カズオ・イシグロ氏の「私を離さないで」をようやく100ページあまり読みました。ノーベル賞受賞者の作品を読んでみるかというミーハー的な動機です。数冊の作品の翻訳が出ているようですが例によって彼の作品の中でよく読まれているらしい、具体的には版数がダントツということですが、本書を選んだ次第。
帯や宣伝でクローン人間の臓器提供などとあるので、SFっぽいかなとも思ったのですが、なかなか作品の中では種を明かしません。大体どんな本でも100ページほど読むとなかに入っていけるものですが(もちろんある程度の水準以上ならですが、)本書は全然ピンときません。
訳文ですが文章は平明調なのだが、退屈な描写が延々と続きます。ちなみに本文庫の解説者柴田元幸氏は手放しの絶賛ですが、同調できません。インターネットものぞいてみましたが本格的な書評はまだないようです。読者コメントのスレッドはありますが、いずれも◎◎印ばかりで少し自信がなくなりました。村上春樹に似ているというが本作のことですかね。ほかの作品は見ていないので。
一番の印象はstickyな少女小説という印象です。ノーベル賞に敬意を表して最後まで読んでみるつもりです。何日かかるかわからないけど。