メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『銀座カンカン娘』(1949)

2024-10-12 15:09:24 | 映画
監督:島耕二

出演
秋:高峰秀子
春:笠置シヅ子
おだい:浦辺粂子
新笑:古今亭志ん生 (5代目)
武助:灰田勝彦
ヒヨ子:服部早苗
白井哲夫:岸井明
映画監督:山室耕
助監督:松尾文人
女優・山田:三村秀子
男優・上原:中原謙三



主題歌:♪銀座カンカン娘/高峰秀子 作詞:佐伯孝夫、作曲・編曲:服部良一

あの有名な昭和の名曲を高峰秀子さんが歌ってるってビックリ!


【内容抜粋メモ】
また電車のはじまり

愚痴る浦辺さんの演技は十八番で嬉しくなる

おだい:
可哀想な孤児なんてうようよいるよ
あんな腐ったような犬拾ってくるからだよ(w

犬の散歩をして、少女ヒヨ子が豆腐を持ってるのをひっくり返してしまうブスケ








秋♪絵具が買いたいなあ~
春♪ピアノが買いたいなあ~ 仕方がないから何にもしたくない
♪だけども死にたくない~









おだい:また歌か・・・

ご飯をみそ汁に入れてかきこむ秋
家の中にまでわんこが入って来る

服がないため、秋と入れ替えに朝食を食べる春

ブスケ♪秋よ、秋よ 私の秋よ~ コーラスの稽古に行こう~
秋♪今日はダメ~ 頭が痛い~ お腹が痛い~

これはミュージカルなのか? サンタルチアのメロディー

春:どっか働く所ないやろか? 私は居候の居候だから

2人の貯金は10銭しかない

♪10銭あれば昔はお腹いっぱい食べて映画も観れたのに
今じゃみかんの皮~

秋:とにかく今日中には探して来る
おだい:この犬を捨ててきてくれない?

捨てても追いかけてきて、知らない家に置いてこようとして失敗する秋
助監督:監督が犬を探してて、貸してくれませんか?

女優の山田が恋人の上原に会うシーン
カメラが回ると動かないわんこw(ちゃんと演技しててエライなあ!

秋も出演することになる
メキシコ衣装の白井哲夫が邪魔に入る



ブスケはビル屋上でコーラス団の指揮をしている
社員が入れ替えになるからクビになる話がある
ブスケ:せっかく育てた合唱団を解散するのはツライ








女優がだだをこねて、代役を探す
白井:1日こき使われて300円じゃ割りに合わない

秋は春を連れて来る
女優と同じ衣装で噴水に投げ込まれる役
1000円と衣装をもらう







白井:
銀座で歌ってて、1日5000円もらった
やってみる気はないか?
明日の朝、返事を聞きに行くから

春:2人で犬を飼えばいい









2階からヒモにつないだカゴを垂らして犬を入れる かわいいなあ!
ブスケ:ポチは?
おだい:最近は狂犬病が流行ってるから









翌朝またカゴで犬をおろしてブスケにバレる
秋:どうしても捨てられなかった
ブスケ:君はいい人だな これから会社へ連れて行くから

寄り道しながら3人で歩く
ヒヨ子は学校、ブスケはバスに乗る 犬連れもOK?

新笑は家で落語の稽古

白井がトランペットを持って家に来る
巨体が動くたびに家中のモノが落ちるw

白井は♪銀座カンカン娘 を吹いて歌の練習



銀座の通りで待つ白井 人力車で来る春と秋
腕に猫の絵を描いてタトゥーのつもり







ラッパと娘
おじさん:浪花節やれ!

大騒ぎのパーティーで歌うとチップに札をもらう
瓶にはお札がいっぱい貯まる







ブスケが誘って絵を描きに行く秋
黒ぶちメガネをかけて水彩の風景画を描きながらブスケと歌う

ブスケ:酔っぱらい相手に歌うなんて僕はヤダな
秋:私たちの歌が大衆に喜ばれたら、芸術じゃなくても満足よ



大家が家を明け渡せと言ってきた
月末までに20万円稼がなきゃならない

秋は水玉のドレス、春はストライプのドレスで歌う
稼いだお金を新笑に出す

ブスケ:会社をクビになった せっかくのコーラス隊も解散した
白井:僕らと一緒に銀座に出てみたら?
ブスケ:よし、やってみよう!

ブスケはギターを弾いて秋と歌う







男性客:一度くらいお酌してくれ
ケンカになり、夜道でもからまれて殴られる

♪うわーお わーお わおー この迫力は唯一無二だねえ!

ブスケ:
あんな奴と命のやりとりするのはもったいない
自分はもっと尊い人間だと思って嬉しくなったよ

秋:私、あんたの顔が描きたい!



外で絆創膏だらけのブスケを描く秋
田舎での仕事に誘われたブスケは1人で行くのを迷う
秋:私も行く!



家でブスケらの婚礼祝い

新笑:
2人は今夜、新婚旅行に行く
時間がないから落語で送別にする







急に落語が始まる
ここでも♪銀座カンカン娘 を歌う

新笑:ほがらかに暮らしていかなきゃいけないな
♪高砂や~ 落語のつづき

酒のつまみに納豆を食べちゃったという妻
おでんを買ってこい(この落語聞いたことある

途中だが時間になって2人を行かせて、落語のつづきを聞かせる
カメラに向かって挨拶して終わりってw


コメント

岩波の愛蔵版 24 トムは真夜中の庭で フィリパ・ピアス/作 岩波書店

2024-10-12 14:52:49 | 日記
1967年初版 1987年 第19刷 高杉一郎/訳 スーザン・アインツィヒ/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

戦後のイギリス児童文学の古典と言われる

また新たに大好きな作家が増えた
ファンタジーでこれだけ完成された作品に出会うのは人生で何度あるか分からない

フシギだったのは、少年が単にタイムスリップしたのではなく、他人の夢に入り込んだこと
同じ夢に弟まで入ってるのもフシギ
こうした一見突飛なアイデアって空から降ってくるのかなあ?


【内容抜粋メモ】

登場人物

ロング家
トム
ピーター 弟
アラン 叔父
グウェン 叔母
バーソロミュー

ハティ
ヒューバート、ジェームズ、エドガー ハティのいとこ
園丁アベル、女中スーザン









トムの弟ピーターがはしかにかかったため
伝染らないように叔父夫婦の家で夏休みを過ごすことになる

元は1つの邸宅だったのを分けてアパートにしてあり
大家さんは3階にいるバーソロミューおばあさん
大きな古時計のネジを回しに時々降りてくるが、子ども嫌いだと思われている







トムは眠れず、食料品貯蔵室から出てくるところを叔父に見つかり
1日10時間きちんと眠るよう約束させられる

大時計はいつも間違った数鳴るが、その夜、13回鳴らして驚いたトムは
階下から月光に照らされる裏庭を見つける









叔父夫婦は裏には何もないと言っていたのは、庭園に入らないようにするためか?
女中が出てきて驚くが、トムが見えなかった様子

邸宅の元のモノは消えてなくなり、代わりに晴雨計や剥製などが現れる
ベッドに戻り、翌朝、叔父夫婦に聞くと、庭園などないし
ヒヤシンスはもう時期じゃないと言われる









裏口のドアを確かめると、錆ついてボルトは動かず
ふつうのイェール鍵がかかっている

トムはフシギな出来事をピーターに詳しく手紙に書いて「読んだら燃やせ」と指示する



それから毎晩、トムは裏の庭園に出かけるようになる

庭園は行くたびにいろんな季節、違った時間
どれだけ庭園で過ごしても、邸宅に戻るとほとんど時間が経っていないことが分かる

いろんなドアがあり、その先が気になるが、手がすり抜けてしまう
ドアや塀をすり抜けることもできるが、とてもイヤな気分になるため
園丁の手押し車に乗って通ることにする

ある時はひどい雷雨で、モミの木にカミナリが落ちて倒れ
2階から「おお!」という声がした
次に行くとモミの木は普通に立っている

大時計に描かれた肩から翼が生えた天使の絵が気になる



邸宅にはコワイ顔をした婦人、3人の息子ヒューバート、ジェームズ、エドガー、ハティという少女
園丁アベル、女中スーザンが住んでいる

ハティはいつも3人のいとこの後をついて回ってうるさがられている







ハティだけはずっとトムが見えていたことが分かり、どんどん親しくなる
ハティは幼い頃に両親を亡くし、叔母に預けられたが、疎まれて不幸だった

ハティはトムのために庭園を案内し、あちこちのドアを開けてくれる
トムはハティの願いを聞いて弓矢の作り方を教える











2人がドアを開けていたために、庭にガチョウ親子が侵入して
花壇を踏み荒らし、野菜をめちゃくちゃに食い荒らして、叔母が激怒する

叔母:亡くなった夫の姪だから、義務として引き取ったが、とんでもない恩知らずだ!







幼いハティが喪服を着て、両親の葬儀で泣いているのを見て、一緒に泣くトム



もう家に帰る日となったが、帰りたくないと行って滞在を延ばしてもらう

トムとハティはイチイの木に家を作る
互いに幽霊だと思っていたことを話してケンカになる

ハティ:そんな服は今の服じゃないわ
トム:これはパジャマだよ

トムは服装や歴代の王について調べて
ハティがいるのは19世紀はじめではないかと予測する

トムはジェームズのマネをして高い塀の上を歩く
それを見ていたハティに駆け寄り、危険な塀には近づかないと誓わせるアベル









木の家の枝が折れてハティは落下し大怪我を負う
アベルはトムを見て「とっとと失せやがれ!」と叱る
アベルもずっとトムが見えていたことが分かる!







邸宅に入ると家具が消えることはなく
成長したジェームズが母と相談しているのを聞く
ジェームズ:ハティも家と庭園の外の世間を見せなきゃいけない

ハティの部屋は今のトムの部屋で、少し大人になったハティが寝ている
床板を上げると秘密の場所があるのを教える

トム:また明日ね
ハティ:いつもそういうけど、何か月も経たなきゃ姿を見せないじゃない
トム:ボクは毎晩来てるよ








母は心配になり、次の土曜日には帰るようトムに言い渡す
トムは邸宅に戻らなければ、庭園で永遠に遊んでいられると思う

ハティに大時計の中を見せてもらうと、ふりこの重りに「もう時間がない」と書いてある
黙示録 第10章 1~6の引用

トムは人間はそれぞれ別々の時間を持っているのかもしれないと思いはじめる



ハティからスケートに誘われて、スケート靴を持っていないため
ハティのスケート靴を秘密の場所にしまってほしいと頼み
自分のベッドに戻り、靴を取り出して持っていく









その年はそこら中が凍るほど寒い年だった
川ではフィギュアスケートが流行っている(!

トムとハティはどんどん下流へ滑り、イーリーの大聖堂の塔にのぼって町を見下ろす
ずっとトムの手紙を読んで、同じ冒険をしてきたピーターも夢の中で塔にいる
ハティを紹介するが「大人の女の人じゃないか」と言われて、改めて気づく







すっかり夜になり、バーティ二世が馬車に乗せて家まで送ってくれる
2人は意気投合し、トムは退屈で馬車で眠り、ベッドで目を覚ます









最後の金曜日なのに、裏庭に出ると現代のままで、トムは「ハティ!」と叫んで泣き
叔父夫婦、バーソロミュー夫人も起きてしまう



自宅へ帰る土曜日
バーソロミュー夫人はトムに謝りに来いと言い、行くと
バーソロミュー夫人:あんたは血も肉もある本当の男の子だったんだね 私、ハティですよ







川が凍ったのは1895年
その1年後にハティはバーティ二世と結婚した
トムを最後に見たのは、雷雨でモミの木が倒れた日

ハティ:変わらないものなんて、何ひとつないものね

3人のいとこは家業を継いだ
ジェームズは結婚し、妻が亡くなり、商売が落ち目になり、外国へ移住する前に
邸宅、家具、土地も全部売り飛ばした

バーティは邸宅と大時計を買い戻してくれた
男の子が2人生まれたが、第一次世界大戦で戦死した

アベルはスーザンと結婚した









庭園がいつも晴れていたり、時間が飛び飛びだった理由がようやくわかった
ハティが見た夢に関係していた

ハティ:今度はピーターを連れてきなさい

2人は友だちのようにしっかり抱き合って別れた










訳者のことば

フィリパ・ピアス
『メダカ号セイ川をゆく』
『小さな小さな犬』

トマス・ハーディ『ウェセックスもの』などに通じる郷土意識が素晴らしい
本書に出てくるカースルフォドはケンブリッジのこと



作者あとがき
父は製粉工場主で、祖父も製粉工場を経営していた
ものすごく広い庭園があり、本書でこれらをみんなぶちこんだ

大叔母リジーが素人画家で、庭園の写真や絵をスーザン・アインツィヒに貸した

J.W.ダン『時間についての実験』を読み
夢の作用、物語の時間の経緯の枠組みを借りて書いた

閉ざされた庭は幼年時代の保護されている安全を意味する
川は人生の象徴で、たえず流れ、変化し、人間を運び去って行く

みんな、自分の中に子どもを持っているのだ


















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