メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

Rumbling man Blues 2

2006-02-09 23:55:54 | lyrics
あすこにいるスポンサーは不機嫌だ
あすこに不機嫌な顔のスポンサーが立っている

奴を見なよ
とても腕のいいギャンブラーには見えないね
彼はチップを置く場所を間違えたんだ


俺は今夜8時までここに居なきゃならない
脳のないかかしみたいに
太い針が8にくるまでここに居なきゃならない
どうしてだか分かるかい

これは契約だ
どこもかしこも いまいましい契約で
がんじがらめになっていやがる


金は問題じゃない、イメージだ
金なんか問題じゃない、イメージなんだ

スポンサーのイメージ、ショーのイメージ
スターのイメージ、ホールのイメージ
なんでもかんでもイメージがすべて


さあ、8時だ ここを出よう
延々続くこのショーにもう俺の居場所などない

支えがなくたって歌っていけるさ
なんなら通りで流してもいい
ブルースを歌いたい気分だ


外は雨が冷たく優しい
でも俺が家に帰れば
やさしい両腕が包み込んでくれる

俺が家に帰ったら
やさしい両腕が俺を待っていてくれるのさ

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Rumbling man Blues 3

2006-02-09 23:55:53 | lyrics
電車の中刷り広告で
エルヴィスはヴァージンが好きで
おまけに不能だと言っていた
他に書くべきことはないのかい?

俺は見たいんだ 嘘なんかじゃない
いつかのビデオじゃ 彼が大げさに腰を振って
何千、何万の女も男も
気ちがいみたく叫んでた

かつてのセックス・シンボルが今は墓の下
怒りうめいていることだろう
エルヴィスには興味はないが


デカい声でがなりたてりゃよかったんだ
そうすれば誰も俺のいうことなんて
耳を貸さないだろう

帰ってディランでも聴こう
あいさつも出来ないくらい疲れているが
じゃあなぜこんなことを喋ってるかって
俺が偉大なる偽善者だからさ



空鳴りの電話にドアベル
すべての義務や守られるべきモラルは
地面の裂け目に墜ちてゆく

ホラ、感じるだろう

そして目の前は赤い訂正文字で埋め尽くされて
醜く曇ってゆく
ヒーターの目盛りをいくら上げても
部屋からもれる薄ら寒さは消えない

どうせここは俺の居る場所じゃない
荷物はいつだってまとめてあるんだ


意味もなく手紙を書きすぎて
言うべき言葉を失くしちまった
やるべきことはありすぎて
それに値する時間は残っていない
無数の囁き声は外壁にぶつかって
拒まれている


I lost three empty days.
誰も俺の居場所を知らない

I lost three empty days.
そんなこと誰も気にしちゃいない

I don't give a damn, leave me alone.
あらゆる言い訳が頭の周りをうろついている

I don't give a damn, leave me alone.
どうかもうなにも気にしないでくれ



1995.6.23記
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文字は

2006-02-08 23:55:55 | lyrics
文字は 感情を討つ映像(イメッジ)

文字は 虚を断つ真

文字は 証

文字は 幸と不幸の狭間

文字は・・・

文字は 無言

何もしゃべらないから いい

そこにある文字を

口に出して読めばいい

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翔ぶ女

2006-02-07 23:55:55 | lyrics
前をいくあなたの
自転車を追いかける

追いかけて
追いかけて
追いかける私に自分はいない

頭の先から足の先まで
ブランドに身を包む私に自分はいない


単調にくりかえしてばかりの オウム女
ひたすら忠実に尽くし続ける 忠犬女
巣を作って辛抱強く卵を温める ツバメ女
自分を安売りする お徳用切り身の牛肉女


ピンクにホワイト、ライトブルーをちょうだい
いますぐオレンジ、レモン、ライトグリーンをちょうだい

欲しいときに
欲しいだけ

やがて陽が傾いてしまう前に


夜行灯に照らし出された
向こう3mまでは
見たところ危険物もないかわり
抜け出す出口も見当たらない


手を引かれ、肩を抱かれて
女はどんどん弱くなってゆく

椅子をひかれ、腰を抱かれて
女はどんどん自分の力を見失っていく

今じゃすっかり
ひとりではなんにもまともにできない
かわいい無責任な
僕のおバカさん


メイクアップしたマスクをかむって
3才の頃から始めた
隠れんぼうをして
まだ遊んでいる



女が王子さまに救われる
シンデレラや眠り姫を信じれば

男は時代劇やアクション映画のヒーローと
堪え忍ぶだけの
純真無垢な女を信じつづける

勇気と恐怖を乗りこえて
天空にむかって翔ぶ女は
どこにいるんだろう


ADもBCとなにも変わらない
女と愛について
みんなが詠っている

語り尽くされたことを
くりかえし いつまでも

しかもその大方がウソで
いちいち私をいらだたせる

本当のことは全部胸のなか



首や手足に巻きついた光る鎖や鉱物は
不確かな未来のまやかしの約束

前方に広がる女の可能性を
どんどん狭めていく

そして今じゃすっかり
ひとりでは夜も眠れない
ちっちゃい無邪気な
僕のベビードール


戸口を出た瞬間から晒される
何百もの野生の両眼

見られる私は薄っぺらい
プラスティックになる

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蒼い魚

2006-02-06 23:55:55 | lyrics
蒼い魚を知ってるかい?
心臓まで真蒼な魚を
あの子ならわかってくれるさ この気持ちを
ボクよりも知りつくしているんだ


きっとあの子は泳いでいる
あの子にとっては 広すぎる海を
あの子にとっては 深すぎる海溝を
あの子にとっては 高すぎる空を


暗い海底で見失ったんだ
鳥になりたがっている魚を
海中を泳ぎたがっている鳥なら君も
たぶん聞いたことがあるんだと思うよ
嵐が吹くと水色のビニル傘をさしている蒼い魚さ


きっとあの子は泳いでいる
泳ぎきれないほどの 広大な海を
潜りきれないほどの 深い海溝を
目がくらむほど 遠い空を



クジラの群れの中で見失ったんだ
陸で暮らしたがっている魚を
海中に住みたがっている動物なら君も
たぶん見たことがあると思うよ


蒼い魚を知らないかい?
瞳孔まで真蒼な魚を

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ちょっと咳き込んだような

2006-02-05 23:55:55 | lyrics
ちょっと咳き込んだような
電車の走行音

真昼の花火
キャンディを握って

空鳴りしている
黒電話、遠くで
下衆な笑い方は伝染するの?!
How Lonely I Am!

半日も居れば後頭が重たくなる
妙なゴムの異臭


青のビイドロ
太古に人は海で生きていたっけ
So Lonely Place Here!!!


絶えず抑えている
一瞬の中に凝縮された抑制を
神が解き放つ時のことを
考えてもごらん
この部屋ひとつでも
地獄を見るさ


(性に暴力、)
(意味のない絶叫)
(糞尿を垂れ、)
(前の人間を押し倒し、)
(手に触れる全ての物を破壊する)


だから皆我慢の連続なんだ


熱される気泡
切断、遮断、
それに続くおざなりの

anyway I'll keep,
keep doing it...




(高校の時のバイトで退屈な仕事を任された時のことを書いた詩
 基本的にもくもく作業はキライじゃないけど、、、

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下水道のしたでは

2006-02-04 23:55:55 | lyrics
下水道のしたでは

二十日鼠たちの

可愛い足跡が続いている



もう行くよ

互いにひどく傷つけ合ってしまうまえに



世のなかすべて

正確に数えられるものばかりじゃないし



わたしも同じ列車に乗って

一緒に陽の照る大地へ

還ってゆこう

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東京の嵐

2006-02-03 23:55:55 | lyrics
月が電線にからんで感電死
少女がまたひとり自分を生贄に捧げた
母ツバメはコンクリートビルに作った巣に帰る
子犬が1匹主人を探して歩いている
青年は髪を染めて天に怒鳴る
黒猫が音もなく闇夜を横切る
3人の黒衣の女たちが大声で笑う

突然ひらめく稲妻とドラミング
電灯を消した私の部屋にも
ライトニングのおすそわけ
大自然が催すスリリングで美しいショーに
アイスバー片手にみとれてしまう

天空のシャワー

汚れた空気を汚れた川へ流せ
いつかその水でカップラーメンを作って食べるだろう
急な客を家路に乗せるタクシーの
ヘッドライトに浮かんだ
無数の雨粒のモダンアート

自転車をこいでゆく母と娘
1日中照りつけた太陽の下
汗で汚れた肌を洗い流せ
光と音はみるみるうちに遠のいて
数分間のショーは引き上げる
みんなまたそれぞれの東京の夜に
戻されてゆく


目を開けるとどこまでも広がる空があった
故郷へ向かう電車の中で考える
どっちが今生きている現実で
どっちが20数年かけて追いかけてきた幻なのか

世知辛く乾燥した狂気と超意識で
作られた現実を後ろに置いてきたのか
緑と空気とぼんやりした温もりのある前方は
頭上に高く掲げた理想郷か
またはその全く逆か

分かっているのは

重たい問題と独りに慣れた女を
アパートに残して
少しずつ確実に回復してゆく

すべてうまくいくはず

ぼんやりした少女に戻った自分を連れて
私はなにか義務のように取り繕いはじめている
生を支えたり、無理に笑顔を作らずに済む
ひとつも義務を背負う必要のない
いつまでも女子学生のままでいれたらなあ

夏毛にかわった愛犬のやさしい感触を
何度も思い描いてみる
体温と太陽であったかい背中
久しい家族の再会の喜びを
落ち着きなくからだいっぱいにあらわして


1995.8.5 実家に帰る列車の中で記録
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ESCAPE

2006-02-02 23:55:55 | lyrics
また明日会いましょう
わたしはいつでもここにいる


目を閉じて
両手で両目をふさいだら
きみの周りには何も存在しない


目を閉じて
目を閉じて

逃げてゆく
逃げてゆく

ついてこないで(ついてきて)

わたしをみないで(わたしをみていて)

目を閉じたら私はここにいない


さざ波の静かな呼びかけに立ち止まる
ジャングルの湿った命の匂いに肩をつかまれ
また泥道に引き戻されてしまう


帽子を飛び越え飛んでゆく
わたしはかくれんぼうをして遊んでいるこども

みつけたら教えてね
いまから10年たってから



1994年記
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あの子

2006-02-01 23:55:55 | lyrics
あすこにかわった子がいる
まっ黄っ黄のセーターを着て
髪の毛なんか科学博士のように
ぼさぼさだ
「おはよ。」って声をかけたら
猫のように逃げちゃった


今日もあのかわった子がいる
いつも公園のブランコの柱の横で
つっ立っている
僕たちが鬼ごっこしているのを
じっと見てるくせに
「一緒にいれて。」なんて絶対いわない
頑固なんだな


今日真っ黒い顔と
真っ黒い手のお父さんが
あの子を車に乗せて
町から出て行っちゃった


いつもまっ黄っ黄のセーターと
科学博士の頭で
ブランコの横につっ立ってたことしか
知らなかったけど
友だちになってあげればよかったな

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