今朝は気持ちの良い秋晴れだったが、予報では明日、明後日と雨になるという。
10月に入ったし、夏に掘り上げておいたチューリップの球根を庭に植えることにした。3種類100球程植え終わった所で、沢山余った球根を伯母に持って行こうと思い立った。
急いで伯父の仏壇に供える花を切り、伯母の好きなトマトを沢山取った。
また、移植できそうな宿根草を数種類掘った。室内に置いて冬中楽しめるゼラニュームの鉢を1つ作った。
スコップ、移植べら、肥料、ゴム手袋、長靴なども車に積んで走った。
施設に着いてから、伯母と一緒に施設の了解を得て、庭に出た。
見ない間につつじの木が10本も植えてあり、何もなかった場所が賑やかな感じになっていた。
どうしたのか聞くと、道路を挟んだ向かいの一戸建てに住んでいる人が、一人で草取りをしていた伯母の元に来て、「いらなくなった庭木を貰って欲しい。」と言ったのだそうだ。訳を聞いたら、「じゃが芋やとうもろこしを植えたいので。」と言われたらしい。
そこで伯母が施設の管理人に相談したら、良いと言われたので、その家の夫婦に運んで来てもらい、植えてもらったものだという。施設側はその大変な移植作業を全く手伝わなかったらしく、そのことについて伯母は憤慨していた。
庭土は肥料気のない砂地なので、家から持っていった肥料を撒きながら二人で宿根草と球根を植えた。
チューリップは、同じ色の花が揃っていて価値が出るので、色を混ぜないように植えて貰った。
来春は、ダリヤの球根も持って来てと頼まれた。部屋の仏壇に新鮮な花を供えたいのだそうだ。入居者の中には伯母の他にも仏壇を持っている人も何人も居て、今春、伯母が植えた何種類かの菊が、すごくあり難がられているのだという。
施設には肥料などを買う庭のためのお金は全くないらしい、と伯母が言うので、仕事を終えてからカウンターにいた職員の所に行き、「お年よりは花や木に心が癒されるので、こうした施設の庭はとても大切だと思います。伯母のように土いじりをさせたら生き生きする人もいます。また、植物は植えれば済むというものではなく、肥料がないと育たないし、少しの手入れも必要です。」などと、私は余計な事を言ってしまった。
伯母はというと、「来年も生きるつもりで花を植えました。」と、職員に報告していた。
その後部屋に戻り、3時間ほど伯母と楽しく話した。
私からは今年の農作業の報告をして、来年の相談に乗ってもらったりした。
帰り際に伯母が、「遠い所まで来てくれたガソリン代だよ。」といってお金をくれた。私は、それで伯母さんの気持ちが済むならと、あり難く頂いた。