メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『激しい季節』

2007-08-05 23:52:23 | 映画
『激しい季節』~Estate Violenta(1959)
監督:ヴァレリオ・ズルリーニ
出演:ジャン・ルイ・トランティニャン、エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、
ジャクリーヌ・ササール、、フェデリカ・ランキ、リッラ・ブリグノン ほか

How beautiful he is!!!
今まで観た中でダントツ。画面に出た瞬間からその美しさに釘付け。
気絶しそうになるくらい!
最初は、まるで若大将シリーズみたいな、避暑地で繰り広げられるブルジョアな若者たちの
恋愛話かと思いきや、実は戦争で引き裂かれる愛する者たちの悲劇だった。
時代は第二次大戦末期。もうすぐ終わると思っていた戦争が続行されると分かって
暴動が起こるというシーンもある。
以前観た『離愁』に似ている。奇しくも列車が爆撃されるシーンもあるし。

story
裕福で政治的権力もある父の庇護のもとで徴兵されずにいるカルロは、避暑地で
幼なじみとの子どもじみた付き合いに飽きていた。
海岸で空襲に遭い、子どもを救ったことで、その子の母で未亡人のロベルタに出逢い、
その美しさに一目惚れする。
街に誘い出したり、サーカスに誘ったり、別荘では満月の光のたもとで踊り、
抱き合う2人の姿を見て、カルロの恋人ロッサーナは嫉妬し、ロベルタと義妹を避ける
ようになり、仲間と家族に気まずい雰囲気が漂う。
小さな町では噂は早く広まり、厳格なロベルタの母は「30の子持ちの女らしく振る舞いなさい」
と叱るが、「素直に人を愛することがどうして悪いの?」と反発。
海辺のコテッジで密会する2人に憲兵が気づき、カルロの兵役証明書が期限切れだと指摘。
このままでは脱走兵扱いか、もっと悪いことにもなりかねないと知り、ロベルタは自分の
別荘に一時身を寄せて欲しいと懇願する。。

トランティニャンの役は偶然出会った美女に一目惚れってパターンが多いw
その出会って、惹かれる瞬間の真っ直ぐな眼力たるや、すべてのエネルギーがビームのように
突き刺さるような視線で、これに参らない女性はいないだろう。
年上の未亡人の家に礼儀よくあがって、街へ誘うも丁寧に断られてしまい、その後
彼女が出かけようとすると門の柵に所在なく寄りかかってる彼を見つけ、
「行かなかったの?」「貴女と一緒ならと思ってたけど、一人じゃ行く気になれません」
て、俯いて話す姿なんてカワイすぎるっっ!(クラッ
それでも熱情だけのボンクラじゃなくて、自分だけ兵役を逃れていたことを恥じ、
「みなと同じ運命をたどる」と一人決意している、一本筋の通った感じが潔い。
なにせ、それが男らしいとされた時代だったんだもんね。


コメント    この記事についてブログを書く
« 心の中のベストフィルム~『... | トップ | 不完全な時間 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。