※雌鮭の腹部から取り出した2つの袋に入っている塊状の卵が「筋子」で、それをバラバラにほぐした卵を「いくら」と言い分けているらしいので、私もその言い方に従う。なお「いくら」という語は、もともとは「ロシア語」で、ロシアでは一般的な魚卵を指すそうだ。
30~50年前、毎年鮭が遡上する道東に住んでいた時、秋になると子供が好きだったので、「雌鮭」を1匹そのまま買い、捌いた身は「フライ」や「バター焼き」「塩焼き」用にそれぞれ下味を付けて冷蔵した。また「筋子」は、ばらしてから「いくらの醤油づけ」を作って空き瓶に入れ、毎日のご飯に掛けて美味しく食べていた。その頃「いくらの醤油漬け」は、特に贅沢な食べ物ではなかったので、よく家族で食べていたと記憶している。
いつの間にか「筋子」も、ばらした「いくら」も価格がどんどん上がり、今では高級食品に変わった。子供が家から独立したり、また私が「コレステロール」の含有量が多い魚卵類を避けるようになってから、「いくら」は生寿司を食べる時くらいしか食べなくなった。
今朝、スーパーで沢山売られているのを見て、久し振りに「いくらの醤油漬け」を作って見ようと思い立った。どうせ作るならばと2ケース合わせて450g買って来た。今月末になると「いくら」の皮が固くなるから、求めるなら早いほうが良いのだ。
昔を思い出しながら、湯を沸かして、卵をばらし、作ろうと思う。
遠くの町に転勤した娘が10月は2回、来て泊まるそうなので、「生チラシ」など作って供したいと思う。沢山できるだろうから、正月の料理でも活躍させたい。