下町ロケット、70点と採点します。競馬のハンデで表現すれば負担重量57キログラム(古馬牡馬)というところです。
この小説は集団騎馬戦みたいなもので、登場人物は企業というか、企業のなかのサラリーマンの集団というか、が主人公だが、うまく雰囲気を表現している。リアルかどうかということよりも、雰囲気をよく捉えている。
企業人の集団の雰囲気を捉えた小説というのは私の乏しい読書経験では非常にすくない。これがうまく表現されていないと、トンチンカンな活劇になってしまう。
著者は銀行に新卒で入り10年ほど勤めたらしい。銀行という特殊な企業に10年もいれば大体企業内のグループダイナミックスがどんな物かはわかる。しかし、その雰囲気を適切な表現に移すには才能がいる。
かれは他にも半沢直樹とかいうおなじジャンルの作品があるらしい。大変評判がいいというが頷ける(ただし小生は未読)。