1981年初版 沢登君恵/訳 マーガレット・チェンバレン/絵
※「作家別」カテゴリー内に追加しました
ガーフィールドは街の片隅で暮らす貧しい子どもたちに対する愛情を
短い絵本の中でも凝縮して描きだしている
【内容抜粋メモ】


ジャクソンは瘠せて、小さくて、へんてこりんな顔をした男の子
町の一番みすぼらしい路地の奥にあるパディズ・グースホテルの石段に座っている
暗いうちからパン屋の床を磨いた駄賃としてもらったパイを
食べて体の中から温めるほうがいいか
持って外から温まるほうがいいか迷っていると
真っ黒いロバほどもある犬がやって来る


ジャクソン:
オレだって、凍えそうで、ハラペコなんだぞ
なかよく半分こだぜ
よく見ると、首輪をしていて、大きなカギが挟んである

ジャクソン:家まで連れてってやろう
ジャクソンは犬を連れて、たくさんのドアにカギを試してみる

そして、とうとう幽霊が出そうな屋敷で黒犬は動かなくなり
その屋敷のカギにはまって、中に入って呼びかけるが返事がない

暖炉には火がごうごう燃えて
大きなテーブルには瘠せて、小さくて、垢だらけの女の子が座っている

リリポリー:
私も同じように黒犬を連れてやって来たの
1階のイスで寝て、朝になったら卵とバターとミルクとパンがドアの内側に置いてあったの
だから銀の食器を洗って、テーブルを磨いたの
家の人たちが帰ってきて喜ぶでしょ
2人は順番に見張ろうとしたが、ぐっすり眠ってしまい
翌朝、また卵とバターとミルクとパンがドアの内側に置いてある

ジャクソンも食事の後、皿を洗って、石炭を持ってくる

クリスマスイヴになり、ミートパイが6個、玄関マットの上に置いてある
6人の小さな子どもたちが元気よくクリスマスの歌をうたう


ジャクソン:
みんなでなかよく半分こしよう
この子たちは寒いけど、僕たちは温かいだろ
だからパイはあげちゃおう
1階にボロボロの外套を着た見知らぬ男が2人いる
「ここに銀の皿がある」
「みんなもらっていこう」

ジャクソン:
なかよく半分こだよ
ここには6人もかけられるイスがあるから
おじさんたち、それでいいだろ?
2人は外套を脱ぐと、下には立派な服を着ている
ビーチャムと弁護士のチュータは、ずっとここにいて欲しいという

ピーチャム:
私はひとりぼっちの老人だ
だからチュータさんに親切で、勇気があって、我慢強く
正直な子どもを2人探してくれと頼んだんだ
チュータさんはそんなことはムリだと言ったが
私の黒犬のグロウラが見つけてきてくれた
ジャクソン:
ぼくたち、なかよく半分こしただけです
誰だってきっと同じことをしたと思いますよ

※「作家別」カテゴリー内に追加しました
ガーフィールドは街の片隅で暮らす貧しい子どもたちに対する愛情を
短い絵本の中でも凝縮して描きだしている
【内容抜粋メモ】


ジャクソンは瘠せて、小さくて、へんてこりんな顔をした男の子
町の一番みすぼらしい路地の奥にあるパディズ・グースホテルの石段に座っている
暗いうちからパン屋の床を磨いた駄賃としてもらったパイを
食べて体の中から温めるほうがいいか
持って外から温まるほうがいいか迷っていると
真っ黒いロバほどもある犬がやって来る


ジャクソン:
オレだって、凍えそうで、ハラペコなんだぞ
なかよく半分こだぜ
よく見ると、首輪をしていて、大きなカギが挟んである

ジャクソン:家まで連れてってやろう
ジャクソンは犬を連れて、たくさんのドアにカギを試してみる

そして、とうとう幽霊が出そうな屋敷で黒犬は動かなくなり
その屋敷のカギにはまって、中に入って呼びかけるが返事がない

暖炉には火がごうごう燃えて
大きなテーブルには瘠せて、小さくて、垢だらけの女の子が座っている

リリポリー:
私も同じように黒犬を連れてやって来たの
1階のイスで寝て、朝になったら卵とバターとミルクとパンがドアの内側に置いてあったの
だから銀の食器を洗って、テーブルを磨いたの
家の人たちが帰ってきて喜ぶでしょ
2人は順番に見張ろうとしたが、ぐっすり眠ってしまい
翌朝、また卵とバターとミルクとパンがドアの内側に置いてある

ジャクソンも食事の後、皿を洗って、石炭を持ってくる

クリスマスイヴになり、ミートパイが6個、玄関マットの上に置いてある
6人の小さな子どもたちが元気よくクリスマスの歌をうたう


ジャクソン:
みんなでなかよく半分こしよう
この子たちは寒いけど、僕たちは温かいだろ
だからパイはあげちゃおう
1階にボロボロの外套を着た見知らぬ男が2人いる
「ここに銀の皿がある」
「みんなもらっていこう」

ジャクソン:
なかよく半分こだよ
ここには6人もかけられるイスがあるから
おじさんたち、それでいいだろ?
2人は外套を脱ぐと、下には立派な服を着ている
ビーチャムと弁護士のチュータは、ずっとここにいて欲しいという

ピーチャム:
私はひとりぼっちの老人だ
だからチュータさんに親切で、勇気があって、我慢強く
正直な子どもを2人探してくれと頼んだんだ
チュータさんはそんなことはムリだと言ったが
私の黒犬のグロウラが見つけてきてくれた
ジャクソン:
ぼくたち、なかよく半分こしただけです
誰だってきっと同じことをしたと思いますよ
