空き部屋の窓ガラスに断熱シートを張ることにしたので、百円ショップに透明テープを買いに行った。
ついでに店内をうろうろしていたら、せともの売り場で親元から独立することになったらしい若い男子と、その母親、姉らしい家族を見かけた。通路が狭いので親子のやり取りが自然に聞こえて来た。
母親が「茶碗、箸、皿など、自分の気に入ったものを選びなさい。」と言ったが、「色々あるので、どれが良いか分からない。」と息子が言う。それでも彼はそれぞれ1個ずつ手にとって、母親が持つ籠に入れた。
すると今度は、「ラーメン作って食べるでしょっ。丼も一ついるよ。」と母親が言った。彼は私の傍に来て、幾つか手にとって比べた後、派手な色の線が入った重そうな小さめの丼を選んだ。
また彼は、「お茶を飲むなら、急須と湯飲み茶碗もいるよ。コーヒーは飲まないの。」といわれた。すると、「お茶は入れては飲まない。コーヒーも飲まないけど、マグカップ1個はいる。」と言って、カップが置いてある場所に向かった。
暫くして母親と姉が、「凄く派手な色や柄のものばかり選ぶので驚いたね。あの人の趣味には着いて行けないね。」と話す声が聞こえて来た。
最近の百円ショップは実に品揃えが豊富で、日用品として結構使える品質の商品も多いと思う。だから子どもの独立などに当たり、格安に食器などを調達する上では手頃な店なのだろうと、私は改めて百円ショップを見直した。
それにしても母親が、「選び方が分からない。」と言う子どもに対して、何一つ、アドバイスをしない事に驚いた。家具什器類の使い勝手を、経験的に一番良く知っている筈なのにと私は思った。
そこで、私ならどうするか考えた。多分、「持ちやすく、軽く、飽きにくいデザインで、色々な食物を入れても違和感がない使いやすい基本的なものを、先ず今回は揃えたら良いのではないか。」というと思った。
思い返せば、子どもが独立した時、私は家にあった食器や台所用品の中から、適当に選んで荷物に入れてやった。
ついでに言うと、子どもは電気製品一式も揃えたのだが、一緒に店に行き、私が買ってやったのは洗濯機と炊飯器だけだったことを思い出した。電子レンジ、冷蔵庫、テレビにビデオは、子どもが大学時代にアルバイトで貯めていた貯金で買った。子どもは、自分からそうしたように思う。
(そういえば大学4年の秋、友達と3週間、卒業旅行と称してヨーロッパに行った時も、私は3万円の餞別を渡しただけだった。食事はホテルで朝食をしっかり食べ、昼はバナナやサンドイッチで済ませたと言っていた。おまけに色々な観光地には、毎日、自分達で調べて電車やバスを乗り継いで行ったらしい。それを聞いて私は、体力があり、頭が働く若さが無いとできない旅行だと思った。)
また子どもの最初の勤務先は、郡部で車が必要な地域だったので、まだ収入が無い子どもに、無利子、無期限で良いと言って車の購入費を貸したところ、1年半後、「いつまでも借金したくないから。」といって完済してくれた。
親から見て、その子は今でも経済観念が実にしっかりしている様に思うが、時には、しっかりし過ぎではと思うこともある。振り返って見たら、やはり子育ては難しい。
ついでに店内をうろうろしていたら、せともの売り場で親元から独立することになったらしい若い男子と、その母親、姉らしい家族を見かけた。通路が狭いので親子のやり取りが自然に聞こえて来た。
母親が「茶碗、箸、皿など、自分の気に入ったものを選びなさい。」と言ったが、「色々あるので、どれが良いか分からない。」と息子が言う。それでも彼はそれぞれ1個ずつ手にとって、母親が持つ籠に入れた。
すると今度は、「ラーメン作って食べるでしょっ。丼も一ついるよ。」と母親が言った。彼は私の傍に来て、幾つか手にとって比べた後、派手な色の線が入った重そうな小さめの丼を選んだ。
また彼は、「お茶を飲むなら、急須と湯飲み茶碗もいるよ。コーヒーは飲まないの。」といわれた。すると、「お茶は入れては飲まない。コーヒーも飲まないけど、マグカップ1個はいる。」と言って、カップが置いてある場所に向かった。
暫くして母親と姉が、「凄く派手な色や柄のものばかり選ぶので驚いたね。あの人の趣味には着いて行けないね。」と話す声が聞こえて来た。
最近の百円ショップは実に品揃えが豊富で、日用品として結構使える品質の商品も多いと思う。だから子どもの独立などに当たり、格安に食器などを調達する上では手頃な店なのだろうと、私は改めて百円ショップを見直した。
それにしても母親が、「選び方が分からない。」と言う子どもに対して、何一つ、アドバイスをしない事に驚いた。家具什器類の使い勝手を、経験的に一番良く知っている筈なのにと私は思った。
そこで、私ならどうするか考えた。多分、「持ちやすく、軽く、飽きにくいデザインで、色々な食物を入れても違和感がない使いやすい基本的なものを、先ず今回は揃えたら良いのではないか。」というと思った。
思い返せば、子どもが独立した時、私は家にあった食器や台所用品の中から、適当に選んで荷物に入れてやった。
ついでに言うと、子どもは電気製品一式も揃えたのだが、一緒に店に行き、私が買ってやったのは洗濯機と炊飯器だけだったことを思い出した。電子レンジ、冷蔵庫、テレビにビデオは、子どもが大学時代にアルバイトで貯めていた貯金で買った。子どもは、自分からそうしたように思う。
(そういえば大学4年の秋、友達と3週間、卒業旅行と称してヨーロッパに行った時も、私は3万円の餞別を渡しただけだった。食事はホテルで朝食をしっかり食べ、昼はバナナやサンドイッチで済ませたと言っていた。おまけに色々な観光地には、毎日、自分達で調べて電車やバスを乗り継いで行ったらしい。それを聞いて私は、体力があり、頭が働く若さが無いとできない旅行だと思った。)
また子どもの最初の勤務先は、郡部で車が必要な地域だったので、まだ収入が無い子どもに、無利子、無期限で良いと言って車の購入費を貸したところ、1年半後、「いつまでも借金したくないから。」といって完済してくれた。
親から見て、その子は今でも経済観念が実にしっかりしている様に思うが、時には、しっかりし過ぎではと思うこともある。振り返って見たら、やはり子育ては難しい。