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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<スポーツ雑感+ 2019/11/30>
友人のSNSで、元テレビ東京ディレクターの寺尾皖次さんが7月に亡くなられていたことを知った。寺尾さんは、今や伝説となったサッカー番組「三菱ダイヤモンドサッカー」の担当ディレクターだった。
「三菱ダイヤモンドサッカー」は、ぼくにとって、日本のサッカーを飛び越えて、世界のサッカーに目を開かせたくれた番組だ。「三菱ダイヤモンドサッカー」がなければ、ぼくがサッカーの魅力を知ることもなく、何度もW杯を観に海外に行くことはなかっただろう。
寺尾さんとお会いしたのは、2006年12月のビバ!サッカー研究会のゲスト講師として、「サッカーのテレビ中継と東京12チャンネル」というテーマで話していただいたときだ。「三菱ダイヤモンドサッカー」の収録の前には、実況の金子勝彦さんと解説の岡野俊一郎さんのために、3度、4度と試合を見て試合の流れ、ポイントをまとめていたという。また、1974年7月、W杯西ドイツ大会の決勝戦を初めて生中継したときの苦労話なども。そのような話を聞いて、金子さんと岡野さんの名コンビを支えていたのが寺尾さんだったということを知った。
その後も、何度かビバ!サッカー研究会に来ていただき、メキシコ五輪での日本代表の活躍のビデオや「ダイヤモンドサッカー」の第1回の放送の元映像など、貴重なものを見せていただいた。サッカーファンとしては、なんともぜいたくな経験だったと思う。
またお会いして話を聞きたいと思いつつ、ここ10年ほどは、年賀状の交換だけのお付き合いになってしまっていた。そして、今年の寺尾さんの年賀状には、「永年にわたり皆様と楽しく賀状の交換をさせていただきましたが、本年をもちまして新年のご挨拶を失礼させていただきます」と記されていた。今思えば、すでに体に異変があったのかもしれない。
遅ればせながら、寺尾さんのご冥福を祈ります。


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