賞の種類、テーマの相違、ジャンルの相違、スタイルの相違などを捨象して作品の質の横断的に絶対評価することは可能であるか、という問い
答え:可能である。基準は文章の質とストーリー・テリングの質である。
直木賞受賞作も本屋大賞受賞作も1、2冊しか読んでいないが、
直木賞はプロ(作家)による選考である(つまり一時選考編集者最終選考は作家)。だから技量という基準が勝っているのではないかという推測
本屋大賞は、半クロウトつまり書店員の入れ札(投票)によると理解している。
したがって、技量、質の評価はあてにならないと考える。
しかしこの世界は勝てば官軍(売れれば勝)ということだから、よりマーケットに近い書店員の投票にもそれなりの意味はある。
で、、最近意識して両賞関係の文庫を2、3冊ピックアップした。とりあえず気が付いた所を、
三浦しおんという作家がいる。「船を編む」というのが大賞らしい。数十頁読んだが端的に言うとひどい。少女小説みたい。ところで引っかかるのはこの人は直木賞も授賞している。それでこのアップのタイトルで考えてみようと言う気になった。
そこで彼女の直木賞作品をこれから読んでみよう。上記の仮説が妥当かどうかチェックしたい。個人でも作品の出来、不出来ということはあるが。
直木賞の「ロイヤルホテル」を読んだ。短編連作だが私流の作品の相対評価では「船を編む」より圧倒的にすぐれている。
ま、その年次の選考委員の程度にも影響されるし、年によってはましな作品がなくて無理矢理出版社の営業上の理由から受賞作をひねり出すということもあるかろうから、なかなか公平な評価はむずかしいかもしれない。