てな本を市中徘徊中見つけた。この趣旨はこのブログで年来主張して来たことと一致するので、同心の言嬉しやと立ち読みをしたところ、偶然めくったページに本というのは読まなくても内容を知らなくても書籍の立ち位置(他の類似書籍との関係)が分かればそれだけで書評が出来るという趣旨のことが書いてある。ちくまの文庫本だし手軽に流し読みが出来ようとあがなった次第であった。
ところがこれが退屈なしろもの、読むに耐えない。電車の中で読んでいて寝込んでしまった。帰宅してから思い出してどれ、もうすこし読んでみるかと思ったのだが本が見つからない。電車の中で鞄の中に入れたつもりが、寝ている間に手から滑り落ちて電車の床に落としてしまったらしい。
それでその時の印象、記憶で書くわけだが、書名もハッキリと覚えていないのでインターネットに書く以上書名ぐらいは読者の皆様に正確に伝えようと電網界を検索した。まずそれからお伝えする。
書名:読んでいない本について堂々と語る方法
著者:ピエール・バイヤール ちくま文庫
文章というか著述法が拙劣である。文章のうまさは比喩の適切なこと、引用が適切なことをみればある程度分かる。この本は引用がだらだらと長く何を補強しようとしているのか分からない。引用は著者が言わんとする所をよりアピールする様に行う物で、なんで長々と退屈な引用をしているのだ、と読者に不審を抱かせてはいけない。
もっとも引用が下手なのは大学教師の通弊であるからしょうがないとも言える。引用を沢山したり参照文献のリストを出来るだけ長くするのが大学教師のアリバイになるのだな。この著者は意味のない引用を長々とすることにより、書名と正反対のことをしているわけである。引用は本を逐行的にコピーするように機械的に読まないと出来ないからね。
シリアル読みの他に後ろから読んだり、気の向くままにあちこちつまみ読みをするのも良いと書いてある。この辺は当ブログでも言っていることで、この辺はいいだろう。
私も電車の中に忘れて来たので全体の十分の一も読んでいないのであるが。