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穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

許容範囲を超えるキングのほのめかし

2010-11-03 17:48:36 | 書評

どの商売でもちょろまかしはしょうがないし、許されると消費者は思っている。それは駄菓子屋から始まり、コングロマリットに至るまで同じこと。あきんどとはそういうもの。それで飯を食っているプロ作家も商売人、あきんどの常としてある程度のちょろまかしは認められる。ケレン味とでもいうか、はったりというか。

キングの最近の作は許される許容範囲を超えている。たまたま、この欄で取り上げた悪霊の島とリーシーの物語はひどい。ほのめかし、おもわせぶり、ミスティフィケイションであふれている。

どうしてこうなっちゃうのか。筆が枯れたのか。あれだけのページ数を稼ぐために水増ししているのか。企業でもあるが、最初は必死にやるが、ブランド力がついてくると、ある程度手を抜いてブランド力で流してしまう。

キングはそれが通用する大作家なのだろう。新人時代には通用しない商法である。