穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

読書端境期の選書

2012-11-07 09:21:13 | 書評
何となく気になる。結構有名、だけど読んでないという本がある。読書端境期にはそういう本が書店で眼につく。

パトリシア・ハイスミスもそういう名前だ。彼女の短編集があった。短編なら読み捨て、ランダム読書に負担にもならないかな、と早川11の物語を立ち読み。グレアム・グリーンが序を書いている。そこに目がいった。

『彼女と同じジャンルの作家であるハメットやチャンドラー云々』とある。へえ、そうなの、と思った。他にも本屋の惹句では女性のハードボイルド作家というのはいるが、まともなのは独りもいない。しかし、グリーンが言うなら間違いなかろう。

しかし『ハメットやチャンドラー』のような勧善懲悪的な英雄的私立探偵はいないというから、ますますええじゃないの、である。