一昨日から、会議で「女性がいると会議に時間がかかる。」と東京五輪・パラリンピック組織委員会の森会長が女性一般を批判した。その事が女性差別だとして、さまざまな場面で問題視されている。
彼は翌日、自分の発言には謝罪したが、「辞職する意思はない」と言っている。また謝罪では、頭を下げなかった。
その後の記者会見で、問題発言について記者の一人が「発言に責任を取って辞任する考えはありませんか?」と問うと、反対に「君はどう思う?」と聞き返した。また、会場を後にする際、「面白可笑しくしたいからだろう。」(私が正確に言葉を記憶していないかも知れないが……)と、誠実さとは無縁の恫喝とも取れる大声を出した。
その後、オリンピック日本大会の「ボランティア」となっている人達が、沢山協力を辞退したらしい。今日のニュースでは「聖火ランナー」からも辞退者が出た。こちらは「タレントの聖火ランナーには人が大勢集まるから、田んぼで走って貰うのも良いのでは……」と言ったことを受けたらしい。
国会質問でも野党議員らから「閣僚からは、辞任を求める意見が1つも出ていない」。 世界各国からは「日本の男女平等意識の低さが露呈された」と言う批判を受けた。
私は、森氏の「女性は、誰かが発言すると、自分もしないといけないとして話が長くなる。」という様な発言も問題だが、それよりも記者会見での言い方と態度の方が非常に問題に感じた。
女性ばかりで無く、記者達に対しても、「誰よりも偉い自分に向かって、まともに意見を言うなどとんでもない。」などと思っている事は明白だ。会長なら、オリンピックに関わる多くの人達を尊重し、力を合わせなければならないというのにである。
今日は国会の野党女性議員の多くが、白いスーツを着、胸元に白い花を付けて会議場に登場した。女性差別に抗議する世界的なスタイルなのだそうだ。
やはりこの際、森氏は、会長職を別の人に変わって貰った方が、しこりを残さないと思う。
また私は、開催を決定する今の最終段階へ来て、我が国の世界に遅れを取っている大きな問題の一つが、こんな形ではあったが表沙汰になったことは良かったと思うし、今まで表ではあまり問題にはされてこなかったが、オリンピックという国際的な大会をする以上は、解決しなければならない当然の日本の課題でもあったのだと思う。
それにしても、「差別する側は、それが差別だと気づかず、差別される側は、その差別によって強い深刻な胸の痛みを何時までも感じ続け、決して忘れない」という言葉は真実を語っている。
この日本で女性達が、意識の上でも行動の面でも、社会生活上も、男性と同じ立場になるのは何時のことだろうか。女性は新憲法が制定されてから75年、家庭でも社会でも必死に頑張って来た。夫婦別姓問題や離婚後の子の親権者の権利の見直しなど、いよいよ国会で審議されるようだ。今度頑張るのは男性の番だと思うが、いかがだろうか。
(「各分野の男女平等」では「家庭生活の男女平等」の意識と生活の変革が最も遅れるらしいから、女性はもっと愛する周りの男性達を優しく導かなければならないだろう。正直、疲れ果てるが……)