北海道日高地方にある日本の桜名所100選の一つ、雄大な「静内二十間道路桜並木」を一度見ておきたいと思い、3週間前に友人とバスツアーに申し込んであった。
今日は晴天の中、朝9時にバス3台で札幌駅を出発し、高速道路を利用して3時間かけて桜並木に着いた。
所が例年とは異なって、5月に入り急激に気温が上がったため、1万本の山桜は1週間早く開花してしまい、さらにこの間の季節風で大方散ってしまっていたのだ。凄く残念だった。
この桜は全部、明治時代に植えられたもので、道路の両脇に二十間(38m)の幅で8kmに渡って植えられているものだが、3日前の満開時はすばらしかっただろうと想像した。
100年近い巨木はみな老木になっていて、中には既に切り倒されたり、幹が黒ずんだり、病気になっているのではと思う様なのもあった。
私達は桜並木を往復5~6km歩き、まだ花が咲いている桜の下で、切り株に腰掛けて、渡されたお花見弁当を食べた。
帰路途中、「新冠(シムカップ)サラブレッド銀座」展望台で下車して、高台からサラブレッド馬が放牧されている日高の広大な牧場を眺めた。バスの窓からは、子馬が母馬のお乳を飲んでいる愛らしい姿も見られた。良く手入れされた美しい毛並みと引き締まった躯体の競走馬の姿は魅力的だった。
北海道ではトラクターが普及するまで、農耕馬として「道産子(どさんこ)」と呼ばれるがっちりした体格の馬が、どこの農家にも飼われていた。その馬は現在、一部の街で重い橇を引いて障害物を乗り切る「ばん馬競走」に使われるのみだ。今では、すっかり、馬は生活とはかけ離れた存在になってしまった。
桜は残念だったが、晴天に恵まれ、往復6時間のバスでは、友人とたっぷりとおしゃべりを楽しめて良い一日だった。