Kさんから預かった服の一つに茶色い木綿の「ギャザースカート」があった。
解いて洗濯をしてみたら、生地の一部分が何故か脱色していて使えなかった。また、片方の端に幅20cm位のボーダー状の模様があったが、その図柄は合繊繊維を熱プリントした柄らしく、そこだけ上手くアイロンが滑らないので、その部分もリフォームには使わないことにした。
結局、限られた面積の生地で、何とか夏用の「7分袖の前開きシャツ」を裁断することにした。
先日作った半袖シャツの型紙に、今回はKさんの背中の丸みをカバーするため、両肩にダーツを入れる補正をした。前屈みの姿勢なので、前見頃の丈を後ろ身頃より3cmほど長くした。さらに夏でも肘の当たりが冷えるというKさんのために前の半袖を7分袖に補正し、また、かぶるよりも気易いようにと前明き型にすることにした。
市内の文房具店数店に製図用のハトロン紙があるか問い合わせたが無いというので、新聞に入る折り込み広告の中から薄めの紙を利用して切り貼りし補正した。今では自分で製図を書き、服を手作りする人などいないのかもしれない。
布の印付けに必要な「チャコペーパー」も無いので、チャコと切りびつけだけで布に型紙を写した。これに時間がかかった。
縫製は2枚目なので、順調に進んだ。最後に前見頃のボタンホールをミシンで縫って作り、リッパーで穴を開けた。リッパーも使い古した物なので、切れ味が悪い。ボタンは私の古い服から外して取ってあるボタンの中から、色合いに合いそうなベージュ色の幅1.8mmのボタンを探し出した。
結局始めてから仕上がるまで10時間かかったが、暑い夏に気軽に羽織れ、汗を吸収し、洗濯にも耐える綿100%のシャツが完成した。
明日にでも届けに行くつもりだが、来月90歳になるKさんが喜んでくれると良いのだが。