今日は「スポーツの日」が繰り上がったので、平日だ。だが早朝、ラジオを聞いていたら、今日は国連が定めた「世界ガーズディ」だそうだ。
ラジオでは女性が自分の健康を守り、妊娠・出産・避妊について自立できていない現状を上げていた。特に長い間、生理についての男性や社会の認識度は低く、女性自身さえ生理は恥ずかしく隠すもの、例え生理痛があっても耐えるしかないと思わされて来た。
(今思えば、私自身の思春期以降の生理痛は厳しいもので、初日は学校に行くことも教室の椅子に座っている事もできなかったから毎月欠席し、自室でエビのように身体を曲げて床を転がり回っていた記憶がある。母親は鎮痛剤があることを教えてくれなかったから、毎月ただひたすら我慢していた。20才過ぎた頃から生理痛は徐々に軽くなって行った。
また片側に防水機能が施された生理用品が登場したのは確か私の高校生の時で、それまでは母親から脱脂綿と脱脂していない綿を渡され、2つを組み合わせて使うように言われた。勿論生理用の防水機能のあるパンティはまだ暫くなかったので大変だった)
今年はコロナの問題の中で、日本でも世界でも生理用品を買えない「生理の貧困」にある女性の問題が初めて浮かび上がって来て、買うことができない女性に無料で配布する団体や自治体が出て来ている事は良いことだ。人類が誕生してから○万年とか言われているが、女性の生理に関してこれまで全く進歩して来なかった事が本当に驚きだ。新しい生命を生み出す性なのに、女性の社会的な存在は信じられない程低いままだったのだ。
結婚していても、いなくても、性成熟した女性であれば、常に「性交の裏には妊娠の可能性がある」という現実から逃れられないことを、どれだけの男性が真剣に認識しているだろうか。性交時も性交後も、妊娠の不安と恐怖が頭から離れなかったり、望まない妊娠をして予定していた人生の選択を変えざるを得ない。また、辛く苦痛が多い中絶手術を受ける事になる女性は多い。日本で「人工妊娠中絶手術」を受ける女性は、既婚女性が一番多い現状は、日本男性の性交に対する無責任さを顕著に表していると思う。
女性自身の健康保持、妊娠、出産、育児に関して、女性が主体となって決め、実行できる自立の権利を、当然のことだと世界中が認める日が早く来て欲しいと思う。
それには「避妊薬ピル」や「性交後に飲む妊娠回避薬」が安価で簡単に手に入る事が必要だし、「望まない妊娠をした女性が中絶手術を望んでも、相手の同意が必要」などという法律は早く改正して欲しい。
そして男性諸氏に言いたい。あなたの性行動は、常に女性を妊娠させる事に直結しているという認識を強く々々持って、性交には強い責任を持って欲しい。間違っても女性を「快楽を得るための一時的な単なる道具」で、「相手の支配者は自分だ」などと間違った考えをしてはいけない。
やがて自分のパートナーとなるかも知れない、またパートナーになった女性は、自分の遺伝子を持った子供を妊娠して出産してくれる大切な存在なのだから、決して傷つけてはいけないのだ、と考えるべきではないだろうか。
そして女性自身も、年齢に応じて女性の身体や生理、生殖の仕組みをしっかりと教育され、自分でも進んで学習認識し、健康で大切にする意思と実行力を持つことが必要である。
さらに言えば、教育を受け、職業を選択し、住居を選び、経済生活、家族計画を含む家庭生活、社会生活など、自分に関する全ての事柄について自分で決定する力を持つ、つまり「精神的にも社会的にも自立して生きる力を持つこと」が自立の前提として必要だと思う。日本の社会ではまだまだ厳しい面があるが、誰かに多くを依存して生きるのでは、本当に自立した大人とは言えないし、望んでも自立はできないのではと思う。
今後は男性も女性も、共に社会の一員として互いを認め合い、助け合って生活する「自立と共生の関係」を作る事こそ、今後私達が目指すべきではないだろうか。
「世界ガールズディ」の今日、オールドウーマンの一人としてこんな事を考えた次第である。
※追記
1994年、カイロで開かれた第3回「世界人口・開発会議」で、「女性の性と生殖に関する健康/権利(リプロダクティブ・ヘルツ/ライツ)の確率」を目指すことが確認された。男女ともに自分の身体を自分で管理し、生殖を主体的に管理する事は基本的人権である。
※春菊の花