どの商売でもちょろまかしはしょうがないし、許されると消費者は思っている。それは駄菓子屋から始まり、コングロマリットに至るまで同じこと。あきんどとはそういうもの。それで飯を食っているプロ作家も商売人、あきんどの常としてある程度のちょろまかしは認められる。ケレン味とでもいうか、はったりというか。
キングの最近の作は許される許容範囲を超えている。たまたま、この欄で取り上げた悪霊の島とリーシーの物語はひどい。ほのめかし、おもわせぶり、ミスティフィケイションであふれている。
どうしてこうなっちゃうのか。筆が枯れたのか。あれだけのページ数を稼ぐために水増ししているのか。企業でもあるが、最初は必死にやるが、ブランド力がついてくると、ある程度手を抜いてブランド力で流してしまう。
キングはそれが通用する大作家なのだろう。新人時代には通用しない商法である。