メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア世界の文学6 北風の町の娘 ジョン・R・タウンゼンド 学習研究社

2024-10-14 21:58:21 | 
1971年初版 亀山龍樹/訳 矢吹申彦/ケース・イラスト

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【内容抜粋メモ】

登場人物
ロバート・テリー 父 教師
アマリリス 通称リル

クラフ家
フレッド 父
フローリー 母
ノーマン 息子 16歳
マーサ大おばさん

ロイ カーディーラー
シルビー ロイのGF
大地主のジョージ・ウィゼンス卿
シリア
サム・シウェイト 市会議員
ヒルダ 学校の友だち



ノーマンはオートバイを買うためにロイの店で週6ポンドでバイトしている
母フローリーは勉強ができるノーマンに学校を続けて欲しいと思っているが
ノーマンはすぐ働きたい

リルは10年前に母を亡くして、父と2人暮らしをしていたが
教師の父の転勤でヨークシャーに越してきた

以前住んでいた海辺の町ベルハンプトンと対照的に
煙突が林立するハラスエージに驚く

カラドック・クラフ
大地主のジョージ・ウィゼンス卿がハラスエージの公有地に囲いをして私有地にしてしまった
カラドックはフランク・シウェイトとともに一揆をおこして7年間の流刑となった
土地はまだウィゼンス家のもので、学生は電車に乗って運動場に行かなければならない

今、屋敷にいるのは美人のシリア
南仏のリビエラで過ごして、ハラスエージにはほぼいない
広大な所有地に銘文「わが財を手放すことなかれ」とある



翌日、ノーマンは母に言われて、遠いいとこのリルに町を案内するが
南から来たリルとは馬が合わないと感じる

ロバートとリルはこれから通う学校に慣れるため、終業式に出席すると
シリアが役員として出席してみんなの注目を集める

リルがシリアのジャガーに見惚れていて、会話を交わす
市会議員のシウェイト氏がロールスロイスで送ってくれ
何度もウィゼンス家の土地を市に譲って欲しいと掛け合ったが
シリアは1ミリたりとも渡さなかったと話す



上の階に住むジェームズは新ハラスエージ建設協会というグループを作り
建築家が模型を作って“汚いゴミ捨て場”と言われている場所を美しく変えようと計画しているが
費用5、600万ポンドのめどは立たない



ノーマンはリルをダンスに誘う
ロイとクリフはGFシルビーとエバを連れて来ている

隣りのテーブルに柄の悪いグループが来て、リルに絡み
ノーマンはリルを守ってケンカになる
ロイはリルをクルマで家に送ったことでノーマンが怒る

リルは生前のカラドック・クラフを知るマーサ大おばさんに会う
リルが10代で亡くなった妹マーガレットに瓜二つだと驚いて
刑期後のカラドック・クラフはジョージ・ウィゼンスと飲み友だちになったと話す

遺言で土地は市に返すと言ったが、孫のウィリアムはその覚書を捨ててしまった
マーサ大おばさんは祖父からその文言を聞いて覚えていたが誰もその謎が解けないまま

「『夜の思想』の、背後に、あらず」

カラドック・クラフと土地の問題に興味を持ったリルはノーマンに相談する
2人で3mもの塀を越えて、川で泳いでいるとシリアに見つかる

これまで彼女に近づいた者はお金目的で、何度も傷ついたことが分かって同情するリル
シリア:世間は私をバカにしてる 本当に腹が立つ
シリアは2人をお茶に招く



父は同僚と食事をするから、リルも友だちを連れて来てと言われ
終業式で案内してくれたヒルダを誘おうと家に行き、姉シルビー、ジャネットと会う

化粧や服に構わず勉強ばかりしているヒルダをバカにしている姉たち
ヒルダ:デートとおしゃれにうつつを抜かしてるうすばかのきょうだいよ!

みんなが揃ったところで例の謎を話すと、『夜の思想』はエドワード・ヤングの著書だと分かる
ウィゼンス家の図書室にその本があり、後ろに何かが隠されていると思われるが
「あらず(ノット)」の意味が分からない

ノーマンは断ったため、リルだけで行くつもりが
話を聞いたロイがクルマで屋敷まで送り
シリアはロイもお茶に誘う

ジョージが建てた監視塔の部屋に蔵書リストがあり
『夜の思想』に印がついているのを見つけて興奮する
フレッドはこれ以上カラドック・クラフと土地のことに関わるのは止めてくれとリルに言う

父に言われて、シリアに図書室を見せてほしいと手紙を書くが返事がない
電話をしたら切られてしまう
町中で会った時に聞くと、リルも土地を奪おうとしてると思って断られる

頭にきたノーマンはリルとともに深夜に図書室に忍び込む
『夜の思想』の後ろには節(ノット)があり、裏に古い封筒を見つける

ロイと出かけていたシリアが帰宅し、見つかって塔に逃げ
鐘にロープを縛っておりた際、古い鐘が落ちてきて大騒ぎになる

リルは封筒をジェームズに見せる
中には公有地のすべてをハラスエージに譲渡する、とあるが
証人の署名がないと無効

ノーマンは証書の写真を撮って、シウェイトに送った
新聞には、鐘が強風で倒れたと載る

シウェイトはシリアに不都合な事柄を並べて証書にサインするよう圧をかける
シウェイト:あとはわしに任せたらいい



父はリルのために1週間ベルハンプトンで過ごすよう言い、大喜びしているところに
シリアが来て、おかかえ弁護士のカッセルに言われたがサインはしないと言って去る

シリア:
あなたは近いうちに立ち退き請求を受ける
学校に報告すれば在学できなくなるでしょう

ノーマンは再びシウェイトに言って、飛行場に着く前にジャガーを停める
興奮したシリアは崖からクルマごと落ちて入院
奇跡的にかすり傷で済む



リルはベルハンプトンに来たが、期待したほど素晴らしくないことに気づく
BFマーチンにはGFがいて、彼を買いかぶっていたことが分かる
自分はもうこの町の人間ではなかった

早めに帰宅すると、またシウェイトが来ている
シリアがサインして土地は市に戻るし
家も立ち退かずに、学校も続けられるとのこと

リルはジェームズの新ハラスエージの模型を見せると興味を持つ

マーサ大おばさんは元気になり、ロイはシリアから金をもらえずシルビーと寄りを戻した
ヒルダはクリフと付き合い、ノーマンは学校を続ける決心をする
リルはシリアを見舞い、また会おうと約束する

新聞にハラスエージに土地が返還された記事が載る

リル:私はこの町の少女よ

世の中がうまくいくのは、北と南の2つが象徴するものがなければならなかった
荒々しさと優しさ、実際的な面とロマンティックな面、男らしさと女らしさ



ジョン・ロウ・タウンゼンド
ヨークシャーの工業都市リーズで生まれた
ハラスエージはリーズの分身
新聞社で編集の仕事をしながら、大学で児童文学の講義をした

『ぼくらのジャングル街』
『さよならジャングル街』
『海賊の島』
『闖入者』
『おやすみなさい、教授、愛をこめて』

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