
2010年初版 土屋京子/訳 ダン・アンドレイアセン/画
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
とうとうラストを読み終えて、自分も家族から引き離される思いがした
続いて読めるように、ローラ・シリーズも借りたけれども
ローラが思い出を記録として書いている文章は
クワイナー物語より素朴で簡素な感じがした
マーサの手紙やさまざまな資料を元に膨らませたキャロライン・シリーズは
会話を巧みに混ぜて、1人ひとりがイキイキと描かれていた
ローラの物語の中では、とうさん、かあさんはすっかり親であって
6歳からたどってきた少女と同じ人物とは思えない気がした
せっかく夢を実現させて教師になっても
結婚したらキャリアを諦めて、妻、母にならなきゃいけないのはもったいない
【内容抜粋メモ】
登場人物
クワイナー家
ヘンリー 父 事故で亡くなった
フレデリック・ホルブルック ケロッグ氏に雇われている
シャーロット 母
ジョゼフ 24歳
ヘンリー・オー 21歳
マーサ 19歳
キャロライン 17歳
イライザ 15歳
トーマス 13歳
ロティ 3歳
インガルス家
父 ランスフォード
母
長男 ピーター
次男 チャールズ
長女 リディア
次女 ポリー
三女 ドーシア
三男 ハイラム
末女 ジョージ
ランスフォード・ジェイムズ 通称ジェイミー
スパイヴィー家 娘ネル
ジェイソン 雑貨店 娘マディ
大地主のオースチン・ケロッグ氏 妻ローラ 娘マーガレット
「新学期」
キャロラインは母校コンコード町立学校の教師として初出勤する
別の町の学校で雇用が決まっていたけれども
リニー先生が東部の親戚から巨額の遺産を相続して辞めたため
1学期につき20ドルの給料で母校に決まった

マーサはミルトン未亡人のもとで週給1ドル50セントで家事手伝いをして家計を助けている
ジョゼフとヘンリーは近くの土地に丸木小屋を建てて暮らしている
マーサの友だちのネルはジェイコブと結婚して、赤ちゃんが産まれた
クラスには妹のイライザ、その友だちのマーガレット、親友ポリーも通っている
夏学期の生徒は15人ほどで、みんな落ち着いて授業を受けてくれる

「ジョン・フライデー」
貧しい家のジョンが初めて登校してくる
アルファベットを習うのも初めてで、ランチにも食べるものがない様子
母は亡く、父はケロッグ氏が経営する宿屋で働いているが酒飲みで、子どもの世話もしないという噂
キャロラインは少年のプライドを尊重しつつ、なんとか手助けできないものかと考える
「独立記念日」
チャーリーは流行最先端の2人乗り小型馬車にマーサを乗せる
立派な馬に乗ったリニーを見て、マディは見直した様子

キャロラインはチャールズと再会して、すっかりハンサムな青年になっていて驚く
今はピーターの土地の開墾を手伝っているが、いつかは誰もいない西部に行きたいと夢を語る
ケロッグ氏が演説し、リニー氏が独立宣言を暗唱、チャールズは得意のバイオリンを堂々と弾く

キャロラインはジョンに学校の用事を頼む代わりに、トーマスの古着をあげたり
ランチを多めに持っていって分けてあげる
夏学期最後の日、ジョンは母の形見と思われるリボンをお礼に渡して
本当は父の金を盗んで学校に通っていたと明かす
キャロラインは盗みやウソはいけないが、学習意欲と逆境に立ち向かう勇気を褒める
ケロッグ氏にジョンのことを相談して、手間仕事に雇ってくれることになる
*
日照りが続き、マーサは未亡人のもとで働く時間を増やし
キャロラインはジェイソン雑貨店で男物のシャツを縫う仕事をもらう
「秋学期」
ジョンは身なりを整え、ランチを持って登校する
ドーソン兄弟がイタズラをしても、体罰ではなく、居残りなどの罰を与え
勉強ができた時は褒めて、互いを競争させることで意欲を引き出すことに成功する
ジェイソンさんから縫い仕事をもらった時、チャールズと再会し、家まで送ってもらう
2人とも読書が好きで、いろいろな話題で盛り上がる
「トウモロコシの皮むきパーティー」
チャールズがスパイヴィー家でのトウモロコシの皮むきパーティーでバイオリンを弾くと聞いて心が弾む
赤い実が出ると、隣りに座る人にキスしなければならないゲームがあるため気をつけていると
リニーがキャロラインの横に座り、生徒には厳罰が必要だなどの話をして困ってしまう
ポリーが赤い実を当ててしまい、隣りに座るヘンリーにキスをして盛り上がる
食後、チャールズはバイオリンを弾いて、みんなはダンスに興じる

父の予想通り、雪が降り始めたのに、チャールズにダンスを申し込まれて
帰るタイミングを失うキャロライン
楽しい時間を過ごすが、外は猛吹雪に変わっていた!
スパイヴィー氏は若者に納屋に泊まるようすすめる
翌朝、牛に荷車を引かせて、ジョゼフらが雪かきしながら進めるも
いつもの何倍も時間がかかり、二度目の吹雪となり、やっとの思いでインガルス家に着く
雪が小降りになったのを見て、再び荷車を進め、やっと家路に着く
母は父の言うことを聞かずに分別がなかったことを注意したが
楽しい時間が過ごせて良かったと言ってくれる

「デートの季節」
パーティーの縁で、マディはリニーと付き合い、ヘンリーとポリーもいい雰囲気
「マウンテン・メドウズの虐殺」
ユタ準州でモルモン教徒が関わったと見られる虐殺事件が起きる
チャールズ:
僕は家族を守るために死ぬまで戦うと思う
ヨーロッパじゃ一握りの金持ちが土地を独り占めして
王や女王の命令に従わなきゃならないが
この国ではみな自由で平等だ
キャロライン:
私は家族や友だちのそばで暮らしたい
暴力に怯えながらじゃなく、教育や社会生活の恩恵を受けられる安全な場所で
「冬学期」
キャロラインと同い年のキャノン・マーシュという問題児に頭を悩ませる
先生の見ていない影でイタズラをして、ジョンをいじめている
ジョンをかばったジムがキャノンと大喧嘩になり
キャロラインはムチを出して怒り、2人を下校させ
また同じことになったら退学にすると厳しく言い渡す

後日、キャノンの父親が来て、キャロラインを見下し
お金を払っているのに退学とはどういうことだ、ムチで打てばいいだけだと主張する
ジムは謝るが、キャノンは反省せず、またいたずらを繰り返し
またジムとケンカとなったため、キャノンを退学処分にすると
父親は怒って、勉強のできる次男も退学させてしまう
キャロラインは子どもたちに平等に学ぶ権利を与えるには他にどんな方法があったかと悩む
*
チャールズはダコタ準州で、申請して5年住めば、タダで自分の土地になると興奮して語り
住めるようになったらキャロラインを迎えに行きたいと話すが
キャロラインは幸運を祈っていると言って断ってしまう
ヘンリーはポリーと結婚が決まる
キャロラインは母さんに気持ちを打ち明ける
母:
あなたは破裂しそうになるまでガマンする子だった
時には頭だけじゃなくて心の声も聴かないと
私も仕立ての仕事を辞めたくなかったけど
彼が望むならこの世の果てまでついていこうと思った
悲しみも喜びも人生の大切な要素なのよ
それをどう受け止めていくかが生きるということなの
日曜の教会の後、チャールズはキャロラインをドライブに誘う
小さな空き地に連れて行き、父が土地をくれたと話す
チャールズ:
この先ずっと同じ場所に住み続けると約束はできないが
しばらくは君のためにこの場所で頑張ってみようと思う
キャロラインはイエスと答える
コンコードだろうと、遠い所だろうと、「わが家は、心があるところ」だと確信する
■エピローグ
1858年 ヘンリーとポリーが結婚
1860年 キャロラインとチャールズが結婚
1861年 イライザはピーターと結婚
マーサはチャーリーと結婚
トーマスはリリアン・ヒルと結婚 1903年 伐採現場の事故で59歳で亡くなった
インガルス家の多くがウィスコンシン州ペピンに移住した時
キャロラインとチャールズも加わった
南北戦争も森に住む開拓農民には遠い出来事
1865年 長女メアリ誕生
1867年 ローラ誕生
ジョゼフはナンシー・フランクと結婚
1862年 南北戦争の「シャイローの戦い」で負傷し、27歳で亡くなった(!
ヘンリーは45歳、ポリーは46歳で亡くなったのも早くないか?
母シャーロットはジョゼフの前にマーサを生み、4歳で亡くしている
そのシャーロット・シリーズ、祖母マーサ・モース・シリーズもある!
まだ和訳出版されていないのが残念
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
とうとうラストを読み終えて、自分も家族から引き離される思いがした
続いて読めるように、ローラ・シリーズも借りたけれども
ローラが思い出を記録として書いている文章は
クワイナー物語より素朴で簡素な感じがした
マーサの手紙やさまざまな資料を元に膨らませたキャロライン・シリーズは
会話を巧みに混ぜて、1人ひとりがイキイキと描かれていた
ローラの物語の中では、とうさん、かあさんはすっかり親であって
6歳からたどってきた少女と同じ人物とは思えない気がした
せっかく夢を実現させて教師になっても
結婚したらキャリアを諦めて、妻、母にならなきゃいけないのはもったいない
【内容抜粋メモ】
登場人物
クワイナー家
ヘンリー 父 事故で亡くなった
フレデリック・ホルブルック ケロッグ氏に雇われている
シャーロット 母
ジョゼフ 24歳
ヘンリー・オー 21歳
マーサ 19歳
キャロライン 17歳
イライザ 15歳
トーマス 13歳
ロティ 3歳
インガルス家
父 ランスフォード
母
長男 ピーター
次男 チャールズ
長女 リディア
次女 ポリー
三女 ドーシア
三男 ハイラム
末女 ジョージ
ランスフォード・ジェイムズ 通称ジェイミー
スパイヴィー家 娘ネル
ジェイソン 雑貨店 娘マディ
大地主のオースチン・ケロッグ氏 妻ローラ 娘マーガレット
「新学期」
キャロラインは母校コンコード町立学校の教師として初出勤する
別の町の学校で雇用が決まっていたけれども
リニー先生が東部の親戚から巨額の遺産を相続して辞めたため
1学期につき20ドルの給料で母校に決まった

マーサはミルトン未亡人のもとで週給1ドル50セントで家事手伝いをして家計を助けている
ジョゼフとヘンリーは近くの土地に丸木小屋を建てて暮らしている
マーサの友だちのネルはジェイコブと結婚して、赤ちゃんが産まれた
クラスには妹のイライザ、その友だちのマーガレット、親友ポリーも通っている
夏学期の生徒は15人ほどで、みんな落ち着いて授業を受けてくれる

「ジョン・フライデー」
貧しい家のジョンが初めて登校してくる
アルファベットを習うのも初めてで、ランチにも食べるものがない様子
母は亡く、父はケロッグ氏が経営する宿屋で働いているが酒飲みで、子どもの世話もしないという噂
キャロラインは少年のプライドを尊重しつつ、なんとか手助けできないものかと考える
「独立記念日」
チャーリーは流行最先端の2人乗り小型馬車にマーサを乗せる
立派な馬に乗ったリニーを見て、マディは見直した様子

キャロラインはチャールズと再会して、すっかりハンサムな青年になっていて驚く
今はピーターの土地の開墾を手伝っているが、いつかは誰もいない西部に行きたいと夢を語る
ケロッグ氏が演説し、リニー氏が独立宣言を暗唱、チャールズは得意のバイオリンを堂々と弾く

キャロラインはジョンに学校の用事を頼む代わりに、トーマスの古着をあげたり
ランチを多めに持っていって分けてあげる
夏学期最後の日、ジョンは母の形見と思われるリボンをお礼に渡して
本当は父の金を盗んで学校に通っていたと明かす
キャロラインは盗みやウソはいけないが、学習意欲と逆境に立ち向かう勇気を褒める
ケロッグ氏にジョンのことを相談して、手間仕事に雇ってくれることになる
*
日照りが続き、マーサは未亡人のもとで働く時間を増やし
キャロラインはジェイソン雑貨店で男物のシャツを縫う仕事をもらう
「秋学期」
ジョンは身なりを整え、ランチを持って登校する
ドーソン兄弟がイタズラをしても、体罰ではなく、居残りなどの罰を与え
勉強ができた時は褒めて、互いを競争させることで意欲を引き出すことに成功する
ジェイソンさんから縫い仕事をもらった時、チャールズと再会し、家まで送ってもらう
2人とも読書が好きで、いろいろな話題で盛り上がる
「トウモロコシの皮むきパーティー」
チャールズがスパイヴィー家でのトウモロコシの皮むきパーティーでバイオリンを弾くと聞いて心が弾む
赤い実が出ると、隣りに座る人にキスしなければならないゲームがあるため気をつけていると
リニーがキャロラインの横に座り、生徒には厳罰が必要だなどの話をして困ってしまう
ポリーが赤い実を当ててしまい、隣りに座るヘンリーにキスをして盛り上がる
食後、チャールズはバイオリンを弾いて、みんなはダンスに興じる

父の予想通り、雪が降り始めたのに、チャールズにダンスを申し込まれて
帰るタイミングを失うキャロライン
楽しい時間を過ごすが、外は猛吹雪に変わっていた!
スパイヴィー氏は若者に納屋に泊まるようすすめる
翌朝、牛に荷車を引かせて、ジョゼフらが雪かきしながら進めるも
いつもの何倍も時間がかかり、二度目の吹雪となり、やっとの思いでインガルス家に着く
雪が小降りになったのを見て、再び荷車を進め、やっと家路に着く
母は父の言うことを聞かずに分別がなかったことを注意したが
楽しい時間が過ごせて良かったと言ってくれる

「デートの季節」
パーティーの縁で、マディはリニーと付き合い、ヘンリーとポリーもいい雰囲気
「マウンテン・メドウズの虐殺」
ユタ準州でモルモン教徒が関わったと見られる虐殺事件が起きる
チャールズ:
僕は家族を守るために死ぬまで戦うと思う
ヨーロッパじゃ一握りの金持ちが土地を独り占めして
王や女王の命令に従わなきゃならないが
この国ではみな自由で平等だ
キャロライン:
私は家族や友だちのそばで暮らしたい
暴力に怯えながらじゃなく、教育や社会生活の恩恵を受けられる安全な場所で
「冬学期」
キャロラインと同い年のキャノン・マーシュという問題児に頭を悩ませる
先生の見ていない影でイタズラをして、ジョンをいじめている
ジョンをかばったジムがキャノンと大喧嘩になり
キャロラインはムチを出して怒り、2人を下校させ
また同じことになったら退学にすると厳しく言い渡す

後日、キャノンの父親が来て、キャロラインを見下し
お金を払っているのに退学とはどういうことだ、ムチで打てばいいだけだと主張する
ジムは謝るが、キャノンは反省せず、またいたずらを繰り返し
またジムとケンカとなったため、キャノンを退学処分にすると
父親は怒って、勉強のできる次男も退学させてしまう
キャロラインは子どもたちに平等に学ぶ権利を与えるには他にどんな方法があったかと悩む
*
チャールズはダコタ準州で、申請して5年住めば、タダで自分の土地になると興奮して語り
住めるようになったらキャロラインを迎えに行きたいと話すが
キャロラインは幸運を祈っていると言って断ってしまう
ヘンリーはポリーと結婚が決まる
キャロラインは母さんに気持ちを打ち明ける
母:
あなたは破裂しそうになるまでガマンする子だった
時には頭だけじゃなくて心の声も聴かないと
私も仕立ての仕事を辞めたくなかったけど
彼が望むならこの世の果てまでついていこうと思った
悲しみも喜びも人生の大切な要素なのよ
それをどう受け止めていくかが生きるということなの
日曜の教会の後、チャールズはキャロラインをドライブに誘う
小さな空き地に連れて行き、父が土地をくれたと話す
チャールズ:
この先ずっと同じ場所に住み続けると約束はできないが
しばらくは君のためにこの場所で頑張ってみようと思う
キャロラインはイエスと答える
コンコードだろうと、遠い所だろうと、「わが家は、心があるところ」だと確信する
■エピローグ
1858年 ヘンリーとポリーが結婚
1860年 キャロラインとチャールズが結婚
1861年 イライザはピーターと結婚
マーサはチャーリーと結婚
トーマスはリリアン・ヒルと結婚 1903年 伐採現場の事故で59歳で亡くなった
インガルス家の多くがウィスコンシン州ペピンに移住した時
キャロラインとチャールズも加わった
南北戦争も森に住む開拓農民には遠い出来事
1865年 長女メアリ誕生
1867年 ローラ誕生
ジョゼフはナンシー・フランクと結婚
1862年 南北戦争の「シャイローの戦い」で負傷し、27歳で亡くなった(!
ヘンリーは45歳、ポリーは46歳で亡くなったのも早くないか?
母シャーロットはジョゼフの前にマーサを生み、4歳で亡くしている
そのシャーロット・シリーズ、祖母マーサ・モース・シリーズもある!
まだ和訳出版されていないのが残念