昭和53年初版 昭和59年再版 小沢政雄/訳 梶鮎太/装幀 赤星亮衛/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
名前が有名すぎて難解かと犬猿していたら、そうでもなかったが
ロシア名は覚えづらく、1つの名前にいろんな愛称があって、誰が誰だか分からなくなる
『少女時代』『青年時代』と続編もある
【内容抜粋メモ】
登場人物
ニコーレンカ・イルテーネフ 10歳の貴族の少年
ウォロージャ 兄
リューボチカ 姉
カルル・イワーヌイッチ 家庭教師
ナターリヤ・サーヴィシナ 母の乳母
ソーネチカ 12歳の美少女
※農奴:封建社会で地主に使われた、奴隷と農民の中間的身分
ニコーレンカの10歳の誕生日の3日後
ママが死んで埋葬に運ばれる夢を見たとウソをつく(重要な伏線になっている
片目がつぶれている巡礼のグリーシャは神がかり行者
(白痴をよそおい、予言能力があると信じられている人
こんな人が一緒に館に住んでるんだろうか?
“母も一緒に行く”と言っていたのに、結局は行かなかったのね
モスクワへ行く前に狩りに出かける
ニコーレンカはウサギを逃がしてしまう
『スイスのロビンソン』の話が出てきてビックリ/驚
先日読んだばかりでリンクした
この時代にもう出版されて、世界で読まれてたってスゴイなあ
元軍人の父は賭け事と女が大好きで、あらゆる身分の女性と関係を持った(!
(この時代って、主人が女中に手を出して、みなしごもたくさんいたのでは?
父はカルルを子どもたちと一緒に連れて行くよう変更した
カルルが自分の子ども同然にかわいがっていると話したため
ナターリヤ・サーヴィシナ
蔵の鍵を預かる身として、主家の財産を死ぬまで守った
その礼に農奴放免免状を渡すと、自分は不要になったと思い
出て行こうとするのを母は泣いて引き留めた
彼女の全生涯は愛と自己犠牲だった
母と泣いて別れる
父:永久に別れるわけじゃないんだから
馬車から見えた母の頭を包む空色のネッカチーフが風に吹かれる様子が美しい
“幼年時代の2つのもっとも優れた徳
穢れを知らぬほがらかさと、限りない愛を求める心が
生活でのただ一つの動機であった”
モスクワに着いて1か月 祖母の名のお祝いパーティー
ニコーレンカは詩を自作したが、最後に“愛し、まつらむ 生みの母さながらに”に満足がいかない
カルルは手作りの小箱、兄ウォロージャは絵をプレゼントして
自作の詩をあげるのが恥ずかしくなるニコーレンカ
それでも祖母はステキだと褒めてくれる
コルナコーワ公爵夫人
子どものしつけのためにムチで殴るのを好まない祖母と意見が食い違う
イワン・イワーヌイッチ公爵は、唯一、祖母を「ねえさん」と呼び対等に話す
祖母:
あれ(ニコーレンカの母)は、あの男(ニコーレンカの父)の言うことをなんでも信じきっている
あの男にはあれの値打ちが分からないし、理解できない
イワンは父を立派な紳士だとフォローする
イーヴィン兄弟
ほぼ同年代の2人と仲良くなるニコーレンカ
セリョージャに対しては、まるで恋しているように夢中になる
イーリンカが加わるが、3人はなぜか笑いものにして泣かせ
「女だ 泣き虫だ」といじめる
12歳の美少女ソーネチカに一目ぼれする男の子たち
ダンスが始まるが、ニコーレンカはまともな手袋がないと気づいて焦る
踊り方も自分が知ってるやり方じゃなくて、終わったと思うが
ワインを飲んで陽気になり、ソーネチカはよく笑い、仲良くなる
ニコーレンカは母も認めるほど顔にコンプレックスがあって
恋人同士になることなど望めないと諦めている
*
母が重体と聞いて、父と子どもたちは村に帰る
母からの最後の手紙には狂わしいほどの家族への愛が綴られている
「私は愛が永遠に存在するであろうことを知っています
私はこの世を去りますが、私の愛はけしてあなたを見捨てないことを忘れないで
さようなら、私の天使」
家族が着いた時、母は臨終に近い状態
“ママは恐ろしい苦しみのうちに亡くなった”
(苦しんでいるように見えても、もう魂は体から出ていて、苦しんでいないって臨死体験者は言うよね
10歳の子どもに母親の苦しむ姿をまともに見せたり、語ったりするのはどうなんだろう、と思う
まだ幼いニコーレンカは告別式で泣きながらも
どこか冷静に周囲の人びとの仕草を観察している
葬儀が終わると、いつもの生活が始まり、そこに母だけがいないことが辛くなる
ナターリヤ:あの方は人間ではなく天使だったのでございますよ
深い悲しみに泣いていたのに、女中が法事の料理用の食材をもらいに来ると
即座に出し惜しみする態度の切り替えの早さに驚く
葬儀の3日後、一家はまた祖母の家に行く
祖母は初めて娘の死を聞いて、ショックで1週間も失神していた
“母の死とともに、僕の幸福な幼年時代は終わった”
ナターリヤは母の死後、手持ち無沙汰となり、水腫病になり
長持の中のすべてを明細に目録にして女の管理人に引き渡してから亡くなった
彼女の全生涯は、純粋な私心のない愛と献身であり
悔いと怖れなしに死んだ
■解説
レフ・トルストイ 1828~1910 ロシアの古い名門貴族だった
日本の近代文学に深い影響を与えた
本作はロシアの1830~40年代の貴族社会の生活がいきいきと描かれている
当時のロシアは専制政治、農奴制、ギリシア正教という3つの悪があった
ウォロージャは実兄セルゲイ、リューボチカは妹マリア
カルルはドイツ人家庭教師フョードル・ロセリをモデルにしたと言われる
トルストイの母は彼が2歳の時に亡くなり、父は9歳の時に亡くなったため
自伝ではなく、あくまで小説として書かれている
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
名前が有名すぎて難解かと犬猿していたら、そうでもなかったが
ロシア名は覚えづらく、1つの名前にいろんな愛称があって、誰が誰だか分からなくなる
『少女時代』『青年時代』と続編もある
【内容抜粋メモ】
登場人物
ニコーレンカ・イルテーネフ 10歳の貴族の少年
ウォロージャ 兄
リューボチカ 姉
カルル・イワーヌイッチ 家庭教師
ナターリヤ・サーヴィシナ 母の乳母
ソーネチカ 12歳の美少女
※農奴:封建社会で地主に使われた、奴隷と農民の中間的身分
ニコーレンカの10歳の誕生日の3日後
ママが死んで埋葬に運ばれる夢を見たとウソをつく(重要な伏線になっている
片目がつぶれている巡礼のグリーシャは神がかり行者
(白痴をよそおい、予言能力があると信じられている人
こんな人が一緒に館に住んでるんだろうか?
“母も一緒に行く”と言っていたのに、結局は行かなかったのね
モスクワへ行く前に狩りに出かける
ニコーレンカはウサギを逃がしてしまう
『スイスのロビンソン』の話が出てきてビックリ/驚
先日読んだばかりでリンクした
この時代にもう出版されて、世界で読まれてたってスゴイなあ
元軍人の父は賭け事と女が大好きで、あらゆる身分の女性と関係を持った(!
(この時代って、主人が女中に手を出して、みなしごもたくさんいたのでは?
父はカルルを子どもたちと一緒に連れて行くよう変更した
カルルが自分の子ども同然にかわいがっていると話したため
ナターリヤ・サーヴィシナ
蔵の鍵を預かる身として、主家の財産を死ぬまで守った
その礼に農奴放免免状を渡すと、自分は不要になったと思い
出て行こうとするのを母は泣いて引き留めた
彼女の全生涯は愛と自己犠牲だった
母と泣いて別れる
父:永久に別れるわけじゃないんだから
馬車から見えた母の頭を包む空色のネッカチーフが風に吹かれる様子が美しい
“幼年時代の2つのもっとも優れた徳
穢れを知らぬほがらかさと、限りない愛を求める心が
生活でのただ一つの動機であった”
モスクワに着いて1か月 祖母の名のお祝いパーティー
ニコーレンカは詩を自作したが、最後に“愛し、まつらむ 生みの母さながらに”に満足がいかない
カルルは手作りの小箱、兄ウォロージャは絵をプレゼントして
自作の詩をあげるのが恥ずかしくなるニコーレンカ
それでも祖母はステキだと褒めてくれる
コルナコーワ公爵夫人
子どものしつけのためにムチで殴るのを好まない祖母と意見が食い違う
イワン・イワーヌイッチ公爵は、唯一、祖母を「ねえさん」と呼び対等に話す
祖母:
あれ(ニコーレンカの母)は、あの男(ニコーレンカの父)の言うことをなんでも信じきっている
あの男にはあれの値打ちが分からないし、理解できない
イワンは父を立派な紳士だとフォローする
イーヴィン兄弟
ほぼ同年代の2人と仲良くなるニコーレンカ
セリョージャに対しては、まるで恋しているように夢中になる
イーリンカが加わるが、3人はなぜか笑いものにして泣かせ
「女だ 泣き虫だ」といじめる
12歳の美少女ソーネチカに一目ぼれする男の子たち
ダンスが始まるが、ニコーレンカはまともな手袋がないと気づいて焦る
踊り方も自分が知ってるやり方じゃなくて、終わったと思うが
ワインを飲んで陽気になり、ソーネチカはよく笑い、仲良くなる
ニコーレンカは母も認めるほど顔にコンプレックスがあって
恋人同士になることなど望めないと諦めている
*
母が重体と聞いて、父と子どもたちは村に帰る
母からの最後の手紙には狂わしいほどの家族への愛が綴られている
「私は愛が永遠に存在するであろうことを知っています
私はこの世を去りますが、私の愛はけしてあなたを見捨てないことを忘れないで
さようなら、私の天使」
家族が着いた時、母は臨終に近い状態
“ママは恐ろしい苦しみのうちに亡くなった”
(苦しんでいるように見えても、もう魂は体から出ていて、苦しんでいないって臨死体験者は言うよね
10歳の子どもに母親の苦しむ姿をまともに見せたり、語ったりするのはどうなんだろう、と思う
まだ幼いニコーレンカは告別式で泣きながらも
どこか冷静に周囲の人びとの仕草を観察している
葬儀が終わると、いつもの生活が始まり、そこに母だけがいないことが辛くなる
ナターリヤ:あの方は人間ではなく天使だったのでございますよ
深い悲しみに泣いていたのに、女中が法事の料理用の食材をもらいに来ると
即座に出し惜しみする態度の切り替えの早さに驚く
葬儀の3日後、一家はまた祖母の家に行く
祖母は初めて娘の死を聞いて、ショックで1週間も失神していた
“母の死とともに、僕の幸福な幼年時代は終わった”
ナターリヤは母の死後、手持ち無沙汰となり、水腫病になり
長持の中のすべてを明細に目録にして女の管理人に引き渡してから亡くなった
彼女の全生涯は、純粋な私心のない愛と献身であり
悔いと怖れなしに死んだ
■解説
レフ・トルストイ 1828~1910 ロシアの古い名門貴族だった
日本の近代文学に深い影響を与えた
本作はロシアの1830~40年代の貴族社会の生活がいきいきと描かれている
当時のロシアは専制政治、農奴制、ギリシア正教という3つの悪があった
ウォロージャは実兄セルゲイ、リューボチカは妹マリア
カルルはドイツ人家庭教師フョードル・ロセリをモデルにしたと言われる
トルストイの母は彼が2歳の時に亡くなり、父は9歳の時に亡くなったため
自伝ではなく、あくまで小説として書かれている