友人の孫さんから約束していた時刻よりも2時間遅く友人宅に到着する予定になったという電話があったので、午後2時に傍の友人の畑に向かった。
どうしたのかと思ったら、孫さんとその友人の二人で近くの山に登山して来たという。明日の日曜日は雨天の予報なので、今日しかないと考えて、行って来たらしい。
それから山の話しに花を咲かせながら、畑作業をした。私の話は、52歳の時に内科の医師に告げられた「このままだとあなたは60歳を迎えられません。」と言われたことを契機に、フルタイムの仕事をしながらどう運動をするかと考えて始めたのが、飽きないで続けられたハードな登山だったと、私の人生の一部を語ったものになった。すると孫の友人から、「好きなことを楽しむ人は、簡単には死なないよ。」みたいな事を言われた。
作業は、先ず「ニンニク」の芽欠きをして貰った。
このまま種を付けさせれば、肝心の「ニンニク」が痩せてしまうので、新芽を見つけたら早めにすること。摘んだ芽は、美味しく食べられることを説明した。作業は簡単だが、摘んだ芽をかじって、「辛い!」といいながら、ビニール袋に入れていた。ついでに「ニンニク」の保存方法も説明した。
次は「ジャガイモ」の土寄せだ。この1週間で随分大きく育ったので、土を増して貰った。見ると寄せた土の上がM字型にへこんでいたため、雨が溜まって病気になりやすいからと教えて直して貰った。
「トマト」も1週間で7~8cm伸びていた。新しい脇芽摘みと伸びた茎の支柱への結束をしてもらう。
「サラダ菜」の苗が2~3個くっついている場所は、大きくなれないので「間引き」をして貰った。
最後に増えた雑草を取り、それぞれの野菜に合った追肥をして貰った。特に同じ豆でも、根粒菌が多くできて窒素を自給できる「大豆」と、根粒菌が少ない「インゲン豆」の違いを話して、追肥の量を加減させた。
作業を始めて1時間半後、彼らに片付けを頼み、先に私が帰宅した。それから思いついて、玄関の書籍棚に7~8冊も並べて置いてあった「北海道の山」全集の中の手持ちの数冊と「ファミリー登山」の本を山好きの彼らに渡すことにした。もう両足の膝の調子が悪くなってしまった私自身が、新たな山に登山することはないと思ったからだ。
私が50~60代前半に掛けて登山前後に読んでルートや状況を調べた本は、少し古くなったが山や登山ルートはほぼ変わっていない筈なので、役に立ててもらえたら有り難いと思ったのだ。
偶然にも私の趣味と同じ趣味を持つ若い彼らと出会ったが、彼らのこれからの長い人生が、私には実に楽しみに思えてならない。