霜後桃源記  

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インボイス制度 その一

2023-10-02 21:05:03 | 社会
 今月からインボイス制度がスタートした。
産直の生産者仲間には「何のことか分からないから」と言って未登録の
ままの人が少なく無いようだ。
 これまで消費税を受け取りながら納入を免除されていた生産者にとっては
「実質的に8%の売上減」となり実質的な増税となる。
 私は2月に登録を済ませたものの、帳簿の整理や証拠書類の保管等々具体的
事務処理に不明な点が多いことから、6日に登録者を対象にした税務署の説明
会に参加し疑問点を解消したいと思っている。
 いずれにせよ、今後は、所得税と併せて消費税の申告も行うことになるが
税額が8%と10%の2種類に区分しなければならない等々で事務処理が煩瑣と
ることだけは間違いない。


 春に行なっていた大きな工事の支払期限が迫っていたことから、本来で
あれば振込むのだが、登録番号付きの領収書の保管も必要かと考え、念の
ため現金で支払うことにした。
 そして、受け取った業者の領収書には登録したインボイス番号が既に
印刷済だった。

以下インボイス制度を批判する松尾貴史氏のコラムを参考に供したい。

 毎日新聞「松尾貴史のちょっと違和感」(2023.10.1 )

「インボイス制度スタート 新手の弱い者いじめか」

 「インボイス」という意味の分かりにくい名称を付けてけむに巻いて、気が
付けば弱い者はまたもやさらなる辛苦を味わう。10月から消費税のインボイス
(適格請求書)の制度が導入される。これまで消費税の納税を免除されていた
零細の法人や個人事業主も制度に参加すれば納税の義務が生じることになっ
た。これは、消費税の税率を上げずに増税できる巧妙なわなではないか。
 この制度を止めるための署名が50万人を超えたそうだが、岸田文雄首相はど
こ吹く風、国民の声などまるで「ノーボイス」の形だ。何と岸田首相は、この
署名の受け取りを拒否したというのである。全国各地で国民の、現場の声を聞
く「勉強の夏」とうそぶいていたが、岸田首相はまったくそんな勉強はおろか、
耳を傾けた形跡すらないのではないか。
 ある世論調査では、インボイス制度に賛成と答えた人が約3割、反対と答え
た人が約4割という結果になったが、「分からない」が約3割だった。なるほ
ど、この結果だけを見れば「国民に理解されないうちにやってしまえ」感が半
端ではない。だから「インボイス」という、日本語では端的・的確に表しにくい
名称にしているのだろうと察する。
 消費税は、支払う側が赤字であっても、大もうけしていても、同率の税額を徴収
されるというものだが、これまでは規模が小さく、もうけが少ない業者は何とか免
れていた。それが、インボイス制度に参加すれば税負担が生じることになる。事務
作業は煩雑になり、人手も時間も取られてしまうだろう。企業には導入されている
育児休業なども、個人事業主やフリーランスにはない。少子
化をもっともっとひどい状態にしてしまう所業ではないか。まさに天下の愚挙、
愚策だ。
 これから花開くかもしれない個人個人の才能や発見・工夫を、開花する前に
枯れさせてしまうような暴挙だと思うのだが、今の政権は国力を衰弱させたく
て仕方がないのだろうか。不況の中、消費税の税率を上げて日本を30年間も成
長させないようにブレーキをかけ続けてきた上に、また新手の弱い者いじめに
走るようだ。「国民の福祉のために使う財源を守るため」などといううそにだ
まされている人は意外と多いが、法人税減税の穴埋めに使われているように私
には思えてならない。
 インボイス制度に反対する集会で、落語家の立川談四楼さんは「(落語家
も)コロナ禍で大打撃を受けた。ここへ、インボイスが来たら殺される」と語
っていた。これは芸人だけの話ではなく、不景気でもう後がないところまで来
ている人々をさらに追い詰めるような制度を、なぜ不況の嵐の中で導入するの
か。政権は血迷っているとしか思えない。
 インボイス制度の導入にはっきりとした姿勢で反対し続けているのはれいわ
新選組など一部の野党だ。一方、反対の意思表示をしているものの、野党第1党
の立憲民主党の泉健太代表は「X」(ツイッター)に9月25日、「今夜、#STOP
インボイスアクションに参加。(中略)立憲、国民、共産、社民の国会
議員が参加。総理、聞く力を発揮すべきだ!」と、れいわを省いて投稿してい
た。これに対し、多くの人々が違和感を覚えて指摘したら、改めて「国会議員
は、れいわ、の議員も参加。立憲、国民、共産、社民、れいわ、からの本日の
集会への参加でした」と追加投稿した。
 通常なら「訂正します」「失礼しました」などがあって当然だと思うが「そ
んなに言うなら加えてやるよ」という雰囲気を感じる書き込みで、その所作に
全てが表れている。だいたい「着実に導入すべきだ」と主張する支持団体の連
合・芳野友子会長との関係から、立憲は「やっているふり」をしているだけな
のではないのか。「違う」と言うならば本気を見せなさい。
(放送タレント、イラストも)=9月26日執筆
コメント (2)
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