今の家の新築を計画した十二年前は、国を挙げて「オール電化」の「セントラルヒーティング」を宣伝し、北海道でも暖房の電化が新築住宅に多く採用される時代だった。
私も自分が年々年を重ねて行く内に認知症などになるかも知れないと考えて、熱源に炎が無く、管理もしやすい電気暖房が「一番安全」だと考えて採用したのだった。
ところが全く予想外の福島の原発事故が起こり、「原発の安全神話」が崩れ去って、全国の原発の運転がストップ。そして電力会社自らが「節電」を呼びかける状況に変わった。
(事故が起きて初めて私は、全国に多くの原発が作られ、稼動していることを知ったのだった。原発で大量に作られた電気は貯める事ができないから、国を挙げて「オール電化」を推奨したのだろう事も知った)
事故後、電気料金も事故後は徐々に高くなり、北国で電力に頼る暖房は高額になった。
また、今までは安い8時間の「深夜電力料金」で電気温水器を動かす代わりに、昼間の16時間の電気料金は一般家庭の1.6倍という高額なものだったので、私はできるだけ「深夜電力」を多く使うように、毎日努力を重ねて来た。
「深夜電力料金」で使える深夜0時から朝の8時までに、洗濯機、掃除機、オーブン、電子レンジ、アイロンなどをなるべく使うように努力した結果、平均するとほぼ深夜電力2に対して昼間電力1の使用量に抑えて来ていた。
最悪だったのは、「セントラルヒーティング」の稼動が、夕方4時からの電力需要が高くなる時間帯に計2時間に渡りカットされてしまうので、その時間は室温が下がり寒いというのも問題だった。
何よりも、使った原発燃料の最終処分場が決まらないまま、原発を再稼動させることは決して許されないと考え、思い切って電力に頼る暖房システムを改修する決心をしたのだ。
今後は灯油が良いかガスが良いか調べたが、結果的に今まで電気暖房で使って来た各部屋や玄関、廊下、トイレなどにある十数箇所の「パネル」をそのまま使うことができる「ガス暖房」を選んだ。
そこで今まであった大型の「電気温水器」を撤去して、そこに「ガス湯沸かし器」を設置した。勿論「電気暖房機」も取り外した。
調理台だけはガスを使っていたので、ガス管はその配管から繋いだ。
改修工事は2日間で済んだ。
まだ暖房を入れていないので、今までの電気料金と比べて価格がどうなるかは判らない。
しかし、昼間、一般家庭よりも高額な電気料金でなくなったので、今までに比べて電気料金を気にしなくて良くなったのと、暖房が夕方から夜にかけて2時間切れる事が無くなった事は嬉しい。
これで今冬は気温が何時下がっても安心していられそうで、思い切ってこの時期に改修して良かったと思っている。