メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『翔んだカップル』(1980)@国立映画アーカイブ(12.7

2021-12-08 13:51:24 | 映画
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU (東京都)

監督 : 相米慎二

出演:
田代勇介:鶴見辰吾
山葉圭:薬師丸ひろ子
中山わたる:尾美としのり
杉村秋美:石原真理子
絵里:前村麻由美
和田先生:円広志
織田隼人:西田浩
サル:吉見秀幸
キツネ:酒井康明
タヌキ:斉藤建夫
榊:岡竜也
静子:長谷川純代
マリ:石川ルミ
教頭:三谷昇
スナックジョーカーのマスター:柳生博
文化祭のバンド:H2O
星田:真田広之
志津:原田美枝子
バンド:羅文

主題歌 「BOYS」ルイス(作詞:青柳つとむ 作曲・編曲:木森敏之)
挿入歌 「ローレライ」H2O(作詞:赤塩正樹・山川啓介 作曲:中沢堅司 編曲:林立夫・深町純)




再映:2020年度の上映企画から「松竹第一主義」「三船敏郎」「原節子」「1980年代日本映画」@国立映画アーカイブ


 



スクリーンで観る機会があるなんてラッキーv
当時観なかったのは、角川じゃなかったせいか?
同時上映はアニメの『まことちゃん』って/驚×5000(ウィキ参照

薬師丸ひろ子、鶴見慎吾、尾美としのりの共演ってだけで贅沢すぎる!!

国立映画アーカイブは映画の博物館という感じで
ミニシアターとは違った雰囲気と企画があって毎回気になる

チケットが安いのも有難いが、コロナの影響の再映ということもあって
HPがごちゃごちゃのままで分かりづらい/汗

問い合わせたら、なぜか国立博物館にかかり
HPのことまでは分からないということで
とりあえずぴあで席を予約
※電話、セブンの端末では席は選べない

まずセブンで引き換え券(330円?)を出してから
「クローク」で番号を出して、再びレジでチケットにかえる二度手間
こんなに複雑だと高齢者は分からないぞ、きっと




当日は予想最高気温が14度くらいの寒さで、時々雨のマーク






館内では、手の消毒、検温、自分でもぎり
2階の劇場は縦長だから、中央を選んで正解

予約制だけど、開演前にスタッフさんが
「密にならない程度に別の席に移っていただいて結構です」と言い

中央席は並び合っていたから
みんな好きな席に散って観た

高齢男性が多くて意外
1980年代にそれほど思い入れがあるとも思えないけど
所々のセリフや仕草に何度も笑いが起きていた

笑わせて、泣かせる映画っていいね
子どもでもなく、大人でもない年代独特の感情の揺れ
この時代のいろんなブームも取り混ぜて
とても貴重な1本





【内容抜粋メモ】

転校生の挨拶で緊張している田代勇介
トイレでそれを聞いていた中山わたるにも挨拶するw

「ブスばっかりだ」とガッカリしているところに
遅刻した山葉圭が校庭を走ってきて、思わずマンガのヒロインに見える
(これが原作なのか

ケイが怒られないように、窓の外を見て「あーーーー!!」と注意を引き
写真が撮られたように止まる

こうした何気ない一瞬一瞬の積み重ねなんだね、青春も人生も

担任の先生も面白いなあw
英語の授業で「発音が悪いから先生の後にリピート」って
思いきり日本語読みって志村けんの動画を先日観たばかりで
それより面白かったww


「さっきは助けてくれてありがとう」と明るく声をかけるケイ

タシロはボクシング部に入る
とんでもなく厳しい部で入った1年生がどんどん辞めて
タシロも限界だと逃げようとしているところに
ケイから頑張って!と言われてタイミングを逃す

ここの部長はケイちゃんが大好き


タシロは叔父の家を借りてて?、間借り人を募集していたが
引っ越してきたのはケイ!


タシロ:だから男にしろってあれほど言ったのに!

すぐに解約してもらおうと電話をかけようとして止めるケイ

ケイ:敷金・礼金も払ったのよ! 次の仕送りがくる1か月だけでも

1か月だけという約束で仕方なく同居を始める2人
電話が鳴るたび、どちらがとるかとモメる

タシロ:学校にバレたら退学ものだぜ

帰宅の時も途中まで一緒に歩き、「バイバイ」と言って
先にケイが入り、後からタシロが帰る


川辺にハイキングみたいな行事?で
ケイは2人分の弁当を作ったのに
同じおかずじゃバレるから、「弁当忘れた」と言って
他のコのおかずをもらってるタシロ

クラスの秀才・杉村秋美は真逆なタイプのタシロに惹かれて
大人の魅力で迫る(何気にモテモテじゃん

ケイが「手作りのクッキー作ってあげる!」と張り切っても
先を越されて、「杉村からもらった」

ケイ:不味い
タシロ:やきもちか?w

怒ったケイはタシロが拾って直した自転車に乗るが
ブレーキがきかずにゴミに激突

タシロ:自転車くらい買ってやるよ!

買ったのはローラースケート
家の中まで走り回る2人

契約更新の日
タシロ:もう1か月か・・・ こんなに美味いなら、毎日君の料理を食べればよかった

結局そのままケイは住み続ける


部員に部屋を覗かれ、部長に同棲がバレる
部長:これから無期限で世話になるから
と勝手に一緒に住みはじめ、早朝からロードワーク

部長にどちらを選ぶかと迫られて
ケイ:どちらとも言えないこともあると思います

(迷っていることをそのまま伝えるってなかなか出来ることじゃないからスゴイなあ

外でボクシングでカタをつけようとして
部長に本気でヤラれ、白いタオルを投げ入れるケイ



タシロは杉村、ケイはワタルとデートしていて、途中で鉢合わせて気まずくなる

「夜、遊びに来て」と杉村に誘われるまま高級マンションに呼ばれるが
キスを拒んでしまうタシロ



夏休みは実家の九州に帰って、大自然の中で自由に過ごす
帰りの電車で、ケイが「待ってたの!」と迎え
お土産のブローチ(!)をあげていい雰囲気になる





それが周りにバレて、うらぶれた温泉旅館でなにか互いに食べながら

タシロ:
オレたちキレイなままだったよな
ケイを死亡解剖したら、みんなきっと驚いて泣くぞ

という夢落ちw


実際は「覗かれるのは怖いから2階を借りるね」といつものケイ
タシロ:2階は使うなって言われてるんだ

ケイにふざけてコブラツイストや四の字固めをかけているうちに接近して
思わず襲って、告白する

タシロ:好きなんだよ オレのことはどう思ってるんだ?

ケイ:高校3年間あるのに、その間に私は子ども抱えてミルクをあげなきゃならないの?!

飛躍した考えを笑い飛ばすタシロ



部長から試合に出ろと急に言われて
練習試合で先輩がわざと負けたと分かって荒れる

ケイは年上の先輩にディナーをご馳走になったと話して
今度はタシロがやきもちを焼いて、杉村の家にいると
カンカンに怒ったケイが試合の連絡の紙を渡しに来る





ケイ:
何しに来たか忘れちゃったわよ
クッキー食べ過ぎないでね、減量中なんだから!

杉村:帰ってあげなよ ケイちゃん待ってるよ


家に戻ると、2階のタンスから大人びた服を着て
真っ赤な口紅を塗っているケイ

ケイ:私、杉村さんとどっちがキレイ?

タシロ:
君は可愛いよ そんなんじゃないんだ!
頼むから、なあ、いつもみたいに笑ってくれよ!

2人はそのままひと晩過ごす


家まで尾いて来たワタルは2人の同棲を知る
1人で遊園地に行き、爆弾予告の電話をかけた後
公衆電話から教頭に2人の同棲を告げる

担任がケイの荷物をトラックに積む

ケイに敷金と家賃の日割り分を返すところが変に律儀で可笑しい
ケイ:また、明日


以前、ワタルに教えてもらったスナックに行くと
マスターは夜逃げした後

ケイとの関係が終わったことを話し
残された娘と一緒に酒を飲んでひと晩過ごす

「まだ名前、聞いてなかったね」


杉村:私、留学する 前から決めていたことなの

ケイ:その日はタシロくんの試合の日じゃない

杉村:私の代わりに応援しといて



文化祭
自作のもぐらたたきの中で客を待つが誰も来ない
ワタルが来て、大きく手を振って迎える

ワタル:オレ・・・

タシロ:いいんだよ、もう


ケイと杉村がやって来て、もぐらたたきをやるが
途中でワタルが泣いてしまう

タシロ:ちゃんと働けよ・・・

(泣けるなあ




ボクシングの試合
杉村に教わったとおり、集中のポーズをしてみせるが
すでに集中しているタシロにはケイが見えていない

ちょっと悲しくなるが、すぐにいつもの笑顔に戻って終わる






まだまだみんなの未来にはたくさんの選択肢があるものね

竹の子族とかも出てきて、80年代の日本の記録でもある
デートにピンクのワンピース、斜めがけのポシェットって
ひろ子ちゃんのファッションも可愛い

「芋!」
「焼き芋!」
「ふかし芋!」

なんて子どもなやりとりも自然



ものすごい甘酸っぱさ!
観始めてすぐ、ああ、昔ビデオで観たなと思い出した

『翔んだカップル』

鶴見辰吾さんのファンになったのはいつだったかな
『乳姉妹』(1985)?

ひろ子ちゃんの明るく、よく通る声はエネルギーをもらう
複雑な思いを抱えた時の表情のアップに惹き込まれる

新入生の部活の勧誘とか
ボクシングの試合を応援とか
『ねらわれた学園』を思わせる
秀才の女のコも宇宙人?

心の中のベストフィルムまとめ 角川映画


声は後で録音して合わせたのかな?
時々早口に言い捨てたり
呟いたりするところが聞き取れなかったけど
それもそれでリアルな空気が出てる

ひろ子ちゃんを探して、部屋を歩き回る場面は
まるで本人がスマホで撮っているようなカメラワーク

ひろ子ちゃんの年上のBF役が真田広之さんで
その恋人役が原田美枝子さん!!


 


甘い声と大人の魅力にヤラれる!
慣れた様子でタバコを吸ってみせる
ほんの1分ほどの友情出演も豪華


そして、欠かせないのは尾美としのりさん
黒メガネで秀才くんだけど、正反対の主人公と友だちになる

道路の真ん中で座り込んだり
坂道をのぼりながら落語の長セリフとか
本当に若い頃から何をやらせても
その場に誰より馴染んでる

『転校生』では、女のコと入れ替わっちゃう学園ものの主人公を演ってたね


ひろ子ちゃんは、小さい頃から主要な映画界、ドラマ、歌手としても
エポックメイキング的存在なのに、本人はいつも自然体で
様々な役柄に真摯に新鮮に取り組んでいて、日本の至宝だなあ



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