Kさんとは今年の2月頃知り合った。年齢は戦前生まれの88歳ぐらい。
出身は西日本だそうだが、戦争中、北海道開拓団として来道した両親に連れられて当地に来たという。しかし、尋常小学校卒業後、西日本の祖母の家に戻り、美容師の技術を習得した。再度来道して働き、見合い結婚後も働き続けたという。
今は足が不自由に成り、手押し車を押しながら歩いている。90歳近くになって、去年から身の回りの整理をし出したらしい。
沢山あった「和服」は、買い取り業者に売ったが、高価な独特のデザインの「革のコート」は売れなかったと言って私の所に持参し、「自分はミシンは持っていないから、どうすることもできない。これを解いて何を作っても良いし、捨てても良いから。」と言う。
袋が大きくて重いので、帰宅後よく見たら、その下に「ウールの着物」1枚と「化学繊維の薄地の着物」1枚、「絹の雨コート」1枚も入っていた。
私は、高齢の彼女を何らかの形で援助したいと思っていて、夏中、収穫した新鮮な野菜を時々差し上げたりしていた。
今回の和服類は不本意ながら押しつけられたものだが、時間ができたら「和服のリフォーム」をして彼女に何か作って上げたいと思い、先日、図書館から本を数冊借りて来た。
昨日彼女と会ったので、身体の主要部分のサイズを測らせてもらった。私自身、趣味だった洋裁は、この二十数年していないし、背中が大分曲がっている彼女に似合うような「和服のリフォーム」が果たして上手くできるかどうか分からないが、思いがけず与えられた良い機会だと捉えて、挑戦して見ようと思う。
ついでに今「インフルエンザ」が流行って来たので、昨日は手元にまだ余っている「手作りマスク」の柄違いを数枚と、個人輸入した「靴下」を2枚差し上げたら、とても喜んでくれた。