《最後はルーブル美術館見学》
7日目は、パリの最終日だ。
シャルル・ドゴール空港の飛行機が19時10分発なので、朝から郊外のホテルに集合する16時までが自由行動だった。
フランスは初めてという友人と相談した結果、ルーブル美術館を見ずに帰国するべきではないと、3度目になる私も同行することにした。
8時半にホテルを出、バスに乗り、美術館前の停留所で降りた。
ルーブル美術館のガラスでできているピラミッドに、中央入り口があった。
そこからエスカレーターで地下に降りると、チケット売り場が3箇所あって、日曜日で混んでいたがすぐに買えた。
美術館はとにかく広く、展示品も2万6000点という多さだが、私たちは1階の古代オリエント・エジプト・ギリシャ・ローマ・アフリカ・アジアと、石像、彫刻などの展示品を発掘年代順に見て行った。
石像はどれも大きく、何度見ても圧巻だった。
3階のヨーロッパ絵画を巡る頃には、次第に疲れが出て来た。
中世の絵画は宗教画が多く、聖書から題材を取って書いた絵が多いため、どれも似ていた。
その頃の画家は、教会や王室、貴族からの求めに応じて絵を描いたからなのだろう。
モナリザやミロのビーナスの前には、以前来た時にはなかったロープが張られていて、その前に大勢の人が詰め掛け、幾重にも人垣ができていた。
私達もその中に入り込んで、フラッシュ無しなら許される写真を撮った。
結局、途中、サロンで軽食を食べた時間を除き、4時間あまりも見学した事になる。
展示の全コースは20kmに及ぶそうなので、私たちは急ぎ足でそのほぼ全部を駆け抜ける様にして見たということになる。
もし、ツアーで来たとしたら、有名な作品だけを1時間で見回って終わるのだから、自分で来た方がチケット代だけでゆっくり楽しめる利点があるのだ。
それにしてもパリの美術館などのチケット代は安い。
オルセー美術館が7ユーロ(900円)、ルーブル美術館9.5ユーロ(1200円)、オペラ座見学9ユーロ(1150円)なのだ。
作品の数から考えると、ルーブル美術館のチケットは破格値だと言っても良いだろう。
(以前にルーブルに来た時は、日曜日は無料だったと記憶している。その頃は、あちこちの展示室にキャンバスを立てた画学生がたくさんいて絵のスケッチなどをする姿があったのだが、今回はそんな姿は見られなかった。混み合う曜日は禁止されたのだろうか。
そう言えばオルセイ美術館では、30人位の子どものグループが3グループ、別々の会場に居た。全員が絵の前に座って、先生らしき人の熱心な説明を聞いていた。(外国でこうした光景に出会うと、子ども達が全く私語をし無い事を私はいつも不思議に思うのである)
土曜日の午後だったので、ひょっとしたら社会教育の絵画グループかも知れない。若い時から本物の芸術に触れられる彼らは幸せだと思った)
( ルーブル美術館とオルセイ美術館の間にあるセーヌ川のカルーゼル橋)
無事に自由行動を終え、オペラ通りのバス停から予定通りバスでホテルに戻った。
帰国便の航空機は、パリ→ミュンヘン→上海→成田と経由したが、成田に着いたのが20時40分だったので、私たちだけ成田にさらに1泊してから9日目の午後に北海道に帰宅した。
(パリから成田まで航空機に乗っていた実質搭乗時間は15時間弱、乗り継ぎと待ち合わせ時間を合わせると17時間かかった。乗り継ぎの際の待ち時間は少なかった)
今回は、観光客を狙うスリが多いフランスなので、庭仕事用のグレーのジャンバーを引っ掛けて出かけた。お陰で私たちは危ない目には遭わなかったが、ツアーの数人はすられそうになったと聞いた。
そして春の寒くも暑くもない季節に、観光客が少ない田舎の世界遺産と自然をゆったりと見られた旅だった。(旅行費用も、観光シーズンの初めなので比較的安かった)
前回のオーストラリアのように土産屋に連れて行かれることも全く無く、どこでも時間をめい一杯使って観光することができた。
(パリの市内見学以外、現地ガイドを雇わず、ほぼ全日程を添乗員が観光ガイドもしたからかも知れないが‥)
随所で自由時間もあり、そんな時は気心が知れた友人と好きなように行動し、本当に楽しめた良い旅だった。
また機会があったら、今度はまだ行っていない郊外の町へ、さらに足を伸ばしてみたいと思ったりした。
そして、こんなに長く旅行記を書いたのも初めての事だが、私と一緒にブログで今回の旅を辿ってくれた来訪者の方達に、旅の楽しさとフランスを訪れる魅力が伝わったなら幸いである。(完)