当時、仙台市内には折立、古城、若林、沖野、八本松、大野田等の有力チームがあった。
子供達が六年に進級する直前、「五年生最後の練習試合がある」とのことで、中澤さんに
誘われて折立小学校まで見学に行った。
新年度から指導することが決まっていたので、小学生のレベルを知る「いい機会になる」
と思った。
しかし、試合は折立のエースの独壇場とも言える一方的な内容で、彼我の実力差は「埋め
尽くせないほど大きい」もの思えた。
帰途、私は中澤さんの車の助手席に座り「胃が痛くなるような暗澹たる気持ち」だったが、
後部座席に乗り込んだ子供達は、敗戦を悔しがることもなくハシャギまくっていた。