二本柱の一本が欠け、更に、医大への往復に半日を要するという超多忙
で過酷な中、春に納入され8月末から卵を産むようになったばかりの若鶏が
獣(イタチかも?)に襲われ44羽も命を落していた。
今、朝の4時は未だ暗い。
鶏舎と同棟の加工室で出荷準備をしていた際、鶏の悲鳴が聞こえて来て
いたが、イジメラレッ子がいつも悲鳴をあげていたので特段気にすること
も無かった。
しかし、昼間ならいざ知らず暗い鶏舎でイジメが起きるのを不思議に
思いつつも、目の前の仕事の片付けを優先させてしまった。
夜が明け給餌しようと鶏舎に入って驚いた。
一番南側の若鶏の部屋の大部分が命を奪われ、首が無いものも多かった。
見回して見たら、腰板の直ぐ上の金網に10~15センチほどの穴が
空いていた。
ネズミが金網を食い千切って出入りしていた穴が次第に大きくなった
ものと思われるが、毎日鶏舎に入っていながら全く見落としていた。
直ぐに金網と板を用いて穴を防いだ後、死骸を拾い集め鶏達にお詫びを
しつつ荼毘に付した。
「泣きっ面に蜂」ともいえる不幸続きに「塞翁が馬」の一節を思い起こ
し自分を奮い立たせるしかなかった。
「ああ、此れ何遽ぞ福と為らざらんや」