ちょっとヘーゲルのことを書いたので、また論理学などを拾い読みしている。書店で日本語の文献なども見るのだが、著者はほとんど(全部といってもいいほど)社会主義者(マルクス主義者)である。だから買わない。ヘーゲルからマルクスへということはよく言われているし、なにも考えなければそんなものかなと思う。しかも現在のヘーゲルの研究書や翻訳の大部分が主義者の手になる実態を見るとそうなのかな、とも思うのだが。
しかし、本当かなと思う。私はマルクスを全く知らないが、高校の公民的な知識としてのイメージはある。ヘーゲルとはまったく関係がないのではないか。あるとしたらマルクスの誤解であり、率直に言えばパクリではないかと思われてしかたがない。
労働の疎外という部分は関連性がまだ分かるが、弁証法が逆立ちしたとかどうとかいうのになると眉唾ものではないか。
ちとインターネットで調べた。本を買わなくてすむからね。阪南大学のページに同校が招聘した国際ヘーゲル学会会長アンドレアス・アルント教授の講演記録がある。それによると、マルクスはヘーゲルに批判的に言及しているが、それは示唆にすぎないという。つまりよくわからんということらしい。マルクスの同調者が権威付けの目的でヘーゲルとの関連をでっち上げたということらしい。彼マルクスの「書かれざる学説」つまり(ヘーゲルとの関係)は死後百数十年経ったいまでも説明研究を待っているとアレント教授はいう。