひとつ気にかかるのは、ベンとジョージの間の計画で
LSD事件を裁判にまでもちこみながらも、別の人格のせいにする、
というあやふやな解決で落ち着かせていること

真犯人のウィルソンとチェリルには、1年間の落第点をつけることで償わせるというラストは、
教師や学校に不名誉な噂をたてずに、上級生たちの前途を考えた現実的な策だとしても
いまひとつ納得できない

12歳そこいらで、ここまで気の回る子どももなかなかいないけど、
幼児の頃の記憶力といい、やっぱりベンとジョージは天才児だったのかしら、と思わせる


過剰なくらい教育熱心なのはアメリカに劣らず、日本でも同じ

普段、何気ない生活から、なんでもないように見える子どもたちが
日々、どれほどのプレッシャーや、ストレスを背負って、不安を抱え込んでいるか
その子たちの両親に説いても通じないのだろうか?

それによって内向的な子どもが、自分の素直な気持ちのはけ口を失って
すっかり型にはめられ、そのことに自分自身気づかずにいるとしても


このストーリーで恐いのは、ジョージがベンに真実の姿、
表向きの言葉や行いだけでは気づけないことを一生懸命訴えているのに
聞き入れずに、気づかないフリをして、
自分を利用し、騙していたウィルソンに対して
ベンは最後まで友人になりたいと慕っていたこと


最後の“盲腸炎にかかって~”という締めくくりがなんとも理解しがたい終わり方だけど
ベンとジョージは、それほど両極端の距離の存在ではなくなったらしいことがうかがえる


半日で大急ぎで読んでしまったけれど、なんだかまだまだ作者のこめた
大切なメッセージがいくつも残されている気がする

ホールデンの言うところの「時々、読者を笑わせてくれる本」に当てはまる1冊



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『ページマスター』(フレーベル館)

2016-12-16 11:28:51 | 
『ページマスター』(フレーベル館)
原題 THE PAGEMASTER by DAVID KIRSCHNER & ERNIE CONTRERAS
デヴィッド カーシュナー、アーニー コントレラス/著 ジェリー ティリティッリ/イラスト 唐沢則幸/訳
初版1993年 2700円

※1996.12~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


これまたとってもリアルで現代的な、美しいイラストがふんだんに織り込まれた絵本

D.カーシュナーは、ジム・ヘンソンのマペットや、セサミのキャラクターデザインをして
スピルバーグのアニメ『American Tale』をプロデュース
最新作は『Once upon a Forest』『ホーカス・ポーカス』等

A.コントレラスの代表作は、『ザ・スマーフス』(エミー賞ノミネート)

J.ティリティッリは『マザーグースの歌』『Silly Songs』等、児童向けほか
新聞、雑誌、アニメ映画でも描いているそう

中でも嬉しいのは、最近読んだ冒険小説『宝島』や『海底2万海里』『ガリバー旅行記』の
キャラクターが次々飛び出してくること

他にもまだ読んでいない名作『白鯨』や、初めて聞いた『バスカーヴィル家の犬』コナン・ドイル著(1902)
なんて面白そうなものもある

図書館の中は、まさにワンダーランド
彼らをずっと眠らせて、カビを生やしておくなんて!!

「TV世代の子どもたちに、もっともっと本の素晴らしい世界を知ってほしい」
という願いが込められている

読書習慣は、子どもの頃に面白い本に出会うか出会わないかによるんだってね



あらすじ(ネタバレ注意

やたらめった恐がり屋で、慎重なリチャードは、注意看板に囲まれて眠り、親も呆れて、友人もいない
用事を頼まれて、保護だらけの自転車で出ると、嵐に遭って図書館に逃げ込む

司書のおじさんに図書カードをもらって、電話を探すうちに転んで意識を失い
天井画のページマスターに出会う

「本の番人で、書かれた言葉の守護者だ “あ~ん” 全てはここから始まる」


出口を教えてもらったつもりが、本の世界に迷い込むリチャード

アドヴェンチャー(J.シルバーとそっくりな格好)と、ファンタジー(妖精)、
ホラー(ノートルダムのせむし男みたい)3冊に会い、
「EXIT」から出る旅へと出かける

途中、『海底2万海里』の大イカに襲われたり、
『オリエント急行殺人事件』の列車に轢かれそうになったり

「ホラー」セクションでは、『ジキル博士とハイド氏』(同じ『宝島』のスティーヴン著なのよね)
のクスリを飲んで一変したハイド氏に追われる

「人間は善と悪の両面を持っている」


次の部屋では『フランケンシュタイン』の怪物に追われる


「アドヴェンチャー」コーナーでは、『白鯨』のモビーディックを追うエイハブ船長に会い、
ボートごとひっくり返される
助けたのは、今まさに骸骨島へ宝を探しに行く海賊たち

アドヴェンチャーらと戦って図書カードも戻るが
ホラーが『ガリバー旅行記』のリリパット人にロープで縛られてしまうw
アドヴェンチャーが彼を助けて、友情が生まれる


「ファンタジー」の世界は、一番美しい
親指姫は鳥に乗り、カボチャの馬車や、塔へ姫の髪を登っていく王子(グリム童話『ラプンツェル』)
本の山頂に出口表示を見つけたが、竜に襲われて『アラビアンナイト』の魔法の絨毯に助けられるが
とうとう喰われてしまう

胃の中で「迷ったら本を開け」というページマスターの言葉を思い出して開くと
『不思議の国のアリス』のハートの女王が「首をはねておしまい!」と叫んだり
『ジャックと豆の木』(イギリスの昔話なんだ)の大きく育ったツルにつかまって助かる


ページマスターが出口で待っていて
「ここに来るまでに、君は自分に打ち勝った これからもそうするだろう」

床にのびている自分に戻り、約束通り3冊の本を借り出し(1日2冊なんて結構厳しいルールだね)
晴れた歩道で、ずっとバカにされていた少年たちの前で、見事なジャンプで「風をつかまえ」
父の作った木の上の家で眠りこむ息子を見て、父は「おまえを誇りに思うよ」


暗闇の中では、元の姿に戻った3冊が言う

「こここそ、アドベンチャーの国だ!」


 



ラストが「The End」ではなく「EXIT」なのも面白い

本は、ただ面白おかしいだけでなく、子どもにも大人にも恐怖と闘う勇気を与え
迷った時の知恵を授け、どんなものにも友情、愛情をもつ心を育んでくれる

もっと時間があったら、私もシーモア・グラスのように
図書館の本をAからZまで全部読破してみたいんだけどなあ
とりあえず、今年の暮れの休みはJ.ヴェルヌを楽しもう


(図書館の本をAからZまで全部読破してみたい、という夢は今も持っている
 世界中の映画を観たいし、世界中を旅したいし、たくさんの人に会いたいし
 好きなことをするだけでも、時間は全然足りないんだ 2016


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